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徒然日記 - 冷や汁エバンジェリストカテゴリのエントリ

エバンジェリストと学ぶ冷や汁の過去・現在・未来@福岡

世界初の冷や汁専門書『冷や汁万歳 復権!猖能瓩療租食』の刊行を記念して、9月7日に福岡市天神で「エバンジェリストと学ぶ冷や汁の過去・現在・未来」と題するイベントの開催が決定しました。

会場は、宮崎県都城市出身の顆純さんが経営するダイニングバー「TENJIN DINING MiST」。

1時間ほど冷や汁の過去・現在・未来についてのお話しを聞いていただいた後、3種の冷や汁の試食、参加者の交流という流れになります。
会費4,000円(税込)には、冷や汁や宮崎食材の料理とフリードリンクの代金が含まれます。

福岡で同種のイベントを開催するのは2019年9月以来3年ぶり。
50人は入れる大きな会場なので、たくさんの方の参加をお待ちしています。

詳細は、下記リンクから。

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冷や汁万歳

宮崎の(有)鉱脈社から、『冷や汁万歳 復権!“万能”の伝統食』が届きました。

この本は、元宮崎日日新聞記者の外前田孝さんとの共著で、「第1部 冷や汁彩々」を主に外前田さんが、「第2部 「冷や汁」温故知新」を主に私が執筆しました(一部それぞれの担当箇所があります)。

世間に広く流布している宮崎の冷や汁の鎌倉時代起源説が誤りであることを、フードアナリストとしての活動の中で発見し、その事実に加えて、冷や汁の未来を開く赤と白の冷や汁というアレンジレシピを広めようと、2018年から冷や汁エバンジェリストとして活動してきました。

そんな活動の中で出会った、元共同通信宮崎支局長の上野敏彦さんから、外前田さんを紹介され、二人で冷や汁の本を書くように勧められたのが、この本が世に出るきっかけとなりました。
原稿を書き始めてから3年余り、途中にコロナ禍で図書館での文献調査ができない時期があったり、外前田さんも私も、前職を退職して新たな環境を構築するタイミングが重なり、思うように筆が進みませんでしたが、上野さんの叱咤激励もあって、なんとか上梓にこぎつけることができました。
その上野さんからは、この本の巻頭言「究極の冷や汁本が完成」を寄稿いただきました。ここに記して謝します。

本は手元に届きましたが、実はこれからがスタートです。
まずは初版1,000部を売り切って重版がかかることが第一段階の目標です。最終的には、10,000部を超えると良いなと思っています。

何と言っても、これが世界で最初の冷や汁の専門書ですし、冷や汁という料理やその材料の歴史に関する文献調査にはかなりの時間を費やして参考文献等も記しましたので、後世の評価に耐えうる内容になっていると自負しています。
これを読めば冷や汁の全てがわかるという内容を、あまり小難しくなく読んでいただけるようにまとめたつもりです。

宮崎県内の書店の店頭には8月15日から並ぶ予定ですし、Amazonや楽天でも購入いただけます(Amazonはまだ「一時的に在庫切れ」になっていますが)。
少し時間はかかりますが、Kindleにも対応いただく予定になっていますので、電子書籍の方がという方は、しばしお待ちください。

幸いにもお読みいただけたら、忌憚ないご意見をいただけるとありがたいです。
また、できることなら、Amazonレビューへの投稿や、SNSでの拡散などで、販売にご協力いただければ望外の喜びです。
冷や汁の未来のため、よろしくお願いいたします。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

冷や汁万歳 復権!“万能”の伝統食
価格:1650円(税込、送料別) (2022/8/12時点)


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冷や汁本POP

元宮崎日日新聞記者の外前田孝さんとともに取り組んでいた冷や汁本が、ようやく完成して上梓されることになりました。

8月12日出荷予定の本の書名は、『冷や汁万歳 復権!“万能”の伝統食』。宮崎市にある出版社・鉱脈社の発行で、定価は1,650円(税込)となります。

2019年に、外前田さんから出版の話を持ちかけられて3年余、途中でコロナ禍で動けない時期があり、外前田さんも私も前職を退職して新たな環境の構築などもあったため、本当に出るのか危ぶまれたりもしましたが、なんとか出版までこぎつけることができました。

冷や汁について書かれた専門書は、冷や汁エバンジェリストの私が知る限り、これが最初だと思いますの、「世界初!」と言い切ってしまいます。

外前田さんによる宮崎県内や全国各地の冷や汁の取材記事から、私が担当した冷や汁の歴史や、その材料となる味噌、豆腐、魚、キュウリ、シソ、ミョウガの歴史や効能など、かなり突っ込んだ内容となっていますので、結構面白く読めると思います。

初版1,000部なので、全国どこの書店でも買えるという訳には行かないと思いますが、是非とも手に取っていただけると幸いです。
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アレンジレシピコンテスト大賞

COVID-19の影響で2021年に延期開催となった「国文祭・芸文祭みやざき2020」のプログラム一つとして、「みやざき郷土料理アレンジレシピコンテスト」が開催されました。

「宮崎の食文化」についてもっと知ってほしい!ということで、家庭から参加できる郷土料理のアレンジレシピをコンテストという形で集め、宮崎の食文化の多様性や県産食材の魅力を発信していくという意図の元に行われたものでした。

冷や汁エバンジェリストとしては、宮崎の郷土料理の代表である「冷や汁」で勝負するのは当然ということで、8月某日、Webの応募ページから写真とレシピを送りました。

赤の冷や汁と白の冷や汁

送ったレシピは、もちろん、「赤の冷や汁(Hiyashiru di Rosso)と白の冷や汁(Hiyashiru di Bianco)」。
どちらかひとつではなく、赤と白の2つでアレンジ料理としての広がりを示すところが大事なところ。

味には自信があったので、そこそこいいとこ行くかなと思ってはいたのですが、10月15日にもたらされた選考結果は、なんと大賞!でした。

審査員の皆さんがどんな感想を持たれたのか、講評が気になるところですが、とりあえずこれまで努力してきた結果が認められて、本当に良かったです。
これを糧に、こんごも冷や汁エバンジェリストとして精進していきたいと思います。

大賞受賞の応募レシピはこちらから。
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セブングレインパスタ

「世界があこがれる九州をつくる。」をコンセプトに、九州の豊かな農業資源やものづくりの伝統技術を生かして地域ブランドの創造を行っている(株)九州アイランド(本社:宮崎市高岡町)の製品のひとつに、九州7県から小麦、発芽玄米、もちきび、胚芽押麦、黒米、赤米、うるち米という7種類の穀類を集め、島原手延べそうめんの手法で作られた「セブングレインパスタ」があります。

茹で上がりは薄いグレイ色で、一見すると蕎麦みたいですが、モチモチとした食感で、麺自体にしっかりと味のある美味しいパスタです。

以前から、これは白の冷や汁に合うだろうなと思っていたので、試しに白の冷や汁ベースの冷製パスタを作ってみることにしました。

今回は、向栄食品工業の冷や汁の素を使いました。
スタンドパックでスクリューキャップが付いているので、小出しに使うのに便利なんですよ。冷凍庫に入れておけば長期保存も効くのでおすすめ。

セブングレインパスタ

冷や汁の素を無調整の豆乳で溶き、ベースとなる白の冷や汁を作ってきんきんに冷やしておきます。
パスタ2人前で白の冷や汁1人前くらいの分量で良いでしょう。

セブングレインパスタのスパゲティを茹でている間に、きゅうり、みょうが、大葉をせん切りにしておきます。

パスタが茹で上がったら冷水で締め、白の冷や汁の中に投入してよく絡めます。

絡まったら皿に盛り、上からきゅうり、みょうが、大葉をトッピングしてできあがり。

食べるときに、お好みでラー油をかけるのも良いですよ。

簡単にできるので、冷や汁のアレンジメニューとして、是非お試しください。

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冷や汁エバンジェリストとして、冷や汁は世界的に受け入れられる料理だと信じているのですが、信じているだけでは何も進まないので、勝手に国際化プロジェクトを進めています。

これまで何度もご紹介している赤と白の冷や汁もその一環ですが、盛りつけも工夫してみると面白いのではないかと考え、フレンチ風に盛りつけてみることにしました。

まずは、フランス料理で使われるような白いスープ皿と、セルクル(円形の抜き型)を用意。

赤の冷や汁フレンチ風

向栄食品工業の冷や汁の素を無塩のトマトジュースで溶いて、赤の冷や汁(Hiyashiru di Rosso)を作っておきます。

もち麦入りのごはんをセルクルに詰め、その上からあられに切ったキュウリ、ほぐした木綿豆腐、みじん切りのみょうがと大葉を順に重ね、最後に輪切りのキュウリを飾り、赤の冷や汁を周りに流して、EXVオリーブオイルを回しかけました。

白の冷や汁フレンチ風

続いては、冷や汁の素を豆乳で溶いた、白の冷や汁(Hiyashiru di Bianco)バージョン。

器は、白が映えるように濃紺の皿を使いました。

盛りつけ方次第でがらりと雰囲気が変わりますよね。
こんな感じであれば、コース料理の中で出て来ても違和感は無いと思います。

赤と白のあいがけ

ついでに、カレー皿であいがけも作ってみました。
ご飯少なめに盛りましたが、赤と白はあいがけにすると美味しいんですよ。
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2018年から「冷や汁エバンジェリスト」として活動してきて、嬉しいことに最近は、冷や汁のことについて詳しい人ということでご紹介いただける機会が増えてきました。

メディアから宮崎県庁の関係部署に問合せが行き、そこから私を紹介いただくことが多いのですが、「冷や汁と言えばあの人!」って感じになってきているようでありがたいです。

以下、今シーズンのメディアへの登場を備忘録的にまとめておきます。

小学館『めばえ』2021年8月号


めばえ2021年8月号親用冊子記事

まずは、小学館『めばえ』2021年8月号(7月1日発行)に付録の親向け冊子。

6月2日付けの投稿でも撮影風景をご紹介しましたが、ライターさんと打合せして、比較的簡単に作れるレシピを提供し、撮影の後に記事にまとめていただきました。

冊子にはノーマルな冷や汁だけが掲載されていますが、Webサイトの方には、トマトジュースベースの「赤い冷や汁」と豆乳ベースの「白い冷や汁」も掲載されています。

おうちでご当地COOKING#5「宮崎県 冷や汁」

NHK福岡放送局「ロクいち!」


ロクいち!

続いては、NHK福岡放送局の夕方の報道番組「ロクいち!」
「お取り寄せで九州沖縄応援!」という、キャスターの中田理奈さんがお取り寄せした材料で料理を作るという企画で、6月16日(水)の放映で宮崎県の「冷や汁」が取り上げられたのでした。

事前にレシピを送っておいて、スタジオにいる中田さんとリモートで会話しながら調理指導をするという試みで、事前収録ではありましたが一発撮りということで、なかなかスリリングでした。
料理にはまだ慣れていない中田さんに、いかにうまく作ってもらえるか、こちら側からは手が出せず、言葉だけで誘導という難しさはありましたが、調理自体はさほど難しくないので、なんとかうまく行きました。

スタッフブログの中で中田さんから、
「最初は全く想像がついていなかったのですが、実際作ってみると本当に紅白冷や汁になりました。(笑)
そして、作りながら私は、“本当においしいのだろうか?”と疑ってしまいましたが・・・
すみません。侮っていたようです。
豆乳が入った白冷や汁は、まろやかでよくおみそとも合い、とても食べやすかったです!
また、トマトジュースが入った赤冷や汁は、さっぱりとしたトマトの酸味とおみその優しい甘さがマッチしていて、こちらもおいしかったです!
どちらも夏の食欲のないときでもさらさら食べられそうでした!」

というお言葉をいただきました。

福岡放送局の制作でしたが、長崎、佐賀、熊本、鹿児島でも後日放映されたそうです。

KBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」


笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ

続いて、KBS京都ラジオで平日の朝に放送されている「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」という番組。
パーソナリティの笑福亭晃瓶さん、笑福亭鶴瓶師匠のお弟子さんだそうです。
その晃瓶さんとアシスタントの中村薫さんを相手に、質問に答える形で冷や汁の歴史や作り方などをお話しするというシナリオ。
もちろん、スタジオには行けないので、電話でおしゃべりする訳です。粗いシナリオはあるものの、シナリオどおりには行かないのが世の常。アドリブ力が問われます。

放送は8月6日(水)の8時10分頃からだったので、自宅で8時前からスマホ片手にスタンバって、本番を迎えました。

ラジオへの電話出演は過去に何度も経験しているので、緊張はしませんでしたが、電話だと互いの目が見えず相手との会話の間を測るのが難しいので、スムーズに話を繋ぐのは何度やっても難しいですね。
それでも、なんとか10分ほどのやり取りをこなしました。
京都の皆さんに冷や汁の魅力が伝わったら嬉しいのですが。


今のところ、今シーズンに冷や汁関係でメディアに登場したのはこの3本。
自主企画のイベント開催がなかなか難しい状況の中、こうして名前出して使っていただけるのはありがたいです。
まだまだオファーお待ちしていますので、お気軽にお声がけください。

それにしても、来シーズンこそは、冷や汁イベントをあちこちでやりたいものです。
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4月某日、小学館から発行されている幼児向け雑誌『めばえ』の関係者の方から連絡があり、『めばえ』に封入されている親向け冊子の中で「おうちでご当地COOKING」という特集を連載していて、7月1日発売の8月号で宮崎の「冷や汁」を取り上げたいので、協力して欲しいとの依頼を受けました。

最初に宮崎県東京事務所に「冷や汁に詳しい人を紹介して欲しい」という依頼が行き、東京事務所の職員の方が私を紹介してくれたとのこと。
冷や汁エバンジェリストとしての地道な活動が徐々に浸透してきていて嬉しいですね。

もちろん、二つ返事でお引き受けして、担当ライターの山津京子さんとメールで打ち合わせを重ね、なるべく本格的に、それでも割と簡単に作れるレシピを提案し、それに沿って実際に作った冷や汁を撮影するという流れになりました。

スタジオでの撮影風景

本当は新宿みやざき館KONNEの2階にあるレストラン「宮崎風土くわんね」での撮影を予定していたのですが、緊急事態宣言に伴う休業で使えなくなったので、5月某日に神田神保町にあるスタジオでの撮影となりました。

前日に冷や汁用の味噌を自宅で仕込み、当日午前中に具材のキュウリや大葉、ミョウガを刻んで密閉容器に入れてスタジオに持ち込みました。

その場で私が冷や汁を作り、それをフードスタイリストのなかざわひろ美さんが器に盛り付けてセッティングし、写真家の尾島翔太さんが撮影するという流れで、ノーマル、白、赤の3種の冷や汁の撮影が行われました。

めばえ用冷や汁

この写真は、私が尾島さんの撮影の合間に手持ちにiPhoneで撮ったものですが、さすがにプロのコーディネートとライティング。美味しそうな冷や汁ですね。
誌面に掲載される写真は、これよりもっと素晴らしいと思います。

実は冷や汁の撮影の後、私の顔写真の撮影もあったのですが、カメラマンの前に立ってバシャバシャと何枚も撮られる経験は初めてでした。
最初は少し緊張していましたが、尾島さんの声かけで、なんとか自然な感じの笑顔で撮影できたのではないかと思います。

今回監修した冷や汁が掲載された『めばえ』は、7月1日(木)発売予定。
誌面ではノーマルな冷や汁だけですが、Web版には白と赤の冷や汁も掲載されるみたいなので、掲載が確認できたら再度ご案内したいと思います。
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『趣味どきっ!』出演場面

5月19日(水)の21時30分から放映のあった、NHK Eテレ『趣味どきっ!』に、冷や汁エバンジェリストとして出演しました。

登場したのは、「伝統と革新!すぐ使える お弁当大百科 (8)『あったかひんやりスープ弁当』」がテーマの回。

もともと、番組の制作スタッフから宮崎県東京事務所に「冷や汁のことに詳しい人」の照会があって、東京事務所の担当の方から私を紹介いただいたとのこと。
ご紹介ありがとうございました。

「冷や汁」がどんな食べものなのかについての質問にお答えし、その一部が番組の中で使われました。
NHK的に「冷や汁エバンジェリスト」の肩書きはNGだったので、本業の肩書きで出てます。

また、新宿みやざき館KONNEの2階にあるレストラン「宮崎風土くわんね」の冷や汁も紹介され、料理長の森田さんが冷や汁を作る場面も登場しました。

番組の終盤で、料理研究家の渡辺あきこさんが出演者にお弁当用にアレンジした冷や汁を振る舞うシーンがあるのですが、そこで作られたのが、私が取材時にお話しした(放映では使われていませんが)豆乳で溶いた冷や汁でした。

5月25日(火)の15時34分からNHK総合1で、26日(水)の11時30分からNHKEテレ1で再放送の予定なので、見逃した方は是非!
また、NHKプラスでも見逃し配信があります。
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冷や汁は、今でこそ宮崎県の郷土料理の代表のように扱われていますが、実は、西日本を中心に以外と広く分布している料理なのです。
それを確かめるために、浦安市立図書館中央館に出向いて、資料に当たってみることにしました。

農山漁村文化協会(農文協)が、昭和初期(1930年頃)に農村や都会で台所を預かっていた女性たちを対象に、全国300地点、5000人の話者からその時代の食生活について「聞き書き」して都道府県別にまとめた『日本の食生活全集』(全50巻)という叢書があります。
それぞれの都道府県毎に『聞き書 ○○県の食事』と題してまとめられていて、1985年から1994年にかけて順次刊行されました。
これを読むと、昭和の時代に各都道府県でどのような食べものが主に食べられていたのか、どのような郷土料理があるかがわかります。
丁寧にも巻末には料理名を含む索引も付けられているので、片っ端から調べるのも楽です。
この叢書を南の沖縄から順にめくって、冷や汁の掲載の有無を確認してみました。

すると、「冷や汁(冷やし汁、冷やっ汁)」という名称の料理が掲載されている都道府県は、南から、鹿児島県、宮崎県、熊本県、大分県、長崎県、佐賀県、福岡県、高知県、愛媛県、香川県、埼玉県、群馬県、福島県、山形県、新潟県、宮城県の16県ありました。

これとは別に、宮崎の冷や汁に近い料理で「さつま(さつま汁)」という名称の料理が掲載されている県は、愛媛県、山口県、広島県、岡山県、兵庫県の5県。ここに香川県が登場していないのは不思議ですが、香川県にも西讃地方に「さつま」があるのは他の資料で確認済みです。

わかりやすいように、都道府県別の一覧表にしてみました。
『日本の食生活全集』(農文協)に見る「冷や汁」「さつま」
都道府
県名
名称 主な材料 かける対象
北海道      
青森県      
岩手県      
宮城県 冷や汁 きゅうり、じゅうねん(えごま)、味噌  
秋田県      
山形県 冷や汁 味噌きゅうり、みず  
冷や汁 煮干しまたは貝柱のだし、干ししいたけ、油揚げ、干し豆腐、にんじん、こんにゃく、かち豆、旬の野菜(くきたち、雪菜、うごぎ)  
福島県 冷や汁
(じゅうねん汁)
味噌、じゅうねん(えごま) 麦飯
茨城県      
栃木県      
群馬県 冷やし汁
冷や汁
冷やっ汁
きゅうり味噌、青しそ、ごま、えぐさ うどん、
そうめん、
おまんま
埼玉県 冷や汁 味噌、ごま、青しそ、きゅうり、みょうが、ねぎ、いんげん 麦飯、
うどん
冷や汁うどん 味噌、ごま、青しそ、きゅうり、みょうが、ねぎ、いんげん うどん
千葉県      
東京都      
神奈川県      
新潟県 冷や汁 味噌きゅうり、みず(みずな、うわばみそう)、みょうが、青しそ わっぱ飯
富山県      
石川県      
福井県      
山梨県      
長野県      
岐阜県      
静岡県      
愛知県      
三重県      
滋賀県      
京都府      
大阪府      
兵庫県 さつま (べら、赤した、とらはぜ)、味噌、卵、だし汁、ねぎ ごはん
奈良県      
和歌山県      
鳥取県      
島根県      
岡山県 さつま味噌 (いりこ、小類、でべら)、ごま、味噌、ねぎ、しょうが 麦飯
広島県 さつま汁 (このしろ、ぼら、だしじゃこ)、味噌、ねぎ 麦飯
山口県 さつま (めばる、やはんどう)、味噌、さんしょう 麦飯
徳島県      
香川県 冷や汁 きゅうり、煮干し、味噌 麦飯
愛媛県 冷や汁 (いわし)、味噌、ねぎ 麦飯
さつま (たい、こずな、いとより、あじ、このしろ、いりこ、うぐい、やまめ)、麦味噌、らっかせい、こんにゃく、ねぎ 麦飯
高知県 冷や汁 (じゃこ)、豆味噌、しょうが、ねぎ 麦飯
ぼっかけ (じゃこ(煮干し))、味噌、ねぎ、しょうが、ごぼう 麦飯
福岡県 冷や汁 味噌、ごま、さんしょうの葉、青しそ、だし、ねぎ 麦飯
佐賀県 冷や汁 (ほり(べら))、するめ、きゅうり、青しそ、味噌 麦飯
長崎県 冷や汁 味噌きゅうり、青しそ 麦飯
熊本県 冷やし汁 味噌きゅうり、ごま、だし汁 麦飯
大分県 冷や汁 味噌きゅうり、青しそ、ごま  
さつま 味噌、ごま、ねぎ、青しそ ご飯
宮崎県 冷や汁 (いりこ、火ぼかし魚(あじ)、白身の魚)、味噌、ごま、きゅうり、青しそ、ねぎ、豆腐 麦飯
鹿児島県 冷や汁 (いりこ、白身の魚、魚のひぼかし、かつおの削り節)、味噌、梅干し、ねぎ、青しそ、きゅうり、さんしょうの実 丸麦ごはん
沖縄県      

これを見ると、「冷や汁」はその中身や作り方は多少異なるものの、西日本、北関東、東北に分布しており、味噌を使う料理であること、冷たくして主に夏場に食べることは共通しています。
西日本では、麦飯を食べるための料理であり、北関東では麦飯もですが、うどんやそうめんを食べる際に用いられることが多いようです。

「さつま」は、瀬戸内海を取り囲むように分布しており、そこで採れる魚を使う料理で、きゅうりは必須ではないところが「冷や汁」と多少異なります。

山形の冷や汁は、2種類あり、米沢藩のあった置賜地方のそれは、貝など乾物の出汁を冷たくして季節の野菜にかけるおひたしのようなもので、中世から伝わる「冷や汁」に近いのかもしれません。
冷や汁の歴史については、稿を改めてまとめたいと思います。
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