その2
1階に降りて、入り口のBDS前あたりから子ども室を見渡したところ。
写真の左手、ブックトラックが並んでいる奥が子ども室のカウンター。
床は、ややグレーがかったカーペット敷きで、濃淡2種類で市松模様になっている。
子ども室の奥、南西の角あたりから全体を見渡してみたところ。
手前に絵本架が見え、その奥に4段の中書架が並んでいる。
上の写真でもわかるように、天井高が少し低いように感じるかもしれない。これは、このエリアの主役である子ども達の視線に合わせて、あえてこの高さに抑えてあるとのこと。当然、一般閲覧室とは天井高が違う。
この写真で、子ども室の構造がよくわかる。写真右が南面の壁、正面が東側の壁で、ともに元の工場の煉瓦壁だった部分。
柱で支えられた写真左側の主構造とは梁でつながれており、その上部はトップライトとなっている。これは東側も同じ。
主構造の2階部分は、集会室と会議室になっており、トップライトから採り入れられた光は、直接室内に入らずに、主構造の上部壁に反射して壁側の書架を照らすようになっている。
南側の壁にしつらえられた絵本用書架。
下の1段が収納架で、その上面がやや広くなって本を広げて見ることができるようになっており、その上3段が面展示用の書架になっている。なかなか考えられた造り。
その上部は、展示や飾り付けができるようになっていて、この時はクリスマス用の飾り付けがされていた。
南側の壁には、2ヶ所の窓が設けられており、その下は壁の厚みを利用したテーブルになっていて、椅子が2脚置かれている。
2つ上の写真の反対側、東端から南側の壁を見たところ。
西側は、大きな開口の窓になっており、その向こうが煉瓦が敷き詰められた中庭。
南側壁面の書架は、この写真の奥側は絵本架に、手前は7段の高書架になっている。書架の上には、書架を照らすためのライトが取り付けられている。
入り口の方に戻って、カウンター横から絵本コーナーに向かう時に最初に迎えてくれる、おすすめの本の展示架。クリスマスシーズンということで、クリスマス絵本の特集が組まれていた。
おすすめ本の展示架を斜め横から見たところ。このように、三角形をしており、表裏両面で3段ずつの面展示が可能。
南北方向に一直線に伸びる絵本架。
下2段が収納架になっていて、その上部で面展示ができるようになっている。
絵本架の上段部。
平置きに近い、角度の浅い展示と、立てかける形で、角度をつけて展示するものと、2とおりの面展示ができるようになっていて、なかなかの優れもの。
絵本は表紙が命だから、面展示がたくさんできるようになっているのは、図書館職員にとっても利用者にとっても嬉しいもの。そこが設計者の腕の見せ所でもある。
絵本架を横から見たところ。
三角に組み合わされた背板から、棚板が3段に出ていて、一番上が面展示用に作られている。
真横から見ると、1本の木を感じさせるようで、造形的にも美しいと思う。
棚板の奥行きは30cmで、棚板と棚板との間は32cm。上部の面展示できる部分の背板の高さは、23.5cm。
煉瓦敷きの中庭に面した西側窓のところには、このような絵本の展示架が配置されている。
ブラウジング用の天板に少し傾斜をつけた机を、横に長く伸ばしたような感じ。少し大きめの絵本が載せられていて、その前には座面の丸いスツールもいくつか置かれていて、そのまま座って絵本を眺めたりもできるようになっている。
午後になって、西側の窓から日光が入るようになると、窓にはこのように白いロールスクリーンが下ろされる。
完全に遮光するのではなく、半透明で、窓の外の様子をうかがうこともできつつ、直射日光を遮るようになっている。安易にブラインドやカーテンで遮光してしまう図書館も多い中、こういう部分にも一工夫されている。
紙芝居専用の書架。両面に2段6列ずつ、たっぷりと収納できるようになっている。下段は、手前に引き出して見ることができるようになっている。
紙芝居は、標題の五十音順に並べられていた。
絵本コーナーの一角に置かれていた丸テーブルと椅子。
座面が赤く、木製家具とグレーのカーペットの色調の中で、ほどよいアクセントになっている。テーブルの天板はグレー。
絵本コーナーの奥、紙芝居架の隣にある柱の周り3面を囲うように置かれた大きめのソファー。
子どもなら、寝転がって本を読むこともできそう。色は、やや灰色がかった青緑色とでも言うのかな、面積が広い分、落ち着いた感じに抑えてある。