図書館で病を学ぶ

 本日付け日本経済新聞の生活面に、「図書館で病を学ぶ」と題する記事掲載。

 関連の蔵書コーナーをつくるほか、利用者が欲しい情報が載った文献の検索を手伝うなど、図書館を利用して住民が医療サービスを主体的に選べるように、病気や治療方法などの医療情報を住民に提供する動きが公共図書館に広がっているという。

 具体例として挙げられているのは、横浜市中央図書館鳥取県立図書館の2館。

 横浜市中央図書館は、2006年12月に医療情報コーナーを新設し、疾患ごとに分類(というか配架だろう)。司書らが書籍探しも手伝う(当然のこと)。

 鳥取県立図書館は、2006年7月に「県民のための健康情報サービス」を始め、闘病記の収集に力を入れているとのこと。
 従来は、医学、ノンフィクション、エッセーなどあちこちの書棚に散らばっていた闘病記を、一カ所に集めてアルツハイマーやがんなど病名ごとに分類(だから配架だって)して、一覧できるようにしているとのこと。
 現在、闘病記だけで蔵書は約1,000冊。1,500冊まで増やす計画らしい。

 記事によれば、医療情報提供をいち早く始めたのは東京都立中央図書館だと言われているらしい。
 2004年6月に専門コーナーを作って病気や病院に関する書籍・資料を置き、治療法や検査法、薬、医師について調べるようにしたのだとか。

 こうした動きの背景には、医師と患者との関係が見直され、どの病院でどんな治療を受けるかは患者自らが決めるのが望ましいという考え方が主流になりつつあるという環境の変化がある、と記事は伝えている。

 図書館が、住民への情報提供拠点として機能するためには、これらのサービスは当然のことであり、今後は、医学部を持つ大学の付属図書館との連携など、より高度な情報提供を模索する方向へ進んでいくのではないだろうか。

 また、病院に診察や見舞い行くといつも、入院患者がいる病院なら図書室があって、病室で読む本や雑誌の貸出が受けられたり、自分の病気のことについて主体的に調べられたりできればいいのにと思う。
 図書館のアウトリーチサービスとして、病院に目を向けることも必要なのではないだろうか(既にやっているところも多いと思うけど)。

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