District 9

家から近い舞浜のイクスピアリにあるシネマイクスピアリは、平日午前中の初回上映は当日券が1,300円の特別料金なので、休みの金曜で観たい映画がある日は、朝の片づけ終わってからプールに行く用意をして出かけることにしている。

 今日観たのは、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作や最近の『ラブリーボーン』の監督で有名なピーター・ジャクソンが制作した『第9地区(原題:District 9)』。監督は、本作が長編デビューとなるニール・ブロムカンプ。
 結構前評判が高かったので、ジョニー・デップが出演している『アリス・イン・ワンダーランド』をパスして観たのだが、期待ほどはなかったというのが正直な感想。以下、ストーリーに触れるので、まだ観ていない人はネタバレになるので要注意。

 地球にやってきて20年経ったエイリアン達(劇中ではPrawn=エビと呼ばれる)が収容されているスラム地区(District 9)の様子を描く前半は、スプラッターで名を馳せたピーター・ジャクソンの趣味なのか、結構グロい。ちょっと気分が悪くなるほど。
 スラムそのものは、舞台となっている南アフリカのヨハネスブルグのスラムそのものらしく、ある意味現実を写していると言えるのだろうが、巨大な宇宙船で旅をし、強力な武器を持つエイリアン達がスラム地区に押し込められ、動物並みの生活を送りながら人類に支配される構図がよく理解できない。
 中盤以降、人類の主人公がある液体を浴びて遺伝子に変容をきたし、エイリアン化していく様は『ザ・フライ』などB級SFによくある話で既視感があるし、その主人公が元の身体に戻る望みをかけてエイリアンの作ったパワードスーツを装着して傭兵部隊を相手に戦う様は、『スターシップ・トゥルーパーズ』のような感じかな。戦闘シーンも結構スプラッター感満載。映像としてはよくできているし、スプラッターシーンもギャグと言えなくもないが。
 結局、最初はお調子者で無能な主人公のが自己犠牲精神に目覚めて、エイリアン親子を助け、その親子だけが20年ぶりに母艦を起動させるにに成功して故郷に帰って行くのだが、仲間のはずのエイリアン達はそのまま地球に残されて、相変わらずスラム暮らしが続いていく訳だし、ストーリーとしてはどうだかなぁ。細かい部分でも突っ込みどこはたくさんあるし。
 テレビニュースやビデオカメラの映像を多用してリアリティを出したり、エイリアンの生活や戦闘シーンなどCGをうまく使った視覚効果はなかなかよくできていると思うが、あまり心には残らないなぁ。よくできたB級SFというのが総括。

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