『図書館雑誌』2003年3月号受領。今月の特集は、「図書館の業務委託を考える」。
公立図書館の業務委託に関しては、まず、筑波大学の薬袋秀樹氏が貸出カウンター業務委託に限って、委託による合理化を積極的に評価しつつ、業務を専門的業務と非専門的業務に区分し、専門サービスとしての読書案内・レファレンスサービスの確立が必要と主張。
続いて、松原市民図書館の西村一夫氏が、カウンター業務の「根幹的、非根幹的」或いは「基幹的、非基幹的」な切り分けは困難であり、利用者に接して本の動きを把握せずして図書館業務は成り立たないとし、図書館自身がこれからの図書館についてのビジョンを持ち、提案すべきと主張。
西村氏の主張は、専門職としての司書の在り方を説くものであり、全面委託を避けるための方策として専門職としてのサービスの在り方を考え直すべきとする薬袋氏の主張に反するものではない。
結局、専門職としての司書が、これまでの蓄積や仕事のやり方に安住するのではなく、原点を見つめつつ、時代の変化に従って自ら変革していくべきということなのだろう。