徒然日記 2004台湾編

2004年1月に仕事で台湾に出張することになった。
 全体では50人程度の訪問団の中に含まれるのだが、私と同僚のSさんの2人だけは物流関係の調査がメインなので、台北を拠点に、1日目は中正国際空港、2日目は基隆港と海上コンテナのインランド・デポの施設視察、3日目は台湾の工業技術院と企業を訪問する一行に加わって、台湾の製造業の方向を勉強しようということになった。
 台湾は、2002年の10月に続いて2回目。

事前準備

リサーチ
 今回は、昨年買った「地球の歩き方 台北」の他に、インターネットのサイトである「旅々台北.com」と「TAIPEINAVI.COM」でも情報収集。
 「旅々台北.com」は、空港リムジン・バスの情報が詳しく、大変役に立った。「TAIPEINAVI.COM」は、ホテル周辺での買い物や食べ物の店をチェックするのに便利。ここでプリントアウトしたクーポンが使える店もあるので、お得感あり。宮崎の観光宣伝サイトにもこんなのが必要だな。

チケット
 今回は、航空機のチケットとホテルの手配だけを旅行代理店にお願いすることとし、複数の旅行代理店に見積もりを出してもらった上で、視察先のアレンジをお願いできて、価格的にも安かった日通旅行に手配を依頼した。

ホテル
 ホテルは、今回の訪問団全体の仕事のメイン会場となる六福皇宮(The Westin Taipei)に近くて、リーズナブルな所というリクエストを出していたら、長春路と松江路の角にあって、六福皇宮(The Westin Taipei)から歩いて700mほどという六福客桟(The Leofoo Hotel)を薦められた。
 MRTの駅からは遠いが、ガイドブックにも載っていて悪くなさそうだし、確かに便利も良さそうなので、そこに決定。

1日目(2004年1月13日 火)

出発
 前日の夜に荷造りしたキャリー・バッグと、手荷物用のバッグを持って、実家の父に車で宮崎空港まで送ってもらった。8時頃に空港に到着すると、同僚のSさんは既に来ており、JASのカウンター前には、同じ便で台湾に行く一行が集まっていた。荷物を引き渡しに来ただけのKさんの顔も見える。
 修学旅行の高校生も2校くらいいて、カウンター前も結構混雑している。早速、Sさんと二人、自動チェックイン機で搭乗手続きを行い、荷物を機内に預ける高校生の列の後ろに並ぶ。人数が多いので結構時間がかかったが、ようやく順番が来て、自分の手荷物と、台湾で本隊が使う使う品々の入った段ボールを預ける。
 2階の搭乗待合室に入り、とりあえず260円のコーヒーを飲む。朝は、コーヒーを飲まないと始まらない。そうこうしているうちに、9時発の福岡行きJAS832便に搭乗。

福岡空港
 福岡空港到着後、バゲージ・クレームで個人の荷物と本隊用の段ボールを受け取り、第一ターミナルの外へ。
 荷物を本隊手配のトラックに積み込み、連絡バスに乗り込んで国際線ターミナルへ移動。福岡空港の場合、国際線ターミナルと国内線ターミナルは滑走路を挟んで反対側にあるので、移動は結構大変。滑走路の地下に通路でもあると違うのだろうけど。
福岡発のエバー航空機 国際線ターミナルに到着後、荷物を受け取り、ANAのカウンターでチェックイン手続き。本隊は、団体扱いで旅行代理店の人が全部やってくれるのだが、我々二人は個人手配なので、自分でやらなければならない。パスポートとバウチャー、ANAのマイレージカード、機内に預ける荷物を出して、手続きを行う。台北までの積算マイルは、片道401マイル。
 手続きが終わったら、セキュリティチェックを受けて、出国審査へ。ブースで係官に搭乗券とパスポートを提出し、出国印を押してもらう。審査が終わると、出発ロビー。目の前には、免税店がある。昨年まではエスカレーターを降りた階下にあったのだが、利用の便を考えて移動したらしい。
 ひととおり見て回るも、何も買うものも無く、待合室の椅子に座って、Rio500に入れてきた英語ヒアリング用のモノローグを聞く。暇な時に読むための文庫本を忘れてきたのが少々痛い。
 そのうちに時間になったので、12時10分発のBR2105/EL2101便(エバー航空全日空のコードシェア便で、エバー航空の機材を使用)に搭乗。

機内で
 乗り込んだ機材は、212人乗りのB767-200。
機内食 上空に上がって、安定飛行に移ると、まず、おしぼりが配られ、続いて機内食が配られる。「Beef or chicken ?」と聞かれるので、「Beef」を選択。内容は、写真のような感じ。メインは、牛肉とピーマンの中華風の炒め物とごはんで、レンコンやニンジンの煮物が添えられている。その左側は、写真では判りにくいが「ざるそば」で、刻み海苔やわさび、つゆがそれぞれ袋に入って添えられている。それに、果物やケーキなどが付く。この日のケーキは、抹茶のケーキだった。
 機内での飲み物は、ビール、ワイン(赤・白)、ジュースなどのソフトドリンク等、いろいろある。いつもなら、ビールかワインを頼むのだが、この日は着いたらすぐに仕事なので、アルコールは控えておく。食後には、お茶とコーヒーのサービスがあるが、フライト時間も短いので、サービスは結構慌ただしい。
 台湾と日本では、時差が1時間あるので、食後に時計の針を1時間遅らせる。

中正国際空港
 ほぼ定刻どおり、現地時間の13時半過ぎに、台湾の中正国際空港に到着。現地の天候は、曇り。幸い、雨は降っていないようだった。
 飛行機を降りて、まず目にするのが免税店。到着してすぐに免税店のある空港も珍しいと思う。そのまま、長い廊下を歩いて入国審査に向かう。途中、検疫の係官が、体調に異常があったら申し出るようにと立っているが、何の問題も無いので通過。外国人用の入国審査ブースでパスポートと入国カード、健康管理票を出すと、入管の係官がチェックして、パスポートに入国印を押し、出国カードとともに返してくれる。
 入国審査を抜けたら、エスカレーターを下りて、バゲージ・クレームで預けた荷物を受け取る。個人用の荷物はさっさと回収できたが、団体として預けた荷物がかなりの量になるので、全部をチェックするのに結構時間を取られた。ここで、私とSさんは本隊と別れて別行動になるので、本隊の担当の職員に荷物をしっかりと引き渡して、お役ご免。

両替
 税関を抜けた所にある台湾銀行の両替所で、20,000円を台湾元に両替。レートが0.30710(\\1=NT$3.256)で、手数料としてNT$20引かれる。レシートにサインをするように求められるのでサインをすると、下のようなレシートともに、手元に来たのはNT$6,122。レシートは、日本円への再両替の際に必要な場合があるので、帰国まで捨てないで取っておく。

両替レシート

お仕事
 両替を済ませて、到着ロビーに出ると、早速仕事が待っている。今日の仕事は、この中正国際空港での航空貨物関連施設の視察。
 ミーティング・ポイントの端で、出迎えに来ていただいた台湾日通のM部長とE次長と面会。名刺交換を済ませ、早速貨物ターミナルへ移動し、台湾日通で話を伺った後に、長榮空運倉儲公司で、最先端の貨物ハンドリング施設を見学。成田空港の貨物施設も見学したことがあるが、比べ物にならないくらいすごい。
 勉強にはなったが、この日の台湾は非常に寒く、おまけに中正国際空港周辺は風も強くて体感温度がさらに下がるので、視察の途中で震えそうになって困った。
 視察が終わった後、台北市内に帰るというM部長に、車でホテルまで送っていただくことになった。当初は、旅客ターミナルに戻って、リムジンバスで台北市内に向かう計画だったのだが、折角のご厚意なので、甘えて乗せていただいた。ありがとうございました。

六福客桟
 六福客桟(The Leofoo Hotel)に到着し、フロントにバウチャーを出してチェックイン。フロントでは日本語が通じるので楽。
 やたら重いキーホルダーの付いた部屋の鍵と朝食券3枚、免税店の割引券などが入った封筒をもらって、エレベーターで部屋に上がる。
 シングルルームだが、ベッドはダブル仕様で十分な広さ。古いホテルではあるが、調度類も揃っているので、ビジネスで泊まるには十分。部屋には、同じ系列でホテルの隣に建っている映画館の割引券なども置いてある。

ホテル外観部屋の鍵ベッド
(この写真は、「TAIPEINAVI.COM」のサイトから拝借しました。)

ゴールデン・フェニックス
レシート 夕食は、ホテルの11階にある「金鳳廳」という飲茶のレストランで食べることにし、お腹も空いていたので、荷物を置いてすぐに11階に上がる。
 人気の有名レストランと聞いていたが、お客さんは少なくて、すぐに座れた。本格的な飲茶のレストランで、テーブルにはメニューもあるが、服務員が複数の飲茶をワゴンに乗せて薦めに来たりする。
 とりあえず、台湾ビールで乾杯し、ビール2本に、韮菜明蝦餃、晶瑩明蝦餃、蟹黄蒸焼賣、香菇魚翅餃、香煎蘿蔔★(「米」偏に「羔」)、韮黄炸春捲、蠣油叉焼包、芥蘭青菜、當蹄燉北鴨、芝麻炸煎堆と食べて、お茶を飲んでお腹いっぱいに。やはり40代が二人だと量をたくさん食べられないから、種類も思ったほど行かない。しかし、初めての大根餅も食べられたし、いずれも結構美味しかったので、満足。
 食べている途中で、部屋からデジカメを持って来るのを忘れたことに気付く。お腹が減っていると、食べることばかりに気を取られて、いつも撮影を忘れてしまう。
 値段は1皿NT$55からで、蝦餃子とかはNT$120。最も高かったのがアヒルのスープでNT$180だった。ホテルなので、サービス料(服務費)が10%加算されて、二人分で合計NT$1,441。日本円に直すと、一人分が2,500円弱というところか。ビールは2本だけであまり飲んでいないけど、日本に比べたらかなりリーズナブルと言えよう。

足つぼマッサージ
 夕食の後、ホテルのすぐ近くの四平街にある「開運手足養生館」というマッサージ店へ。店を覗くと、地元の女性客が一人、マッサージを受けていた。店員さんも3人だけで、賑わっているという感じでは無かったので少々躊躇しつつも、同行のSさんと入ると、「まずは足湯です」と言われて、奥にある銭湯の洗い場みたいなところに連れて行かれる。両足が浸かるほどの木製の桶に湯を張ったものが用意されていたので、靴下を脱ぎ、ズボンの裾をまくって桶の前に腰掛け、しばらく足を漬けておく。
 別に話しかけられもしないし、足を漬けておくだけなのだが、先日、京都でも足つぼマッサージを受けたというSさんは、「京都では店員さんが洗ってくれて、拭いてくれた。」と少々不満気。私は何せ足つぼマッサージは生まれて初めての経験なので、まあ、こんなもんかなと思いつつ腰掛けていると椅子の方へどうぞと言われたので、置いてあったペーパータオルで自分で足を拭き、椅子の方へ移動。
 そうこうしているうちに、日本人のカップルと思われる若い男女が店にやって来た。マッサージ師が足りないけど大丈夫かなと思っていたら、女性の従業員がどこかに電話をかけて、しばらくしたら、原付に乗ったおじさんが、2人やって来た。フリーのマッサージ師で、この界隈の複数の店と契約して、店からの電話であちこちに出かけているのかも知れない。
足つぼマッサージ さて、肝心のマッサージの方は、Sさんにベテランのマッサージ師さんが、私にはまだ若い(20代前半?)のマッサージ師さんがついてスタート。ワセリンのような白いクリームを塗り込めつつ、指で指先から足裏、足の甲と順番にマッサージしてくれる。目の前に、足裏と身体の各部分がどのように繋がっているかを示す図が置いてあったので、見比べながら期待して痛みが来るのを待つ。しかし、全く痛み無しで少々拍子抜け。私の右隣に座った日本人のにーちゃんは、やたらと苦痛の悲鳴を上げており、マッサージ師さんも楽しんでつぼを押していたので、少しばかり羨ましい。私の身体に異常が無いからか、それとも若いマッサージ師の腕が未熟だからかわからないが、折角だから一箇所くらい悲鳴をあげるくらいの痛みを味わってみたかった。
 30分ほどマッサージが続き、ペーパータオルで足を拭いてもらって終了。値段は、Taipei Navi情報では500元だったが、実際には490元だった。靴を脱いで外に出ると、心なしか足が軽くなったような感じ。今度は、全身マッサージに挑戦したみたい。
 途中でコンビニ(SEVEN ELEVEN)に立ち寄って、ペットボトルのお茶を買ってからホテルに戻り、初日は終了。

2日目(2004年1月14日 水)

基隆へ
 この日は、基隆港で港湾関連施設の視察と、海上コンテナを取り扱うインランドデポを視察することになっている。
 ホテルの食堂でビュッフェ・スタイルの朝食(和洋中バラエティに富み、なかなか美味)を摂り、集合地点の六福皇宮(The Westin Taipei)に歩いて向かう。台北の朝は、通勤のスクーターの洪水。歩道の幅の半分は、駐車(輪)するスクーターで埋められていて、結構歩きにくい。
 六福皇宮(The Westin Taipei)で、同行する4人と合流し、ガイド兼通訳と一緒に貸し切りの中型バスに乗り込んで、基隆へ向けて出発。
 基隆は、今から50年以上前に、母が小学生時代を過ごした街である。太平洋戦争の敗戦とともに、一家で南郷町に引き上げてきたのだが、基隆では、港の近くに建つ水産会館のあたりに住んでいたと言う。仕事はともかく、我が家のルーツを辿る旅でもあるので、楽しみにしていた。
 基隆港では、港務局の船で港内を案内してもらって、海から台湾市街を眺めることができた。周囲を山で囲まれ、あまり平地が無いので、狭い所にごちゃごちゃと建っている印象。結構古い建物も多い。船で巡っている途中で、岸壁に接岸中の「ACX HYUGA」を発見。細島港に寄港している台湾航路のコンテナ船だ。こういう所で見ると妙に嬉しい。

基隆港に停泊中のACX HYUGAACX HYUGA 船名アップ
(基隆港に接岸中の「ACX HYUGA」)

 海鮮料理の昼食後、一足先に別用務のために台北市内に戻る2人を基隆駅の高速バス乗り場で降ろし、基隆市と台北市の中間の汐止市にあるUCTC(Universal Container Terminal Co., Ltd.)という海上コンテナのインランドデポへ。
 説明を聞き、施設を見学させてもらった後、再びバスで台北市内に戻る。まだ夕食には早い時間だったので、どこか土産物店にでも連れて行かれるのかと思ったが、ガイドさんにはそんな素振りは全く無く、ストレートに六福皇宮(The Westin Taipei)に到着。

鳳梨酥(パイナップルケーキ)
 六福皇宮(The Westin Taipei)に着いた時点で仕事が終わってしまったので、同行していたKさんとSさんを誘って、お土産用の鳳梨酥(パイナップルケーキ)を買いに行くことにする。
 目指すは基隆市に本店がある老舗の「李製餅家」。その前に、持っていた荷物を置くために一度ホテルに歩いて戻る。ホテルの横の路地に胡椒餅(1個10元)の屋台が出ており、小腹も空いていたので3個買って3人で分け、ホテルの部屋で食べながら小休止。胡椒のピリッとした感じが後から効いてきて、なかなか美味。
 部屋に備え付けの烏龍茶を飲んでしばらく休み、林森北路と南京東路の交差点を目指して歩く。15分ほども歩いただろうか、ピンク色の内装の「李製餅家」が見えて来た。
 24個入りでNT$220と、ガイドさんに連れて行かれる土産物店などに比べると安い。職場と実家と千葉の家族宅と…と考えて、合計5箱を購入。カードは使えないので現金払い。袋に入れてもらったが、ずっしりと重い。SさんとKさんもそれぞれ購入。

李製餅家24個入り220元

 夕食を一緒に摂ることにしていたYさんは、まだ六福皇宮(The Westin Taipei)にいるので、買い物の後は六福皇宮まで戻ることにしたが、荷物が重いので、再びホテルに荷物を置き行くことにした。
 泊まっているホテルの違うKさんを先に六福皇宮に向かわせ、私とSさんは、ホテルに戻って荷物を置き、歩いて六福皇宮に向かった。歩くと地理を覚えるので、治安が良くて余裕がある時は歩くのが良い。

烏龍茶を買いに行く
 六福皇宮(The Westin Taipei)に戻ってYさん、Kさんと合流した後、今度は、近くにある「吉軒茶語(ジーシュエンチャユー)」というお茶屋さんに買い物に出かけた。
 店には、台北で中国語の勉強をしているという日本人の女性(名前聞きそびれた)がアルバイトとして働いていて、我々の相手をしてくれ、オーナーの沈さんとの通訳を受け持ってくれた。
 YさんとKさんは台湾が初めてなので、まずは試飲をさせてもらう。高山烏龍茶、凍頂烏龍茶、東方美人茶などをオーナー自ら入れていただき、作法どおり試飲させてもらって、香りと味を確かめる。ここの茶葉は自家焙煎なので、同じ茶葉でも他店と少し香りが違うとか言われるが、まだそこまで極めていないので、微妙な所はわからない。しかし、茶葉の違いによる味や香りの違いはわかるので、値段も教えてもらいながら、購入するお茶をセレクト。
 この店は、茶梅も自家製で、種類もたくさんある。お茶をいただきながら、茶梅も3~4種類を味見。どれも美味しい。
 試飲の途中で携帯に電話が入り、何事かと思ったら、明日の待ち合わせの場所が六福皇宮(The Westin Taipei)に変更になったのとの連絡。当初予定の場所よりずっと近くなったので大助かり。
 ひとしきり試飲を終えて、お土産用の缶入り凍頂烏龍茶を2本と、自家用の袋入り東方美人茶を1パック、それに青梅と花醸茶梅を各1袋と、紹興酒を飲む時に入れる乾燥の茶梅を1袋購入して、全部でNT$1,570だった。お茶の質に関しては問題ないし、試飲した上で納得して購入できたので、良い買い物だった。

京鼎小館
 吉軒茶語を出る時に、日本人スタッフの女性に、「この近くで安くて美味しく食事できる所はありませんか?。」と聞いたら、店の前の通り(長春路)を東にしばらく行くと、「京鼎小館(ジンディン・シャオグァン)」という名前の小龍包の美味しい店があると教えてくれたので、お礼を言って4人で歩き、敦化北路を越えてすぐの所に店の看板を発見。
 店はいっぱいだったが、店の奥の空調機の横にあるテーブルが一つだけタイミング良く空いていたので、そこに座ることに。我々が座ったテーブルは、普段はあまり使わない場所なのか、店の人は申し訳なさそうにしていて、別のテーブルが空いたけどと教えてくれたりもしたが、一度座ったら面倒くさいので、構わずにそこに陣取った。
 まずは、台湾ビール2本と「小龍包」4つをオーダー。Sさんが、きっちり台北ナビのクーポンを持ってきていたので、それを2枚使って小皿料理2皿と「菜肉蒸餃」、「蝦仁焼売」に炒飯を1皿ずつ追加オーダー。

京鼎小館の小龍包小龍包アップ
菜肉蒸餃蝦仁焼売

 ビールで乾杯の後、運ばれてきた「小龍包」は、一つの蒸籠に10個ずつ入っている。皮を破らないように箸でそっとつまんでレンゲに乗せ、細切りにした生姜を乗せて口に運ぶと、熱々で濃厚なスープがジュワッと口の中に広がり、舌を潤した後に喉を降りていく。流石に人気の店だけあってうまい。ほうれん草のたっぷり入った「菜肉蒸餃」やエビの乗った「蝦仁焼売」、炒飯も美味。
 写真入りのメニューには、この他にもいろんな料理が並んでいるが、追加を頼もうと思う頃には、10個ずつの「小龍包」が意外にも効いてきて、それにビールも加わって、結構満腹感が出てくる。Sさんが、「酸辣湯」や「豆沙小包」もお勧めらしいですよと言うが、4人ともこれ以上食べられないとのことで、残念ながらオーダーストップ。次回は、「小龍包」は2人で蒸籠一つで良いと学習して、勘定(買單)を頼む。
 割り勘で支払いを済ませ、逆方向のホテルに帰るYさん、Kさんと店の前で別れて、Sさん2人で長春路を西へ歩いてホテルに戻った。

3日目(2004年1月15日 木)

新竹・桃園へ
 この日は、企業誘致を目的とする一行に混じって、新竹にある工業技術研究院と桃園にある金利精密という企業を視察することになっていたので、前日同様に2階のレストランで朝食を済ませ、Sさんと歩いて六福皇宮(The Westin Taipei)に向かう。
 六福皇宮で宮崎大学のM先生と日向市役所のY補佐と落ち合い、大型バスに乗車。バスは、三徳大飯店(Santos Hotel)で本隊を拾い、高速道路を一路新竹へ。
 仕事の話は面白くないので省略するが、工業技術研究院では一度に3,000人が食事をすることができるという地下の大食堂で漢方風の鍋を囲み、金利精密では、バスから降りる際に、全員が守衛さんが手にしたデジタル体温計で体温を測られたのが印象に残った。昨年のSARSの影響がまだ尾を引いていることを意識させられた。

黒酢を求めて
 視察を終えて、バスは夕方に六福皇宮(The Westin Taipei)に戻ったが、まだ夕食には早い時間だったので、Sさんと近くのショッピングセンターまで行ってみることにした。
 実は、娘が中国の黒酢を一度食してみたいと言っており、昨年11月に中国(青島・大連)に行った時に買うつもりだったのだが、時間が無くて見つけ出せなかったので、今回の旅で見つけようと思っていたのだった。
 ガイドブックで六福皇宮(The Westin Taipei)から一番近いショッピングセンターを探し、復興北路を南へ復興南路まで歩いて、「微風広場(Breeze Center)」へ向かう。
 15分ほど歩いて、微風広場(Breeze Center)へ到着。ブランド品や高級品には目もくれず、B3(台湾ではイギリス風の表記だから地下2階になる)のスーパーマーケットへ直行。
 野菜、魚、肉と見て回ったが、日本人向けなのか日本語の表示のついた食品もかなりあった。高級スーパーなので価格は高めなのだろうが、それでも我々が日本で買うよりは安い。
 お目当ての黒酢は、調味料のコーナーに数種類あったが、どれがよいのかさっぱりわからない。一つずつラベルを入念に読んで、「健康に良さそうな」黒酢のイメージに近いと思われる「台糖鎮江錯」を選択。これで娘への土産も揃って良かった。

ローラ・アシュレイ
 微風広場(Breeze Center)を後にして、南京東路をホテルに向かって歩いていると、携帯電話の着信が。日本にいる妻からで、時間があったら、「そごう」か「三越」に入っているローラ・アシュレイに行って、白のブラウスを買ってきて欲しいとのこと。今、バーゲンをしているはずで、同じ物を日本のバーゲンで買うより1,000円くらい安いはずだからと言う。
 何で台湾の「そごう」か「三越」にローラ・アシュレイが入っていて、しかもバーゲン中であること知っているのか不思議だったが、電話代も高いので詳しく聞き出すこともできず、了解して電話を切った。
 同行のSさんに断って、ホテルに寄らずにそのまま三越まで行くことにし、持参していた『地球の歩き方 台北』で場所をチェックすると、今いる南京東路を西に直進して、中山駅からMRTで台北車站まで行くと駅前にあることが判明。20分くらい歩けばいいかと踏んで、しばらく歩いていると、目の前に見覚えのある三越のマークが見えてきた。
 MRTに乗るはずだったのにおかしいなと思いながらも、店内に入って、婦人服売り場を探すも、それらしき店が無い。1階に輸入ブランドの店があったので、そっちに行って見るも無い。MRTのことが頭を横切り、もしやと思ってガイドブックを引っ張り出し、デパートの案内のページを見ると、台北市内には三越は3店舗あり、一番大きいのが台北車站駅前にあることが判明。
 Sさんにわびを入れて、新光三越台北南京西路店を出て、MRT中山站からNT$20で地下鉄に乗りる。1駅目の台北車站で降り、地下街を歩いて新光三越台北台北站前店へ。
 ここの5階にローラ・アシュレイが入っており、店内をざっと見渡すと、電話でリクエストされたような白のブラウスが1種類だけ見つかった。値札を見るとNT$2,200。その棚の横に、「7折」と表示があるので、たぶん3割引ということだろう。一応、妻に電話を入れて、見つけた商品の特徴を言うと、それでOKとのこと。
 早速買おうと思ったが、生憎と中国語では買い物はできない。しょうがないので、売り子のお姉さんに、「誰か日本語か英語を喋れる人はいないかな?」と英語で聞いたら、「私が英語なら少しはできる。」と流暢な英語で答えるので、一安心。以下、英語で、「妻のために白いブラウスを探しているんだけど。」と言うと、先に目を付けた品を出してきた。サイズを聞かれたので、「日本のサイズで9号。」と言うと、タグを確かめて、「日本の9号なら、これで大丈夫。」という返事。値札を指さして、「これがディスカウント価格なの?」と聞いたら、「ここから3割引ける。」と言うので、「それじゃ、それでお願い。」と言って包んでもらい、クレジット・カードで精算。支払いは、NT$1,540。

タクシーに乗る
 この間、待っててもらったSさんに改めてお詫びを言って、タクシーでホテルに帰ることにし、デパートを出た所でタクシーをつかまえて乗車。運転手にホテルの名前を告げて、ホテルの部屋にあったホテルの住所等が書いてある名刺大のカードを渡すと、運転手はそれを見て、中山北路から長春路に入って一路東へ。タクシーの車内には、誰の歌なのかよくわからないが、日本語の演歌が流れていた。
 台北のタクシーは、初乗り(1.5kmまで)がNT$70で、その後300m毎または時速5km以下2分毎にNT$5ずつ加算される。ものの10分ほどでホテルに到着し、支払いはNT$95。
 ホテルのロビーで、中正国際空港までのリムジンバスの切符をNT$135で購入。ついでに、翌日の出発が朝早いのでレストランの開業時間に間に合わないから、別途何とかならないか聞いてみたが、どうにもならないとの返事。朝食券はもらっていて、この分は料金に含まれているはずだから、何とか考えてくれても良いと思うのだが、このあたりのサービスは高級ホテルでないとまだまだ。

好記担仔麺
 既に8時を回っていたので、大急ぎで部屋に荷物を置いて、近くにある「好記担仔麺(ハオチー・タンザイミィェン)」へ向かう。
 有名店らしく、事前リサーチの評価も高かったので、是非とも行ってみたいと思っていた店だ。Sさんと連れだって、3分ほどで到着。結構人が多く、座れるかどうか心配。
 事前調査のとおり、店の前にサンプルが並べられており、それを見ながら注文した後で席に案内される仕組みみたい。店の名の由来になっている「担仔麺」を2杯と、「揚げ豆腐のあんかけ」、「鴨の燻製」、「台湾風腸詰め」、「佛跳牆」などを注文し、入り口近くの2人席に案内される。店の人も片言の日本語がしゃべれるので、特に困ることはない。

      
担仔麺 揚げ豆腐のあんかけ
台湾風腸詰め、鴨の燻製など 台湾ビール 生 佛跳牆
ヘチマの炒め物 蟹おこわ
 店内だけでなく店の前の歩道にもテーブルと椅子が置かれ、かなり賑わっている。しばらくして料理が届き始めるが、卓上に箸が無い。あたりを見回すと、壁に箸立てが取り付けてあり、そこから自由に取るようになっていた。ちょっとした驚き。
 料理は、どれも大変美味しく、大満足。台湾では料理にはずれた経験がまだ無いが、その中でもここは地元の人も多くお勧め。途中、席を立って「ヘチマの炒め物」と「蟹おこわ」を追加注文したが、2人では量も多くて食べきれなかった。これだけお腹いっぱい飲み食いして、支払いは1,470元。満足、満足。

帰国の準備
 膨れたお腹をさすりながらホテル方面へと歩き、ホテルの前の交差点でSさんと別れて、リムジンバスのバス停の前にあるパン屋さんで、翌日の朝食用のパンを買い出し。カレーパンと調理パン各1個を選んでレジに持って行ったら、閉店間近だったのか、レジのおばちゃんがもう1個調理パンをおまけしてくれた。その後コンビニに寄って缶コーヒーとペットボトルのお茶を購入し、ホテルの部屋に戻った。
 入浴を済ませ、荷物をパッケージ。パイナップルケーキ5箱が結構場所を取る。他にも視察先でもらった精進料理の粉や黒酢の瓶など重いものも多いので、箱を潰さないように気を付けながらバッグに詰めて行く。
 翌日が朝早いので、慌てなくて良いように準備を済ませ、目覚ましを4時30分にセットして就寝。

4日目(2004年1月16日 金)

空港へ
リムジンバスのパンフレット  朝4時半起きで身支度を整え、前日買った調理パンと缶コーヒーで簡単な朝食を済ませて、ホテルをチェックアウト。
 長榮國際儲運(長航通運)のバス停(松江長春路口)へ行くと、既に先客が2人待っていた。すぐに、5時20分発の中正国際機場行きのバスがやって来たので、荷物室に荷物を入れて乗車。先払いかと思ってチケットを握っていたが、降りる時に出せば良いみたい。早朝にもかかわらず、車内には結構な数の乗客が乗っていた。
 40分ほどで、中正国際機場の第1ターミナルに到着。ここで、周りの客が皆ぞろぞろと降りてしまったので、ちゃんと第2ターミナルに行くのかどうか心配になり、前の方座席に移動すると、一番前の席に初老の夫婦が1組だけ座っていたので、一安心。座っていると、運転手がチケットの半券を回収に来て、第2ターミナルへ出発。

チェックイン
 第2ターミナルでバスを降り、エスカレーターで3階に上がって、エバー航空のチェックインカウンターへ。掲示板に、福岡行きのカウンターは4Bと出ていたので行ってみたが、誰もいない。他のカウンターでやっている気配も無いので、隣のカウンターの係員に福岡行きのカウンターはどこかと聞いたら、「4Bだけど、カウンターが開くのは6時15分です。」との返事。時計を見ると、まだ6時10分なので、4Bのカウンターの前で待つ。15分をしばらく過ぎた頃、係員が6人くらい歩いてやって来た。
 Sさんの分と一緒に、機内に預ける荷物を計量器の上に乗せ、バウチャーとパスポートとANAのマイレージカードを出して手続き。一緒に出したにもかかわらず、「今日の便は満席なので、並んだ席が取れない。」とのことで、Sさんが11A、私が9Dの席になる。
 体温をチェックするサーモグラフィの前を通ってセキュリティチェックを受け、出国審査の係官にパスポートと搭乗券を出すと、パスポートに留められた出国カードをはずし、スタンプを押して返してくれた。

最後の買い物
GLENLIVET 21年(左)とBOWMORE MARINER(右) 出国審査を終えると、免税店の並ぶエリアである。現金がNT$3,700残っていたので、ここでなんとか使い切ろうと、免税店を見て回る。海外での空港での買い物は、いつもシングルモルトのスコッチと決めているので、酒類を置いてある店を中心に回った。
 途中にあった喫茶スタンドでコーヒーがNT$120だったので、最後にコーヒーを飲むことにすると、使えるのはNT$3,580。それを頭に入れながら、洋酒の置いてある店を全てチェック。基本的に、どの店も置いてある種類の多寡はあるものの、内容はさほど変わらない。値段もほぼ同じ。
 結局、洋酒の品揃えの多いEVER RICH D.F.Sという店で、 GLENLIVETの21年がNT$2,200、BOWMOREのMARINER(15年)がNT$1,380で出ていた。これでちょうど合計がNT$3,580なので、即決で購入。
 BOWMOREは個人的に好きなモルトだし、 GLENLIVETはまだ自分では買ったことがなく、しかも21年というビンテージものが購入できたので大満足。
 買い物を終えて喫茶スタンドでラテ(NT$120)を飲みながら、昨夜、パン屋のおばちゃんがおまけしてくれたパンを食べる。

搭乗~帰国
 頃良い時間になったので、搭乗ゲートの方へ移動。ゲート近くの待合室の椅子に座っていると、エバーの係員が下の待合室で待っているようにと告げて回っていたので、2階に降りて待合室で待つ。
 免税店での買い物を終えた一行も次々に集まってきて、予定どおり7時45分から搭乗開始。最初は空席が目立ったが、定刻の8時10分頃にはほぼ満席に。私の右隣にも、最後になって台湾人の若いカップルがやってきて座った。通路をはさんで左隣には、「るるぶ」の福岡ガイドを持った日本人のカップル。春節休みで一時帰国する台湾駐在の日本人家族だろうか。
帰りの機内食 離陸前にまずおしぼりのサービス。上空に上がって水平飛行に移ると、機内食が配られる。ビーフかチキンかを聞かれたので、チキンを選択。出てきたのは、写真のような内容。ビーフを選択すると、ごはんではなくてヌードルだったようだ。飲み物は白ワインを選択。朝から小さいながらパンを3個も食べているので、あまりお腹は減っていないが、それでも食べてしまう。流石に小さなパンは残したが…。
 時差を戻すために、腕時計の針を1時間進め、2時間ほどのフライトで11時過ぎに福岡空港に到着。到着後、入国審査のブースでパスポートに帰国印を押してもらい、バッゲジ・クレームで預けた荷物を受け取り、税関を無申告の列で通過して到着ロビーに。福岡空港から帰国するのももう5度目くらいになるので、すっかり慣れてしまった。
 国際線ターミナルから連絡バスに乗って、国内線の第1ターミナルへ移動し、JALのカウンターで13時40分発JAS837便の搭乗手続きを行う。ここでの乗り継ぎで2時間ほど時間があるが、特にすることも無いので、荷物を預けた後でSさんと第2ターミナルの方へ行き、喫茶店でコーヒーを飲みながらくつろいで時間を過ごす。
 頃良い時間になったので、第1ターミナルに戻り、JAS837便に搭乗。14時20分に宮崎空港に到着して、今回の日程は終了。そのまま家に帰っても良かったのだが、パイナップルケーキを職場にも届けなければならなかったので、一端職場に顔を出し、土産と書類を置いてから、定刻になって帰宅。
 今回の出張は、公私ともに良い出張だった。台北の地理もわかってきたので、今度はプライベートな旅行で気楽に行ってみたい。

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