6月4日付け日本経済新聞夕刊の社会面に、「図書館に雑誌スポンサー」と題する記事あり。
「自治体の財政難のあおりで予算削減に苦しむ岐阜県岐南町や徳島県の図書館が、雑誌の表紙に企業名を表示する代わりに購入費を負担してもらう「雑誌スポンサー制度」を導入し、一定の成果を上げている」とのこと。
記事を読むと、最初に始めたのは岐阜県の岐南町図書館のようだ。2008年7月に職員の発案で導入、ショッピングセンターなど7社・団体の協力で17誌、年間14万円の購入費を賄うという。
(関連:岐南町図書館「購読雑誌スポンサー募集」)
https://www.ik.licsre-saas.jp/ginan/sponsor/index.html
続いたのが徳島県立図書館で、2009年7月から開始して、26社のスポンサーで対象雑誌の3割に当たる72誌、年間約82万円の購入費を賄っているという。
(関連:徳島県立図書館「雑誌スポンサー募集」)
https://library.bunmori.tokushima.jp/libfolder/service/zsponser_s.php
徳島県立図書館は、資料購入費が10年間で3分の1に削減されたというから、背に腹は代えられないということか。確かに、以前の徳島県立図書館の資料購入費は都道府県立図書館の中でもかなり高かったのだが、県の財政事情の悪化とともに、他県並みに減らされているようだ。
(関連記事:徳島新聞Web)
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2009/04/2009_123967184969.html
費用を負担して貰うかわりに、ラックに並ぶ最新号にかけられたカバーの表紙側に協賛企業名のステッカーを貼り、裏表紙側には企業のPRチラシを挿入しているらしい。記事中の写真を見る限り、これくらいなら許せるかなという感じ。
他にもないかと調べてみると、岐阜県図書館も募集を始めたようだ。
http://www.library.pref.gifu.jp/zassibosyu.pdf
雑誌の寄贈を受けるではなく、図書館が所蔵を決めている雑誌について、企業が直接購入費を支払うところがミソ。寄贈だと意に沿わない雑誌の申し出もあったりするからだろうか。
図書館が各企業に請求するのか、それとも何らかの契約に基づいて図書館に納入している書店なりが企業に請求するのか、具体的な請求方法とかはちょっと気になるけど。
美術館や図書館など公共施設に対する寄付(ドネーション)の文化(当然に税制等の制度も)が根付いていない我が国では、広告という目的が付随しないとお金が集まらないというのはちと悲しいが、税収が低下して財政に余裕が無くなると、文化関連予算は真っ先に削減対象になるので、こういう形でのサポート策が出てくるのも仕方のないところか。
今後も他の図書館に増殖するのではないかと思われる。