2002.7.17(Wed.)

 大学時代からの友人から、7月9日付けの日経産業新聞の切り抜きが郵送されてきた。
 内容は、「知財攻防」と題する渋谷高弘記者の署名コラムで、図書館のベストセラー大量購入・貸し出しに対する著者・出版者側からの公共貸与権の導入要求についての現状をまとめたもの。
 友人は、私が大学の時から図書館に関わり続けていることを知っていて、「参考までに」と送ってくれたもの。普段からメールでもやり取りをしているので、掲載紙と日付を知らせてくれれば事の半分は済むのだが、わざわざ切り抜いて切手を貼って郵送してくれるところが泣かせる。感謝感激雨霰。
 公貸権については、導入されてメリットがあるのは、ほんの一握りの著作者や出版社だけではないのかなという気がする。彼らの権利を否定する気はさらさら無いが、公貸権に基づく補償費用を図書館(公共)側が何らかの形で負担しなければならないとすると、地方公共団体の財政事情が厳しくて資料購入費が減っている現状では、それは資料の購入点数の引き下げに直結してしまう訳で、本が買われない現状を促進してしまう結果にもなりかねない。そうなって図書館がベストセラーを買わなくなるのか、良質だけど利用の少なそうな学術書などを買わなくなるのかはわからないけど、果たして著作者や出版社が主張するようなメリットがあるのかどうか?。
 そもそも、既に公貸権の普及している英国や欧州と比較して、図書館の普及率、利用登録率、資料購入費が圧倒的に低い日本の現状で、本当に小さいパイを奪い合わねばならないのだろうか?。パイを大きくする努力をすることも大事だと思うが。

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