『図書館雑誌』2002年11月号受領。今月の特集は、「図書館とサービス評価」。その中の「図書館の利用者満足度水準について -全国図書館利用者満足度調査(1万8000サンプル)から-」(大島章嘉)に、全国で満足度の高い図書館ベスト15が掲載されており、なんと、宮崎市立図書館が7位にランクされている(1位は港区立みなと図書館)。
1位から15位までの各館の回答者数が10~55人と少数で、サンプル(回答者)の採取方法もインターネット上のフォームへの任意回答という手法を取っていて、統計学的な配慮は全くなされていない。恣意的な誘導も可能な方法のようだ。従って、結果にはかなり偏りがあると受け取れる。満足度に影響を与える要因に関する分析はさておいて、このベスト15を掲載する意味が果たしてあるのかどうか。評価が高いと判断された図書館が、変に勘違いしなければいいのだが。雑誌の編集者側もちょっと安易な気がする。
同じ号の「投稿FORUM」の中では、日本図書館協会のあり方について建設的な批判が展開されており、それと併せて興味深い号である。