マイクロ図書館寄っといで-2015年10月25日付け日本経済新聞

少し紹介するのが遅くなったが、10月25日(日)付けの日本経済新聞「かれんとスコープ」は、「マイクロ図書館寄っといで」と題する記事だった。

「人口減少などを背景に書店や公共図書館が減少する中、私設図書館『マイクロ・ライブラリー』が増えている。本を置くだけでなく本を介した交流の拠点にもなっているようだ。」
ということで紹介されているのが、神戸市東灘区の岡本商店街のカフェや雑貨店にある「まちライブラリー」。それぞれの店が棚を設けて数十冊の本を置いているとのこと。
設置のきっかけになったのは、地域にあった東灘図書館の移転だったとのことで、2014年に16店でスタートし、今は22店に拡大しているとか。

「まちライブラリー」については、公式サイトをご覧いただくとして、記事によれば、北海道から九州まで、個人の家、大学、企業、病院、お寺など場所も規模も様々に約220ヶ所あるのだとか。

「まちライブラリー」提唱者の森記念財団の碓井純充・普及啓発部長によれば、「まちライブラリーを含むマイクロ・ライブラリーが全国に1千ヶ所ほどあると推定」され、「こうした図書館があと9,000増えて緩やかにつながれば大きな力になる」という。

記事では、「学校にも広がり始めた。」として兵庫県姫路市の手柄小学校の例を紹介しているが、廊下にある棚に本を置くなんて取り組みは昔からあったような気がする。
「(子ども達が)本を持ち寄り感想を交換する」って所が新しいのかな?

前述の碓井氏は、「マイクロ・ライブラリーは人々が緩やかにつながって信頼しあえるソーシャルキャピタル(社会関係資本)を生み出す場になる」と見ているらしいが、それは、「人に薦めたい本を感想つきで寄託し、読んだ人がさらに感想を残して交流する」まちライブラリーの特徴が背景にあるからであり、マイクロ・ライブラリー全てがそうなる訳ではないと思う。

ただ、街中から書店や図書館が消えている現状にあって、商店街などにマイクロ・ライブラリーという形で再び本を取り戻す試みは、人の流れを取り戻すという意味でも面白いと思っている。そのあたりのことについては、明日にでもまた書いてみよう。

ところで、上記記事にマイクロ・ライブラリーのタイプ分けが出ていて面白かったので採録。

タイプ事  例
(1)図書館機能優先型わたしの図書館ミルキーウェイ(和歌山市)もものこぶんこ(大阪市)
(2)テーマ目的指向型少女まんが館(東京都あきる野市)古賀河川図書館(福岡県久留米市)
(3)場の活用型にんげん図書館(名古屋市)GACCOH(京都市)
(4)公共図書館連携型おぶせまちじゅう図書館(長野県小布施町)恵庭まちじゅう図書館(北海道恵庭市)
(5)コミュニティー連携型まちライブラリー(全国に約220ヶ所)
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