本日付け宮崎日日新聞の総合面に、「そこが聞きたい」と題して、大学図書館の地域開放に関する宮崎産業経営大学付属図書館長の三好充氏のインタビュー記事掲載。
三好氏は、4月に同大学法学部教授に赴任し、同時に附属図書館長に就任。大学図書館は1996年に完成した鉄筋2階建て、延床面積約2″,500平米で、蔵書数は10万冊超。法律関係の図書は約22,000冊で、法律、経済関係の専門書が多い。司書は2名。
図書館の地域開放としては、1987年の開学から行っているが、学外貸出登録者は約100人で、実際に利用している人はその2割だとか。
財政的に余裕のない私立大としては他機関への資料貸出にも受益者負担をお願いしており、県立図書館など公立図書館との連携には踏み出せないでいるという。図書館のスタッフ不足が運用面でのネックになっており、今でさえ他の大学等から送られてくる研究紀要等の整理が行き届かない状況なのだとか。
三好館長は、「知の地域づくり」を提唱し、知的立国を目指すための地域図書館の整備を訴える鳥取県の片山知事の例をひきつつ、「知の宝庫」である大学図書館の充実にも自治体が目を向けるべきであると言う。
言わんとするところはわからないでもないが、宮崎の公共図書館もまた、大学図書館と同様の状況にあることをご存知ないようだ。現状では、大学図書館を支援する余裕など無さそうである。
しかし、県内の公共図書館、大学図書館、学校図書館の相互連携は、図書館サービスの拡充という観点からは、もっと行われて良い。これまでは、それぞれのサービスは独立したものとして考えられてきたが、ITの発達が、横の連携をやりやすくしている。
とりあえず、それぞれが持つ書誌データを横に繋いでみて、物理的な資料の移動をどのように効率的に行うかを考えてみれば、効率的な連携の方向が見えてくるのではなかろうか。