本日付け日本経済新聞の生活面に、「NPOにお任せ」と題して、公会堂や図書館など地方自治体の施設のNPO法人への運営委託の実態についてのレポート掲載。
図書館の例で取り上げられているのは、NPO法人地域資料デジタル文化研究会に指定管理者制度で委託をしている山梨県山中湖村の図書館、山中湖情報創造館。
ここは、昨年4月の開館に際して、選書のためのツアーを5回開催し、東京の紀伊國屋書店で毎回7、8人の村民と約1万冊の選書を行ったという。「開館時に住民が直接本を選ぶ公立図書館は例がない」と言うが、それは指定管理者制度とは直接には関係ない話のような気がする。
「(図書館の)入り口にロッカーがあり、予約すれば暗証カードで24時間いつでも本が借りられる」という話にしてもそうだ。
気になる問題は、記事の後半にまとめられている。自治体が指定管理者制度を導入する理由は、財政支出の抑制。山中湖村の場合は、村がNPO法人に渡す委託料は、人件費と事業費合わせて年間1,500万円。直営に比べると700万円ほど安いらしいが、NPO法人にはスタッフが7人いるため、条件は厳しい。貸出・返却を自動化し、勤務は1日6時間までとして、スタッフの中には、兼職して副収入を得ている人もいるとのこと。
つまり、図書館職員としての専門性や利用者の利便性は、ある程度犠牲になっているということに他ならない。
公共サービスとして、果たしてそれで良いのかどうか。