「日本一の読書県」について考えてみた

7月5日(水)に、東京・日比谷の千代田区立日比谷図書文化センターにおいて、日本図書館協会主催で、シンポジウム「図書館とまちづくり」が開催されたのですが、そのパネラーの一人に、宮崎県の河野俊嗣知事が出席するという情報を得ていました。

その日は、たまたま家族旅行から浦安の自宅に戻る日だったので、こんな偶然はなかなか無いなと思いつつ、出席すべくエントリーボタンを押したのでした。

そして当日、宮崎の司書仲間のお二人と席を並べてシンポジウムの出席者の発言を聞き、必至にメモを取って、合間に写真も撮影したのでした。

その模様は、ここに書くかどうか迷ったのですが、ここよりはるかに読者の多い「テゲツー!」に掲載することとしました。
しかし、ボリュームもあったし、個人的にもあれこれと忙しくて、まとめるのに思いのほか時間がかかり、ようやく8月13日(日)に書き上げて掲載することができました、

「『日本一の読書県』について真面目に考えてみる」(宮崎てげてげ通信)

まだお読みになっていない方は、まず上記の記事をお読みいただくとして、記事には書かなかった感想などを。

読書活動を振興するためには、公共図書館の役割は不可欠で、その図書館を生きたものにするためには、司書の力が欠かせないということは、図書館関係者の間では、もう数十年も言い続けられてきているのですが、実態はかなりお寒い状況で、自治体の財政事情の悪化に伴って、図書館職員の司書率は下がるわ、待遇は悪くなるわで、どうにもおかしなことになっている訳です。

そんな中で開かれたシンポジウム、パネラー4人の中で最も図書館関係者らしいと感じた讀賣新聞の西井さんがうまくリードしていただいたおかげもあって、ざっくり言い切ってしまうと「やっぱ人が大事だよね」という結論でまとまったような気がします。

しかし問題は、それを具体的にどういう風に施策として反映させていくかなのですよね。

河野知事は、例えば「県立と市町村立の人材交流」といった切り口を提示された訳ですが、今の市町村立に、県立に人を出せるだけの余裕があるのか、また、県立の側に、市町村立から来た人を指導できるだけの力量のある職員(司書)がいるのか、はなはだ疑問なのです。
もちろん、県立から市町村立に人を出すと言っても、それもなかなか難しいだろうと思います。
それほどに、宮崎県内の図書館職員は、層が薄く疲弊してしまっているように思えます。問題の根は、想像以上に深いのです。

よその県のことはわかりませんが、少なくとも宮崎県では、県立と市町村立が一体となって、早急に人材養成プログラムを作り、5年後、10年後に向けた人材育成を始めるべきではないかと思います。

その先に、ようやく「日本一の読書県」の姿が見えてくるのではないでしょうか。

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