【日経】公共データは「宝の山」

 11月3日(土)付け日本経済新聞の企業2面に、「公共データは『宝の山』」と題する記事掲載。

 「政府や自治体が保有する『公共データ』をインターネット上に公開することで、民間のビジネス活性化につなげる取り組みがはじまった。」ということで、先行事例として例示されているのが福江県鯖江市。

 市内にあるトイレや駐車場、観光地、災害時の避難場所などの情報を一定のデータ形式にそろえ、市のサイト「データシティ鯖江」に公開、同サイトでは公開されたデータを活用して民間が開発したアプリの一覧も公開されている。

 鯖江市の牧田泰一情報統計課長によれば、「地図データと連動した観光情報サイトや、市内のWiFi利用可能マップの評判がいい」とのこと。

 この動きを民間側で後押ししているのが、鯖江市に開発拠点を置くソフト開発会社(株)jig.jp福野泰介社長。
 上記のアプリのうちかなりを個人名で無償公開している。
 記事には「将来はビジネスに結びつけたい」とあるので、会社としての採算性はまだ未知数のようだけど。

 ところで、会社は東京・新宿にあるが、福野社長は1978年生まれで福井高専卒、鯖江市在住。高専卒で地元で起業してITビジネスで頑張っているところは、年も近い宮崎の某社の社長と専務のコンビを彷彿とさせるね。

 また、記事は政府の動きとして、IT戦略本部が7月に「電子行政オープンデータ戦略」を策定、「著作権の取り扱いルールや、省庁ごとにバラバラなデータ形式の標準化などを通じて、政府自らデータを積極公開することを決めた。」と伝えている。

 「宝の山」の行政情報を公開・利用する具体的な取り組みはこれからだが、例えばとして記事に挙げられているのは、保健所や税務署が把握する飲食店の開業・廃業情報や消防署に届けられる道路工事の情報をカーナビゲーションシステムで利用するというもの。

 こうした動きは欧米が先行していて、米連邦政府のサイト「DATA.GOV」では約38万件のデータが公開され、「気象や農産物の収量、土壌などの情報から被害発生率をはじき出す企業も登場している」らしい。

 この記事、個人的にタイムリーだと思うのは、先日、宮崎から出張してきていたI氏と雑談していた時に「ビッグ・データ」の話しになり、これからは県庁が持っているたくさんのデータをいかにデジタル化して活用できるかが課題だということで盛り上がったからだ。

 民間での利用までには至らなくても、県庁が抱える様々な記録をデジタルアーカイブして、モバイル端末などで利用できるようにするだけで、かなり利便性や効率が上がる業務は多いと思われる。

 そこから初めて、公開されるデータの種類と範囲を広げていければいい。情報システム部門には、どこにどんなデータ(記録)があって、どのような形で利用できるようにしてあげれば便利なのか、とりあえずは情報収集に努めて欲しい(できるものはとっとと便利にして欲しいけど)。

 それから、私が働く東京の事務所でも、宮崎人の経営者がいる飲食店や宮崎料理が食べられる店のリストがあって、それをWebサイトで公開しようとする動きもあるが、これなんか、民間の力でモバイルアプリにして貰えれば、相当に便利だと思うんだけど。
 その前にデータの公開が先だが、私がお手伝いすることにはなっているので、頑張ろうっと。

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