徒然日記 2003ソウル編

毎年恒例の職場の慰安旅行で、昨年に続いて宮崎発着のアシアナ航空ソウル便で韓国の首都ソウルに行くことになった。ただし、全員一度には行けないので、数班に分けて行くことになり、日程の希望を調査した結果、私を含む4人が、8/1(金)~8/3(日)の日程で第一陣として行くことになった。
 費用は、給料から毎月積み立てている「旅行積立」でパック旅行代金を賄い、それ以外の経費は手出しになる。

事前準備

 昨年は、「るるぶ」とか「地球の歩き方」とかを参考に情報収集したのだが、だいたいの位置関係や基本情報はわかったので、今年は「SEOULNAVI.COM」をメインにインターネットで細かな情報を収集。このサイトは、口コミ情報の掲示板もあるので、初めてのところの雰囲気を探るのにはなかなか重宝する。ソウル在住の特派員による新鮮な情報も貴重。
 今回は、おじさん4人組の旅だし、うち3人は昨年も行っているので、名所旧跡は行かずに、ファッション系の買い物も無し。

1日目  8月1日(金曜日)

出発
 宮崎空港のアシアナ航空カウンター前に14時集合。旅行代理店の方から、チェックイン済みの往路の航空チケット復路のクーポン、韓国の入出国カード、荷物用のタグ、ツアーバッジを受け取る。入出国カードは記入済みで、自筆サインだけすればいいようになっている。
 機内に預ける荷物をカウンターで手続きし、ついでにマイレージをANAカードに登録してもらう。アシアナとANAはスター・アライアンスのメンバーなので、宮崎-仁川間のパック旅行だと片道333マイルが加算されるはず。
 その後、2階に上がってセキュリティ・チェックを受け、搭乗待合室に入る。宮崎空港から国際線に乗るには、一端、国内線の搭乗待合室に入り、そこから6番ゲートとつながった国際線専用待合室に入ることになっている。国際線の待合室は時間が早くてまだ開いていなかったので、一般待合室でとりあえず4人でビールを飲んで(実際に飲んだのは3人だけど)結団式。
 15時前になって国際線待合室の入口が開いたので、搭乗チケットとパスポートを持って、まず出国審査を受ける。仕事で顔見知りになった審査官のAさんに出国印を押してもらって、そのまま待合室に。待合室にある免税店で、仲間がソウルの夜に消費する焼酎(黒霧島1リットルパック)を購入。
 待合室には、仕事でソウルに出張する見知った顔もちらほら。こういう時には職場の人間には遭いたくないものだが、地元の空港なのでそうも言っていられない。しばらく雑談していると、機内への搭乗案内があったので、ぞろぞろとOZ157便の機内へ。座席番号は11A。
 乗り込んだ機材はボーイング737-400で、こぢんまりとしており、飛行状況を映すモニタも無ければ、オーディオセットも無し。飛行時間も実質1時間余りなので、簡素なもの。でも、これで十分。後は値段が安ければ文句無しなのだが。
 15時30分の定刻に飛び立って、水平飛行に移ったら、早速機内食の配布。小ぶりな和食の弁当に紙パックのオレンジジュース。飲み物は、ビールを選択すると、Carlsberg(カールスバーグ)の缶とプラスチックのコップを渡された。
 ビールを飲みつつ弁当を食べて、しばらくうとうととしたら、もう着陸態勢に。定刻より早めに仁川国際空港に到着。持ち込んだ文庫本もほとんど読まなかった。東京に行くより早いかもしれない。流石に直行便は楽。

到着
 到着したゲートはターミナルの端だったので、入国審査場までかなり歩く。途中、トイレに寄ったので、仲間とは少し遅れて入国審査の列に並ぶ。最初仲間の後方の列に付いたのだが、右側に短かそうな列があったので、そっちに移ったのが大失敗。それまでいた列のすぐ左に新しい列ができたので、そのままいれば新しい列に移動できてスムーズたったのだが、並び直した方の列は前方で中国人の旅客のチェックに時間がかかって、結局、仲間よりかなり遅れてしまった。
 ようやく順番が来て、疲れているのか不機嫌そうな女性の審査官に入国スタンプを押してもらって、晴れて韓国に入国。バゲッジ・クレームで仲間と合流して、機内に預けた荷物を受け取り、税関は無申告でスルーして、到着ロビーに。
喫煙組2名 到着ロビーで現地ガイドの金さん(女性)と合流し、ターミナルビルの外で迎えのワゴン車を待つ間に、喫煙組は煙草を一服。
 仁川国際空港は、ソウル市街から50km以上離れた所にあるので、車で1時間近く(ソウル市街の渋滞に巻き込まれると1時間以上)かかる。その間、ワゴン車の中で金さんにオプションツアーをあれこれ勧められるが、今回はびっしりとスケジュールを入れているので、全てお断り。ガイドさんは、オプションの手数料で稼いでいるようなものなので、我々は全く旨味のないお客さんだっただろう。車中で円からウォンへの両替だけをお願いして勘弁して貰う。ここで2万円をウォンに両替。この日のレートで2万円が19万ウォンに。

東和免税店
 パックツアーだと、どこかで免税店とキムチ店に必ず立ち寄るのが鉄則になっているようで、これを抜くと割高になる仕組みになっているらしい。現地の料金設定が免税店やキムチ店からのキックバックを折り込んでいるからだろう。何とも解せない話だが、そうなっている以上は仕方がない。
 この日も、空港からホテルまでの間に新羅免税店に立ち寄ることになっていたのだが、ホテル到着後に人と会う予定が入っているので、なるべく早くホテルに着きたいと金さんに話したら、立ち寄り先がホテルに近い東和免税店に変更になった。
 東和免税店に到着し、ひととおり店内を見て回る。Hさんは、奥さんにGUCCIの財布を土産で購入するように頼まれているというので値札をチェックしていたが、いずれも5万円を下らない値段に、とてもじゃないとあきらめ顔。結局というか当然というか、誰も何も買わずに待ち合わせ場所に時間前に再集合。しかし、Tさんだけが現れないので店内を探すも見あたらない。なんと、みんなが店内を見回っている間に、周囲を散歩していたとのこと。

南大門市場へ
 ホテルレックス(Hotel Rex)に到着すると、ロビーのソファーには既にソウル事務所のY所長の姿が。チェックインを済ませ、部屋(812と815、何故かその間に813と814は無し)に荷物を置いて、すぐにロビーに集合。
 歩いて南大門市場まで行き、Y所長の馴染みの露店屋台へ。お兄さんとその母親らしき女性がやっている屋台で、お兄さんは日本語が通じる。座ってビールとチヂミを頼み、タコの足の刺身など適当にオーダー。料理は、プラスチックの皿にビニール袋をかけたものに盛って出てくる。なるほど、これだと洗う手間が省けるから、屋台にはぴったり。マッコリを頼むと、ペットボトル入りのやつが出てきた。

タコの刺身チジミ
ムール貝マッコリ

 途中、Y所長は鞄を買いたいと言うので、Hさんとともに近くの鞄屋へ。しばらくすると、Hさんは土産用の財布を、Y所長は自分で使うビジネスバッグを抱えて戻る。何でも、店頭には無くて、リクエストしないと出てこないA級品らしい。露天の暗い照明の下で見た限りでは、物はなかなか良さそう。値段もそれなり。

怪しい電話
 Y所長は翌日も仕事だというので、22時前にお開きとなり、そのまま歩いてホテルに戻り、途中のコンビニ(LG25)で各自ビールやペットボトルの水、氷などを購入。そのまま812号室で二次会に突入。

おじさん達1おじさん達2

 宮崎空港で買った「黒霧島」の1リットルパックをロックにして飲んでいると、部屋の電話が鳴り、おばさんの声(もちろん日本語)で、「お客さん、今、部屋で一人ですか?」と、女性を斡旋する内容。みんなで飲んでるからと丁重にお断りしたが、日韓の歴史を振り返ると、こういう電話はあんまり気分の良いものではない。男性の団体客を狙って部屋に電話してくるあたりは、ホテルのフロントとグルなのかもしれない。ホテルレックスは、場所も明洞や南大門市場に近くて便利だし、部屋の設備も申し分の無い良いホテルだと思うのだが、このあたりも、ワンランク上のホテルとの格の差ってやつなのかも。
 「黒霧島」が半分ほど無くなったところで、午前0時を回ったので、参会。自分達の部屋(815号)に戻って、風呂に入って上がったら、同室のKさんは既にいびきをかいて爆睡していた。

2日目  8月2日(土曜日)

味成屋
 朝、7時に携帯電話の目覚ましで起きて、8時にロビーに集合。朝食を食べに、事前にリサーチをしていた明洞の味成屋(ミソンオク)に行く。
 ソウルでは大きな通りには横断歩道や歩道橋は無く、地下通路になっていることが多い。今回も地下通路をくぐり、明洞のランドマーク「ミリオレ」から左に折れて、歩いて15分ほどの味成屋(ミソンオク)に到着。入口はビルの裏なので、店内は、結構広い。まだ朝が早いのか、先客は1名。
 テレビの近くに案内され、壁に貼られたメニューを見ていると、「ソルロンタン?」と聞かれたので、「普通を4つ」と日本語で答える。すんなり通じたから、日本人客も多いのかも。まず、白磁の湯飲みで人数分の水と白菜キムチとカクテキが出てきて、しばらく待つとソルロンタン(雪濃湯)とご飯が別々に出てきた。ソルロンタンの器には、少し白濁した牛スープの中に牛肉と素麺、ネギが入っている。味付けは薄目なので、自分で卓上の塩、胡椒を加えて好みの味に調整する。ご飯はそのまま食べても良いし、スープの中に入れてスープ茶漬けみたいにしても良い。あっさりしてて、なかなか美味。食べ終わって、W6,000×4をまとめて払って、店外で精算。店を出たところで、写真を撮ってなかったのに気付く。デジカメは持っていたのに。食べ物の時にはいつもそう。

地下鉄に乗る
 いったん歩いてホテルに戻り、歯磨きをしてから9時にロビーに集合し、ロッテワールドへ向けて出発。ホテルの近くにある地下鉄4号線の会賢(Huehyeon:426)駅で切符を購入。目的地の蚕室(Jamsil:216,814)まではW700なので、自動券売機で購入しようとしたら、硬貨しか受け付けない。手持ちの硬貨では足りないので、窓口でTさんが日本語と身振りで購入している後から、何も言わずにW1,000札を出して、チケットを購入。
 自動改札をくぐり、ホームに下りると、ちょうどホームの右側に列車が入っているが、果たして乗り込んで良いものかどうかすぐに判断できないので、駅名の表示を見て、駅の番号を表す数字で列車の進む方向を確認。結局一本見送ったが、すぐに次の列車がやってきた。漢江を渡り、4号線と2号線が交わる舎堂(Sadang:433,226)駅で下車し、2号線に乗り換える。乗り換えでは結構な距離を歩く。
 2号線の列車に乗ると、4号線よりやや古い車両なのか、車内に次の停車駅の電光表示が無く、慣れない我々には停車駅がよくわからないので、停まるたびに駅名の横に書かれた数字を確認し、蚕室(Jamsil:216,814)で下車。

実弾射撃場
 地下道をロッテワールドへ向かい、地下にあるという実弾射撃場を探す。なかなか見つからないので、しばらくうろうろするが、アイススケート場の横にあるということで、地下3階に下りて、射撃場を発見。射撃場に入り、まず、受付のお姉さんからそこで撃つことのできる銃と値段の説明を受ける。22口径のリボルバーから、9mmのオートマチック、44マグナムまで数種類。基本的には、どの銃でも1ラウンド10発でW40,000(ただし、44マグナムだけは1ラウンド10発でW50,000)だが、20発撃つと10発サービスになるとのこと。反動は、口径が上がると倍々に増えていくとの説明。
 ここで各自、銃を選び、私はかの007、ジェームス・ボンドも愛用するベレッタ(Beretta 9mm)を選択。ここですかさず「SEOULNAVI.COM」の2発追加クーポンを出し、合計12発をW40,000で撃つことに。TさんとKさんは、38口径のSmith & Wessonを10発ずつ、Hさんは38口径のSmith & Wesson10発から始めて、最後の10発は44口径のSmith & Wessonにチャレンジ。
 名前を呼ばれてシューティングレンジに入ると、男性のインストラクターが使用する銃の撃ち方について、照門と照星を一直線に的に合わせて引き金を引けってなことを簡単に教えてくれる。空打ちなんてことは無し。銃は、素人がむやみに振り回せないように、2本のロープで空中に吊ってある。なにせ実弾が入っているから、取り扱いは慎重。
 まず、クーポンのおまけ分の2発をSmith & Wesson 38mmで撃つ。防音用の耳当てをつけ、生まれて初めて本物の銃の撃鉄を起こし、引き金を引くと、轟音がして、反動で銃身が上に跳ね上がる。的のどこに当たっているのかよくわからないまま、おまけの2発が終了。続いて10発をベレッタで続け様に撃つ。一発ずつ的に当たったかどうかを確認する余裕など無く、あっという間に10発が終了。 撃ち終わったら、手元に戻ってきた的を手渡される。それを見て受付のお姉さんが命中率を電卓で計算してくれて、ハングルの名前と一緒に的に書き込んで渡してくれる。なんと、命中率は89%。4人の中では最高で、初めてにしては上出来。やはり、銃の選択が良かったのだろう。噂どおりベレッタは良い銃だ。
 別のレンジでは、Hさんが44マグナムに挑戦しているので、窓の後から見学。発射時の音の大きさが全然違う。反動も大きいようで、かなり腕が跳ね上がっている。ベレッタだと手首が上に返る程度だが、マグナムだと腕ごと跳ね上がる感じ。なかなか良い感じで的に当たっていたが、後半になると抑えが効かなくなったのか、的の黒い部分をはずすことが多くなってきた。
 全員が終了し、標的の紙を貰い、各自レジでお金を払って射撃場を後にする。

ウォーカーヒル・カジノ
 次の目的地はウォーカーヒル・カジノだが、その前に免税店を覗いてみることにし、ロッテワールド百貨店の10階にあるロッテワールド免税店へ。
 少しぶらぶらとし、何も買わずに地下鉄の駅に下りる。地下鉄8号線蚕室(Jamsil:216,814)から(Cheonho:547,811)で5号線に乗り換え、広壮(Gwangnaru:546)下車。1番出口から地上に出て、ウォーカーヒルの送迎バスのバス停を探す。出口付近に2つのバス停があるが、なにせハングルが読めないのでどっちなのかわからない。迷っていたら、すぐに出口に近い方のバス停にバスがやって来て、それがお目当ての送迎バスだった。送迎バスの運行は20分に1本なと聞いていたので、待たずに済んでラッキー。
 バスは、10分ほどでウォーカーヒル・ホテルに到着。とりあえずカジノの場所を確認。昼時になったので、どこかで食事をしようと思うが、ホテルの周辺には何もなささそうなので、ホテルの中でレストランを探す。しかし、ホテルの1階と2階にあるレストランは、流石に高級ホテルのレストランで高そうな雰囲気なので入口で敬遠。デリがあったので、そこでサンドイッチとコーヒーでもと思ってサンドイッチを手にしてレジに出したら、どこで食べるかを聞かれ、デリの前のテーブルを指さしたら、サンドイッチひとつW15,000、カフェラテがW7,000で、これにサービス料と税金が加算される。あまりの高さに、サンドイッチを2つ手にしていたKさんは、慌てて一つを戻しに行った。
 テーブルで待つように言われ、レジに出したサンドイッチはお姉さんがどこかに持っていってしまった。テーブルで待っていると、お姉さんがサンドイッチを皿に盛ってやってきた。フライドポテトも添えられている。これなら少々値が張るのも納得できなくはない(それでも高いけど)。食べ終えて、いよいよ地下のカジノへ。
 エレベーターで地下へ降り、意気揚々と入口を入ると、右側の受付で呼び止められる。何事かと思ったら、荷物を預けてくれとのこと。持ってたデイパックを預けて、引き替え用のタグを受け取る。それから、ソウルナビのクーポンを特製キーホルダーと引き替える。皮の袋に入った、チップをモチーフにしたキーホルダーが貰える。
 カジノの中はまだ人が少なくて、各種ゲームのテーブルは半分も埋まっていない。スロットマシーンにも殆ど人がおらず、女性の姿が少ないので、これまで見たオーストラリアのカジノと少し違う感じがする。なんか華やかさに欠ける賭博場って感じ。
 ちょっと気圧されて、適当にスロットマシーンを選んで座る。1ベットがW500のマシンで、W10,000札を挿入して開始。MAXボタンを押すと、3ベットずつ引かれて行く。ベットボタンとスタートボタンを交互に押すだけなので、単調。やっぱりレバーを手前に引くやつの方が趣があって良い。途中で、賭金の倍くらいにはなったのだが、いつの間にやら消えてしまって、気分転換に台を移ったりしたのだが、結局日本円で1万円くらいは吸い込まれてしまったのではなかろうか。やぱり博才は無いとあきらめて、他のメンバーの状況を見に行く。KさんとHさんはルーレットの台に並んで座っており、Tさんは模様眺めの様子。しばらく二人の後で見ていたが、Kさんが細かく堅実に稼いで、結局W150,000ほどの儲け。あとの3人は敗退。
 休憩室で無料のコーヒーを飲んで、カジノを後に。後で調べたら、この休憩室では軽食も無料で食べられるらしいので、バカ高いサンドイッチなど食べずに、最初からカジノで食べれば良かった。
 気を取り直して、次の目的地である明洞のロッテ百貨店までタクシーで移動することにし、ホテルの入り口で一般タクシーに乗車。30分ほどの道のりだが、タクシーの運転手さんが、つたないながらも一生懸命に英語で周囲を説明してくれる。黒塗りの模範タクシーに比べてサービスが悪いと言われる一般タクシーだが、ウォーカーヒルあたりの高級ホテルに乗り入れるタクシーだと結構ちゃんとしているのかも。これもまた、ワールドカップ・サッカーの良き遺産かも。

のりノリ天国
 ロッテ百貨店前に到着し、タクシー代約W15,000は、カジノで勝ったKさんのおごり。地下の食料品売り場をざっと覗いた後、歩いて南大門市場を目指す。大きな道路を渡るのには地下道しか無いので、下りたり上ったり、蒸し暑いので結構汗をかく。ソウルが初めてのHさんのために南大門前まで行って崇礼門(南大門)を確認し、事前に調べたソウル食品(のりノリ天国)へ。
 ソウル食品に着くと、Web掲載の写真で見覚えのある社長の辛さんがいたので、「SEOULNAVI(ソウルナビ)を見て来ました!」と声をかけると、にこやかに店内(狭いけど)の椅子に案内してくれて、冷たい桃茶を勧めてくれる。汗をかいてのどが渇いていたので、たいそう美味。私以外の3人は、お土産の第一候補に桃茶を選択。辛さんが、海苔や朝鮮人参エキスのアンプルなど、店内の商品を次々に試食をさせてくれる。そんなに袋を開けて大丈夫かなと心配になるくらい。それぞれにお土産を選び、私は、妻からリクエストされていた大量の海苔と、娘からのリクエストの朝鮮人参の蜂蜜漬けを選び、柚子茶を一瓶と海苔のスナックを選択。SEOULNAVI(ソウルナビ)の10%割引クーポンを見せたら、辛さんもノリが良く値引きしてくれる。高級海苔とコーン茶も一袋ずつおまけ。結局、ファスナー付きの大袋にぎゅうぎゅうになるくらいの量になってしまって、W95,000も買い込んでしまった。安い海苔なら、デパートやスーパーなどでも買えるのだろうが、ここの海苔はオリジナルで質も良いものなので、それなりに満足。もっと安い海苔も置いてあるので、希望すれば出してくれるが、次々に高級海苔を試食した後では、なかなか言い出せないかも。
 それぞれ買い込んだ土産物を入れた大袋を手にして店を出る。ホテルまで配達もしてくれるらしいが、我々のホテルはすぐ近くのなので、辛さんの申し出を断って、ホテルまで歩く。
 のどが渇いていたので、ホテルの近くのコンビニで缶ビールとつまみを買い込んで部屋に戻り、ちょっと休憩。私は、韓国産の黒ビールを買ってみたのだが、期待したほど美味しくはなかった。やっぱり生ギネスに勝るものはない。

ウリナラ
 そうこうしているうちに丁度良い頃合いになったので、夕食を食べに出かけることにした。当初の予定では、今夜の予定は「ナンタ(乱打)」観劇なので、劇場までの道のりの途中にある「高麗参鶏湯」で食べる予定だったが、やはり韓国まで来て焼肉を食べないのは心残りだという意見が出たので、予定を変更して明洞にある「ウリナラ」に行くことにした。ここは、初日の夕食で行く予定にしていたのだが、初日は南大門の屋台に繰り出したので、手元にストックしていたのだった。ソウルナビのクーポン(5%割引)もしっかり用意してあった。
ウリナラで宴の後 17:30頃ホテルを出発し、徒歩で明洞へ。地図を見ながら店を探し、明洞汗蒸幕の手前のビルの地下へ降りる。まだ時間が早いのか、お客さんは誰もおらず、店の人が暇そうにしていた。靴を脱いで座敷にあがり、テーブルに座る。事前情報ではコースがお勧めとあったので、迷わずビールと一番安いW35,000のCコースをオーダー。小皿に盛られたキムチやナムル、ケジャンなどおかずが並び、ビールを飲んでいる間にテーブルに炭火がセットされ、お店の人が肉を焼いてくれる。Cコースの肉は、味付カルビ、カルビサル、チャドルペギの3種類。店の人が次々に焼いてくれるので、後はサンチュに包んで、コチュジャンを付けてひたすら食べるのみ。味はそこそこだと思うが、おかずの種類は多いし、肉の後には小さいサイズの石焼きビビンバか冷麺も付くので、フルコースの韓国料理を手軽に味わえる感じで満足。ひととおりたらふく食って、4人分で消費税(10%)込みでW172,500だった。

ナンタ(乱打)
南大門 店を出て、途中、気になる店を覗いたりしながら明洞の街を南大門方面へ歩く。今回はパスした「高麗参鶏湯」の横の坂を上り、徳寿宮にぶつかったら左に曲がって、貞洞劇場の前を通って、19時30分にナンタ専用劇場に到着。座席の予約は、職場で隣に座っているSさんが日本から電話でやっていてくれたので、予約者用のチケット売り場で日本語で名前を告げ、JCBカードを出す。JCBカードだと5%引きとのことで、S席W30,000がW28,500になった。まだ開場していなかったので、少し並んで、チケットに書かれた番号の席に座る。1階席の左後方だったが、それほど大きな劇場ではないので、舞台はよく見える。
 蒸し暑い中を結構歩いたので、Tさんはバテバテ。自分の体力では全く問題なかったのだが、少し配慮が足りなかったかと反省。席に座って待っていると、周囲の席がだんだん埋まってきて、ほぼ満席状態に。日本人も結構いるが、中国人、韓国人、アメリカ人などなど、客層は様々。
 そのうち、舞台上のスクリーンに各国語で注意事項などが投影され、拍手や声援の練習などを経て、舞台がスタート。とある料理店の厨房で、コック4人とオーナーが決められた時間の中で料理を作るというストーリーの中で、厨房内の様々な道具を打楽器にして繰り広げられるパーカッションのパフォーマンスなのだが、途中で聴衆の中から2人を舞台に上げてストーリーに参加させたり、聴衆との掛け合いがあったりと、見事にショーアップされていて、非常に面白かった。同行のTさんが、昨年も観ているにもかかわらず、「2度観ても良い」と言った理由がわかる気がした。
 盛り上がって2度のアンコールを終えて、21:30に終了。外に出ると少し雨がぱらつく天気だったが、そのまま歩いてホテルに戻る。途中、南大門市場を抜けたので、昼間にお土産を買い込んだソウル食品を覗くと、もう閉まりかかっている。家族に頼まれていたキムチを買い忘れていたので、白菜キムチのパックを1つ、W3,500のところをW3,000にまけてもらって購入。初日に飲んだ屋台のところで、屋台のお兄ちゃんに「また来るね」と挨拶して、ホテルへ。途中のコンビニで三度ビールを仕入れ、部屋で乾いた喉を潤す。
 適度に切り上げ、風呂に入ってから、翌日に備えて荷物をパッキング。大量の海苔がかさばるので、どうしても荷物が2つになるが仕方ない。海苔の入った袋を機内に持ち込むことにして、就寝。

3日目  8月3日(日曜日)

お粥を求めて
 最後の朝は、やっぱりお粥だよねってことで、小雨の降る中、事前にリサーチしていた明洞の「薬泉(ヤクチョン)」を目指してホテルを出発。すっかり慣れた道を明洞のランドマーク「ミリオレ」まで歩き、そこから左に折れて更に歩く。日曜の早朝なので、明洞も人通りが少なく、閉まっている店ばかり。
あわび粥 少しいやな予感を感じつつ、地図を頼りに「薬泉(ヤクチョン)」にたどりつくも、入口が閉まっている。やっぱり日曜日は店休日だったか。昨年、「粥郷(チュッヒャン)」という店に行った時は日曜でも開いていたので、その感覚で特に注意していなかったのだが、完全に事前リサーチのミス。反省、反省。
 仕方がないので、違う店を探そうと4人でうろうろするも、適当な店がなかなか見つからない。スターバックスが開いていたので覗いてみたが、サンドイッチとかも無く、店を出る。ホテルの近くの食堂にお粥があったことを思い出し、ホテルまで戻ろうミリオレの前の道を歩いていたら、途中のビルの2階に「百済参鶏湯」の看板を発見。
 渡りに船とはこのことと、早速2階に上ると幸いにも店は開いており、席に座ってHさんは参鶏湯を、残りの3人はあわび粥を頼んだ。お粥はやはり専門店の方が美味しいと思うが、贅沢は言っていられない。
 それなりに満足して、歩いてホテルに戻る。

ガイドが来ない!?
 10時にホテルを出発することになっていたので、9時40分にはロビーに下りたが、ガイドの金さんの姿は無し。普通ならガイドは30分前には来て待っているよね、とか話ながら待っていたら、フロントいたホテルの人が、ガイドが変更になったとのメモを見せてくれる。金さんには出国カードを渡したままなので、ちょっと心配。
 そのままロビーで待っていると、9時50分くらいに金さんからフロントに電話があり、親戚に事故があって実家に帰っているとのこと。昨夜から何度かホテルに電話をしたのだが、外出中で連絡がつかなかったらしい。代わりに朴さんというガイドに行ってもらうことにした、本当に申し訳無いとの内容。電話を切った後、すぐにソファーの横の裏口から入ってきた若い女性が代わりのガイドの朴さんだった。早速、出国カードのことを聞くと、「私が空港で書くから大丈夫」との返事。でも、出国カードってそもそも入国カードと一体になってたやつの半券だし、金さんに渡したやつはタイプ打ちだったのに、本当に大丈夫かな?。しかし、それをここで言ったところでどうしようもないので、それ以上追求せずにワゴン車に乗車。

キムチ屋
 車中の朴さんは、特に何も喋らず、車は高速道路を一路キムチ店へと向かって走る。30分ほど走ったろうか、昨年もこの辺りに来たなという感じの街並みのところで車が停まった。看板も何もないビルの前で車を降りて、朴さんの案内で、ビルの階段を地下に下りる。特に看板も何もなく、そこにお店があるとも思えないようなビルなので、何とも怪しげ。扉を入ると、10数人が座ることのできる長いカウンターがあって、まず、そこへ座らされる。広い店内に、客は我々4人だけ。民族衣装を着たおばちゃんが、流暢な日本語で、キムチの試食を勧め始める。パック旅行では定番の、これが無ければパックそのものが成り立たないシステムなのだが、既に昨年も経験済みの当方としては、最初から割高のキムチ屋では買う気など無いので、時間が無駄だし、辛い。こんなのいいかげんにやめたらどうなんだろう。少なくともリピーターには絶対に不評だと思う。結局、4人とも試食はしたもののキムチは買わず、私が、妻からのリクエストで買い忘れていた赤人参飴を一袋買っただけで早々に店を出る。
 再度車に乗り込んでしばらく走ると、金浦空港が見えて来る。ここは、現在の仁川国際空港ができるまで国際空港だった所で、現在は国内線が発着している。件のキムチ屋は、以前は金浦空港から乗り降りする日本人観光客を相手に商売していたに違いない。

出国手続き
 仁川国際空港に到着し、朴さんが全員のパスポートを持ってチェックイン手続きをしてくれる。出国カードも手書きで書いて渡してくれた。大きな荷物を預け、朴さんと別れてセキュリティ・チェックを受け、出国審査の列へ。ブースの係官にパスポートとボーディング・パス、出国カードを提出して、出国印を押してもらう。
 出国手続きを無事に終え、免税店エリアに。マイ・ブームになっているシングルモルト・ウイスキーを購入するために免税店を見て回る。出発まで時間がないので、大急ぎでボウモア(Bowmore)を探して歩いたが見つからず、さりとて手持ち以外の銘柄で購買欲をそそられるものも無かったので、結局何も買わないままで終わってしまった。
 買い物をしなかったので、財布にウォン札がかなり残ったから、これを日本円に両替しようと両替所に行くと、中学生が4~5人並んでいる。その後に並んで待っていると、中学生の団体のツアーガイドがやって来て、それがなんと、顔見知りの西鉄旅行のKさんではないか。声をかけると、向こうもびっくり。話しを聞くと、南郷村の中学1年生が姉妹都市の扶餘邑との間で行っている研修旅行のアテンドで来ていて、我々と同じ便で宮崎に帰るところらしい。宮崎でも滅多に会うことがないのに、こんな所で会うなんて。

帰国
 12:40発の帰りの飛行機(OZ158便)は、中学生の団体もいるのでほぼ満席。上空に上がると早速機内食のサービス。飲み物はビールをオーダーし、HITE(ハイト) Lightをセレクト。帰りの便の機内食は、稲荷寿司にキムチの組み合わせが好き嫌いの分かれるところ。決して不味くはないんだけれど、
 1時間ほどして九州の上空で気流の悪い所に入ったのか、機体が大きく揺れ、後方の中学生から悲鳴が。飲み物を飲み終わった後で良かった。
 予定どおり宮崎空港に到着し、入国審査のブースで入国印を押してもらい、1階に降りてバゲッジ・クレームで預けた荷物を受け取り、税関を問題なく通過して、到着ロビーへ。あっという間の3日間がこれで終了。ここで解散して、それぞれ自宅に戻った。
 今回の旅は、お粥と免税店でシングルモルトが買えなかったことが心残り。次回に期すしかない。しかし、慣れてくると、免税店とキムチ屋が余計。その時間を有効に使えると、もっと有意義な旅になるのだが。韓国へパック旅行も、そろそろ安く行けるフリープランを設定しないと、リピーターが確保できないんじゃないかな。

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