今回のお勧め本は、埜納タオ著『夜明けの図書館』(ジュールコミックス)。
初出が『JOURすてきな主婦たち』ということで、いわゆるレディコミ。完全に射程外、ノーマークだったが、Facebookつながりでレンジに入ってきた。Facebook素晴らしい。
舞台は架空の暁月市立図書館。主人公は、葵ひなこ、25歳。3年の就職浪人の末に、ようやく採用された新米司書。
同僚で庶務経理担当の大野晧(27歳)は、一般行政職員で図書館勤務3年目。司書ではないが、返却本の配架や破損本の修理、書架の整理、時にはクレーム処理まで何でもこなす。
この二人を中心に、図書館でのレファレンス案件が、相談者の背景、資料の見つけ方などを織り交ぜながら展開される。
1話読み切りの形で計4話、いずれもなかなか面白い。
たかがレディコミと馬鹿にするなかれ。現役の図書館司書に取材したり、作者がレファレンス講座に参加するなどして、図書館で働く司書の姿とレファレンスの実態がしっかりと描かれている。
これは、図書館サービスの一端をわかりやすく解説する入門書として、すごくいい。司書としての仕事の喜びみたいなものを伝えてくれる。
高校の図書館とか市町村立図書館のYAコーナーには是非とも置いてほしいな。
2巻目も刊行されているので、早速購入しなきゃ。できれば、これを原作にドラマ化希望。