DUNE / デューン 砂の惑星

週休日の火曜、予定していたWebセミナーが流れてぽっかりと時間が空いたので、これ幸いとシネマイクスピアリに映画を観に行ってきました。

数ある上映中作品の中から今回選んだのは、『DUNE / デューン 砂の惑星』

原作は、1965年に発表されたフランク・ハーバートのSF小説”Dune”(邦題は『砂の惑星/デューン』。
砂に覆われた惑星アラキス(通称デューン)を舞台に、銀河帝国を治める皇帝と、その臣下であるハルコネン家とアトレイデス家の三つ巴の権力闘争を縦軸として展開される一大叙事詩です。
後のいろいろな作家や作品に影響を与えた小説で、宮崎駿もその一人であることは間違いないと思います。この映画を観て、宮崎駿的な匂いを感じる人も少なくないことでしょう。

何度か映画化が試みられたのですが、原作のあまりの壮大さに制作が難航し、最終的にデイビッド・リンチ監督で映画化されたのが1984年。
ポリスのボーカルだったスティングがハルコネン家の一員として出演しており、ポリス好きだった私も劇場まで足を運びましたが、壮大な物語を2時間の枠の中に収めるためにかなり無理な編集をしていてわかりづらく、いまいちな仕上がりでした。

今回の映画は、『ブレードランナー 2049』(2017年)の監督を務めたドゥニ・ヴィルヌーヴが監督したもので、155分の作品ですが、映画の冒頭で”Dune: Part One”と表示され、1作では完結しないことが知らされます。
本作の公開前は続編の作製にゴーサインが出ていなかったので、私も含め1話で完結しないことを知らなかった観客が大半で、そこで評価が低くなったりもしていますが、デイビッド・リンチ版より格段にわかりやすく(それでも原作を知らないとわかりづらい面もありますが)、SFX、衣装やメカのデザイン、音楽なども壮大で、よく出来ていると思います。

しかし、重層的で壮大な物語のほんのさわりの部分で本作品は終わってしまうので、その点では不満が残るでしょうね。
一応、2023年10月に”Dune: Part Two”が公開されることは決まっているようなので、次作の公開が待ち遠しいです。

フランク・ハーバートの砂の惑星シリーズは、1965年の”Dune”から1985年の”Chapterhouse : Dune”(『デューン/砂丘の大聖堂』)まで6作(更にその息子のブライアン・ハーバートとケヴィン・J・アンダーソンとの共作で派生作品が10作以上)あるので、2作と言わず、STAR WARSシリーズのように長く続くシリーズになって欲しいなと思います。
それだけのポテンシャルのある作品であると、本作を観て強く感じました。

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