今日は、新聞に図書館関係の記事が盛り沢山。
まず、本日付け宮崎日日新聞の文化面に「100周年迎える県立図書館」という見出しで明日(5/28)に創立100周年を迎える宮崎県立図書館の紹介記事。
県立の独自性が見えず、宮崎市の北部を県立が、南部を宮崎市立がカバーしている現状や、司書が少なくて宮崎市立の12人に対し8人(しかも大半が嘱託)という現状をふまえ、「図書の専門家が育たない背景には公立図書館の採用や人事異動の在り方に問題があるようだ」と指摘。かつて県立に勤めていた小野和道氏のコメントとして、「将来は全出版物がインターネットで読めるようになるだろうが、人が集まり、本を実際に手に取り、人と人が接する教養機関としての図書館の役割はますます重要になる。公共図書館がインターネットの方に向かい、機械化されて人間の介在が減っていくのは間違い」と、将来の方向に釘を刺すところなど、ありがちな提灯記事にならずなかなか良くまとまっている。
その記事のある前のページ、くらし面には、「国際子ども図書館全面開館 児童書未来へ引き継ぐ」という見出しの記事が掲載されており、東京上野にある子ども図書館の杉山きく子司書が、同館を紹介。
同じ宮崎日日新聞の読者投稿欄である「窓」欄には、高城町の別当さんの、都城市立図書館にカラーコピー機を設置して欲しいとの投稿も掲載。
また、本日付の日本経済新聞のコラム「列島あれこれ番付」には、先週の続きで都道府県別の公立図書館の司書の数に関する記事。
全国の図書館の司書数は減少傾向にあり、昨年は7,518人で全職員に占める割合は49.4%と5割を下回った。都道府県別では、滋賀県が最も高くて82.0%、我が宮崎県は、29.4%で当然のように最下位。
記事では、司書の比率が減っている背景には、各自治体で司書の専門性を重視した採用や人員配置が行われておらず、折からの財政難で嘱託、アルバイトが増えた事情がある、と分析。最近のベストセラーの大量購入への批判と関連して、「司書が少ない図書館で安易な本選びがみられるのは事実。司書を増やせば少ない予算でも良質な本ぞろえができる」という日本図書館協会のコメントを紹介。
また、大串夏身昭和女子大教授の「地方分権時代の図書館は司書の充実だけでなく、出資者である住民自らが運営する意識を持つべきだ。図書館も経費や運営内容を情報公開し、ボランティアを募るなど住民参加を促す必要がある」というコメントも紹介。