がんばれ宮崎!!

口蹄疫被害義捐金の募金箱を店に設置して今日で5日目、宮崎ではついに非常事態宣言まで出される状況となった。

宮崎から遠く離れて東京にいると、限られた報道にしか接しないため、現場の大変さはなかなか伝わって来ないが、Twitterで流れてくる生産者や関係者の生の声が、切実で危機的な状況を伝えてくれる。
かつての同僚達は既に現場での防疫作業に何度も借り出されて苦労しているというのに、何もできないもどかしさが心を苦しくする。

今の同僚達には、こういう時こそ来ていただいたお客様を笑顔で迎え、宮崎の安全で安心な美味しい食品をご紹介して買っていただくことが、アンテナショップとしての最大の役割なので、心して接客して欲しいと伝えている。できることを精一杯やるしかない。

幸いにして、今のところはうちの店では風評による売り上げの減少などは見られない。
逆に、「宮崎が大変な時に、宮崎のものを買うことでしか支援できないから。」とわざわざ買いに来ていただくお客様も増えている。
ハム・ソーセージ類の棚の前で、「川南の製品はどれですか?。できることならそれを買いたい。」と問われた方もいた。
嬉しくて不覚にも涙が出そうになった。年取ったせいか、最近涙腺が緩くなってきているのかもしれない。

わざわざ募金のために来店される方もいて、募金箱には連日多額のお金を入れていただいている。
お札が多いのが意外だったが、1万円札が10枚揃って入れられていたのには驚いた。有り難くて、ここでも涙流しそうになった。

宮宮コンビで共同キャンペーンを張ることもある宮城県の職員の方からも、宮城県のアンテナショップに募金箱を設置したいと話があったりした。

このところ、マスコミの取材も増えている。
たいがいは風評被害の有無について聞かれるが、「無い」と答えるとちょっとがっかりしたような雰囲気を感じることがある。
彼らのシナリオでは、売り上げが落ちて困っているというコメントの方がニュースになるのだろうが、実際にはそうではないし、仮にそうだったとしても、今はマスコミの変な期待に応える気にはならない。

取材の電話では、上記のようなお客様からの励ましの話をして、募金箱の取材を是非お願いしたいと答えている。
なるべくたくさんの人に募金箱の存在を知ってもらって、被災した農家の支援に回るお金を集めることぐらいしか、東京でできることはないような気がするから。

こちらからお願いせずとも募金箱の取材をさせて欲しいと来られたのが日本農業新聞だった。さすがに農家のためのメディアである。
一昨日にはフジテレビの「ニュースJAPAN」の取材があって、こちらの要望どおり募金箱中心に撮影し、募金者のインタビューなども撮って帰った。
逆に、募金箱にはあまり興味を示さず、棚に並んでいる畜肉製品の写真を撮らせろと電話で声高に要求したのが朝日新聞だった。
その後やってきた記者は4月に入社したばかりの新人2人で、こちらの話を素直に聞く耳は持っていたが、上から言われていたのであろう、棚の写真はしっかり撮って帰った。
もちろん、募金箱の写真も撮っていたが、どういう記事になってどういう写真が使われたのかはチェックしていない。
明日(既に今日)はフジテレビ「スーパーニュース」の取材がある。募金箱主体の取材と聞いているが、目は光らせておかなければならない。

いろんな人がいて、いろんな意見があり、メディアの質も様々だ。
非常事態宣言を出した東国原知事の定例記者会見の模様を宮崎県庁のWebサイトに掲載された動画で視たが、知事が声を荒げるのも無理はないと思われる記者側の挑発だった。
全国ニュースでは、その一部が切り取られ、歪曲されて受け取られる。知事だけでなく、身を削って懸命に作業に当たっている関係者の徒労感はいかばかりかと思う。

その間にも、感染の拡大は止まらない。また新たな事例が報告され、移動制限区域が拡大されて行く。悲痛な叫びがTLを流れ、関係者のブログは涙で正視することが難しい。

がんばれ宮崎!! がんばれ宮崎!! 今こそ真の県民総力戦だ。
明日もできることを精一杯やる。それが宮崎のためだと信じて。

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