志布志町図書館

2001年3月10日訪問

  串間市立図書館の又木さんの、隣町なので是非とも観て帰るようにとの勧めに応じて、串間市から足を延ばしました。
 場所は、志布志の町役場を目印に、役場の前の道路を右手に折れ、結構急な坂を上った頂上にありました。役場の裏手の山の上といった位置関係でしょうか。
 淡いピンク色のタイルが張られた外壁で、屋根は銀色です。写真では、逆光のために少々わかりにくいですね。平成9年9月24日に開館した、比較的新しい図書館です。

※ 志布志町は、2006(平成18)年1月に市町村合併により「志布志市」になりました。

図書館入口

玄関 広い歩道には花壇もしつらえられてるが、こんなに広い歩道が必要には見えなかった。きっと、張り出している3つの閲覧スペースの窓から見える効果を計算しているのだろうと解釈。


駐車場入り口 駐車場の入り口にかかるアーチ。左側の図書館本体の壁から一体で続いている。写真では逆光だしモアレがかかっているためによくわからないが、ピンク色のタイルである。ここまで壁が必要な理由がよくわからなかったが、なんとなくなまめかしくて、ラブホテルの入り口を連想してしまった私は不謹慎?。


駐車場から入り口へ 駐車場から図書館の建物を見ると、こんな感じ。通路を奥に入って行くと出入口(裏口と言うのかな)がある。通路の右手には、「野外集会広場」と名付けられたスペースが設けてある。左側の棟が一般図書コーナーになる。


駐車場からの通路 駐車場からは、こんなコンクリート打ちっ放しの列柱の通路を通って行く。やや狭い感じがするし、個人的にはあんまり好きになれない。設計上こうせざるを得ないなら、せめてアイビー(蔦)などの植物を這わせてコンクリートの冷たさを消したいところである。


返却ポスト 駐車場の一角、駐輪場の屋根の下に据えられた返却ポスト。見た瞬間、何故こんなところに?と思ってしまった。返却された図書をここから館内に運ぶのは結構大変だろうし、車で来た利用者が最も利用しやすい場所とも思えない。
 正面玄関の横には、建物に作りつけで返却ポストが設けられているので、車で返却に来る利用者のために後から設置したのだろうが、この分駐輪スペースも減るし、ちょっとお粗末。こんなことにならないように、利用者の動線をよく考えて設備を設置したい。


正面玄関 こっち側が正面玄関。ポーチの庇の部分には、「志布志町図書館」の文字。


返却ポスト 玄関の自動ドアを開けて、いよいよ内部へ。


案内板 玄関を入るとすぐのところに「館内ご案内」と書いた案内板が立っていた。「ようこそ図書館へ」の文字の下には、「本は、町内に住んでいるか、通勤通学している方ならどなたでも無料で借りられます。町外の方は職員にお訪ねください。」とある。町外の人である私は、「職員に尋ねる」か「職員を訪ねる」か、どっちかだとツッコミたくなった。
 それはそれとして案内を良く読むと、本は1人5冊まで15日間借りられるらしい。


平面図 内部の平面図はこうなっている。上の案内板の配置図とは向きが逆だが、こちらは、カウンターでいただいたパンフレットから取り込んだ。
 図の右が正面玄関で、左に駐車場がある。方位は、おそらく上が北だと思うが、多少左右にぶれているかもしれない。
 設計事務所がどこなのかをカウンターで尋ねたが、「わかる者がいない」とのことで、それ以上調べてはいただけなかった。残念。
 パンフレットからわかるデータとしては、延床面積1,278㎡、蔵書のキャパシティは10万冊(閉架書庫含む)。開館時間は9:00~18:00、休館日は月曜日、国民の祝日のほかに年末年始。


玄関から奥へ 案内板から目を転じて、正面奥を望むとこんな感じ。天井が高く、白い壁に、木製書架が奥まで続いている。左上の天窓にはステンドグラスがはめ込まれ、雰囲気はなかなか良い。


玄関から奥へ 目を左に転じると、カウンターがあり、その奥には児童コーナーが。「こどものくに」と書かれた白いアーチが目を引く。
 カウンターは、この写真ではよくわからないが、3つの短いカウンターに分割されており、職員が館内にすぐ出て行けるようになっている。

児童コーナー

おはなしのへや 白いアーチに緑の文字で「こどものくに」。特別な空間を演出したかったのか、床には赤いじゅうたん。


くつをぬいで 児童コーナーの前まで行くと、目の前には「くつをぬいであがりましょう」の看板が。どうして日本の公共図書館って、こんなに子どもに靴を脱がせるのが好きなのかな?。志布志だけではなく、こんな図書館は結構多い。
 新しいじゅうたんを汚したくないとか、子どもは床に座り込んだり寝ころんだりするから、なんとなく汚いということなんだろうが、これはこれで十分に障壁(バリア)だよね。このままじゃ車椅子では先に進めないし。


靴箱 「くつをぬいで」の看板の左右には、こんな靴箱が両側に壁のように据えられていて、児童コーナーへの出入りはアーチの下の1ヶ所のみになっている。
 キャパシティは、5列×4段×2基=40人分。40人以上の同時利用は想定されていないということか?。


靴散乱 子どもは、靴箱があろうが無かろうがお構いなし。靴箱が空いてても、児童コーナーの入り口はこんな状態。やれやれ。
 図書館職員としては、きちんと靴箱にしまわない子ども達に注意すべきか、それとも靴箱の壁を取り払って、自由に靴のまま行き来できるようにすべきか?。


絵本架 ここの絵本架は、面展示が3段。子どもの目線からすると、ちょっと高いような気がする。


壁面絵本架 児童コーナーを入って左奥の壁に据えられた絵本架。展示スペースが空いているのは、職員の手が回っていないからなのか?。土曜の午後だから忙しかったのかもと、良心的に解釈。
 


児童書架 3段の児童書架。背板があって、奥行きが約22cm。


児童書架横から 同じく3段の別の児童書架を横から見たところ。
 同じ版型の本が並べてあるが、奥に揃えてあるので、横から見るとどうしても家具が勝ってしまい、本が訴えかけてこない。各段の高さもこの版型の本を並べるには余裕がありすぎて、なんとなくもったいない。図書館家具のメーカーの汎用品を何の考えもなく使うとこうなります、といった見本みたいな並べ方。棚板の前の縁に合わせて並べれば、もっと違った感じになるだろうが、それを維持するには図書館員の絶え間ない努力が必要となる。
 ちなみに、志布志町図書館の家具は、「日本ファイリング」製。


出版社別排架 児童コーナーの書架を見ていたら、出版社別に排架してある棚があるのに気がついた。今までこんな並べ方の図書館を見たことがないので珍しいと思ったが、最近は現場に疎いので、斬新なのかもしれない。しかし、利用者が本を探す場合のメリットを考えてみたが、どうしても思い浮かばない。
 読み物なら著者別、それ以外ならジャンル(分類)別の方が便利だと思うのだが…。


紙芝居架 紙芝居架。紙芝居の大きさに比べると、ちょっと仰々しい感じ。上段をここまで大きく作るる必要があるのだろうか?。家具が勝ちすぎて、資料(紙芝居)が生きてこない。


円弧形絵本架とテーブル 紙芝居架の隣、児童コーナーの奥の南側の窓に面した方に足を運ぶと、円弧型の絵本架があって、そこから半円形にじゅうたんの色が青に変わり、テーブルと椅子が置かれたスペースになっている。
 それにしても絵本架があちこちにあるなという印象。児童コーナーの中央に置かれた書架を囲むように絵本架が配置されている。よほど排架計画をしっかりしとかないと、目的を持って探すのは難しいかもしれない。


テーブルと椅子 テーブルは、円形のものがひとつと、同じ大きさを半円に切ったものが2つ。南面の窓のすぐそばなので、直射日光が入る。夏は暑いかも。


階段状のスペース そのまた奥の壁面には、こんな階段状のスペースがある。ちょうど、子ども達が寝転がったりして本を読んでいた。お話し会を開いたりするためのスペースかなと思ったら、その隣にはちゃんと「お話の部屋」が用意されていたので、そうでもないみたい。


お話の部屋入り口 階段状スペースの右隣にあった「お話の部屋」の入り口。閉まっていたので、中は覗けず。ここまで外部と隔離しなくても良いのに。


一般書コーナー

一般書コーナー 正面玄関の方から、一般書コーナーを見通したところ。
 手前に4段の低書架、奥に5段の中書架が配され、左側と奥の壁面は、8段の高書架が据えられている。


低書架と中書架 通路をはさんで右側が4段の低書架、左側が5段の中書架。下2段がやや裾広がりになっている。
 書架には背板があり、奥行きはやや深め。ここでは資料が奥に揃えられているので、資料の訴える力はやや弱い。棚板の奥行きをもう少し短くするか、資料を前面の縁で揃えるようにすると、資料が生きてくるはず。


通路のスツール 北側の通路には、書架の横にブルーのスツールが置かれていいる。


新書架2 写真の右奥が正面玄関方向。高い天井に白い壁、窓の開口も大きく、南面の高窓にはステンドグラスがあって、全体は明るく雰囲気も良い。施設としては申し分ない。
 こうして写真を見直すと、施設全体の雰囲気と比して、家具がやや重い印象を受ける。もう少し軽快な作りにして、資料が主役に見えるようにすると良かったのではないかと思う。


書架サイン1 低書架の上部にあるサイン。


書架サイン2 低書架の側面に付けられたサイン。


畳コーナー 苅田町民図書館の成功以来、よく見かけるようになった畳敷きの読書コーナー。座椅子が全部で8つ置かれており、両サイドは、掘り炬燵みたいに足を伸ばして座れるようになっている。
 撮影途中でデジカメのバッテリーが切れたので写せなかったが、ここには畳コーナーの他に、テーブルと椅子のコーナー、ソファーのコーナーと全部で3つの読書コーナーが一般書コーナーから張り出す形で設けられており、なんとなく設計に苅田町民図書館の影響を感じさせる。

その他

雑誌展示架 正面玄関を入って左手、児童コーナーの手前には、新聞・雑誌コーナーが設けられており、このような雑誌架が3台置かれている。壁面展示3段で、下段にはバックナンバーをストック。


雑誌架とソファー 雑誌架の横には、ブルーのゆったりとしたソファーが並べられている。


ボックス式雑誌架 閲覧用ソファーの奥の壁面には、5段のボックス式雑誌架が。全部合わせると、雑誌の数はかなりのものになる。
 この雑誌架は、展示面を開くと中にバックナンバーが保存できるようになっているが、中には「納骨堂式」とデザインを嫌う人も…。


喫煙コーナー 志布志町図書館を見学してて最も驚いたのがこれ。
 新聞・雑誌コーナーの一角にソファーがあり、その横にはなんと灰皿が!。閲覧室内で喫煙できる図書館を初めて見た。よくぞ嫌煙派から苦情が出ないものだ。ひょっとして志布志町民は全員愛煙家なのか?。


新聞架 当日分の新聞を綴った新聞架。ストック用の新聞架を探すのを失念して写真は無し。
 残念ながら写真は無いが、このカウンター前のスペースには、他にAVコーナーや対面朗読室などがあり、AVコーナーではCDやLDの視聴が可能。


BM車庫 BM車庫には、移動図書館車「がんがらちゃん号」と、連絡車の2台が駐車。


がんがらちゃん BM(移動図書館)のボディに描かれた「がんがらちゃん」。図書館のシンボルマークになっている。

Translate »