2000.10.16(Mon.)

 本日付け読売新聞の「生活論点 for 21」に、図書館計画施設研究所長の菅原峻さんのインタビュー記事。5段抜きで菅原さんの写真も大きく出ている。
 公共図書館の数は増えてはいるが、「使い勝手を真剣に考えた図書館というのは意外に少ない」とのこと。図書館づくりの計画に住民が参加して、素晴らしい図書館ができた例として、佐賀県伊万里市の図書館が挙げられている。
 ちょっと長くなるが最後の部分を引用。
「公共図書館勤務は、ともすれば役所の一ポストとなりがち。しかし、館長と職員にはぜひ専門知識と情熱を持ってほしいものです。利用者も注文をつけるのに気後れすることはありません。自分たちの税で建てた以上、読みたい本や聞きたい講座があればリクエストし、質問電話もどんどん掛ける。実は本当の図書館づくりは建ってから。住民が育て、鍛えるものなのです。」
 あたりまえなんだけど、含蓄のある言葉である。

 同じ日に、回覧されてきた官庁速報(時事通信社)を読んでいたら、10月3日付けの中に福岡県小郡市(人口54,600人)の図書館が、10月から開館時間を金曜日に限り午後8時まで2時間延長するとの記事。時間延長には13人の職員(派遣職員8人を含む)の時差出勤で対応し、延長時間は2人で勤務とのこと。午後6時以降はガードマン1人を配置するため、時間延長のための費用は、ガードマンの人件費約60万円(半年分)と駐車場の照明設備設置費用の845万円なのだとか。
 続いて10月10日付けのには、宮崎県東臼杵郡北方町(人口5,300人)が、歯科医院を併設した図書館を建設するとの記事。建物は3階建てで、延べ床面積約1,800㎡。1階部分は駐車場、2階が歯科医院と駐車場で、3階が歯科医の自宅なのだとか。総工費約4億5,000万円で、2001年3月完成予定。
 所蔵する図書は約5万冊で、ICチップを張り付け、利用者にはICカードが配布されるらしい。また、歯科医院の利用者が図書館で本を読んでいると、受付で渡されたポケベルで呼び出されるとのこと。
 記事には、町外に転出を計画していた歯科医の引き留め策として、町が図書館の一部を提供することを提案したとある。歯科医院との併設は面白い試みではあるが、決して図書館からの発想でできた産物では無さそう。ひょっとして、歯科医が図書館長も兼ねるのか?。
 図書館は「建物」ではなく「機能」であることを関係者が忘れないで欲しいと切に願う。

Translate »