新体操をやってる娘が、Australian Youth Olympic Festivalという大会に日本代表4人の一員として出場することとなった。
娘には悪いが、これが最初で最後の海外での試合になるかもということで、家族協議の末、誰かが応援に行くことになったが、家族全員で行くのは家計的にも無理なので、妻か私かどちらか一人ということになり、一人旅で比較的英語に苦労しないということで、私が代表して行くことになった。
シドニーに行くのは1987年の新婚旅行以来15年ぶり、オーストラリアには1997年にパプアニューギニア出張の帰りにケアンズに寄って以来だから5年ぶりである。
事前準備
チケット
12月始めにシドニーに行くことを決めてから、シドニー行きのルートと航空会社の組み合わせを考え始める。1月9日午前中と1月12日午前中に行われる試合の観戦ができて、職場の年休を最小に抑えることができるという条件で、1月7日出発、1月13日帰着という日程となり、乗り継ぎロスが最も少ない福岡発着便を選択することになった。
都合の良いパック旅行は無いので、福岡発の格安チケットをインターネットで探して値段の当たりをつけ、上記の日程で近畿日本ツーリストとH.I.S.、ウィルツアー宮崎営業所の3社に見積もりを依頼した。その結果、シンガポール航空でシンガポール・チャンギ空港でトランジットするルートが値段的にも妥当ということになり、最安値の提示のあったウィルツアーに、入国ビザ(ETAS)の手配も併せてお願いすることとなった。
ホテル
ホテルは、娘のシドニーでの宿泊先が最後までわからなかったので、シドニーの中心部(シティ)で、列車での移動に便利なセントラル(Central)駅の近くで探すことにした。アップルワールド.COMのサイトなどで安めのホテルを探し、Webで直接予約できる所は、料金を調べた。
結局、「地球の歩き方 シドニー」にも掲載されているHotel Ibis World Squareに決めて、予約を入れることに。ここは、ウィルツアーからは当初8,500円という提示を受け、インターネット予約の方が安いのではと保留していたのだが、調べるとAU$119で、為替レートを考えるとウィルツアーの提示の方が安かったので、航空チケットと一緒にお願いしようと電話したら、8,000円で良いですよと言われて、ラッキー。
外貨両替
シドニーに到着したら、すぐにバスに乗る予定なので豪ドルの現金が必要だが、到着が早朝だから空港で両替できない可能性もあると考えて、必要最小限をキャッシュで用意していくことにした。
出発前日に、職場の近くにある地元銀行の支店に行ったら、米ドルの両替はできるが、豪ドルはちょっと離れた別の支店でないと両替できないと言われ、その足で、歩いて10分のT支店へ。豪ドルへの両替を頼むと、パック売りになるけど良いかと聞かれたので、訳のわからないまま了解すると、AU$200が複数の金種に分けて封筒に入れられたものが出てきた。なるほど、これがパック売りね。これをこの日の交換レート(AU$1=\\77.85)で計算して15,570円で購入。後は、日本円の現金とクレジットカードで対応することにした。
1日目(1月7日 火)
出発
前日の夜に荷造りしたキャリー・バッグに、手荷物用のデイ・パックを背負って自宅から宮崎駅まで歩き、宮崎駅からJRで宮崎空港へ。
宮崎空港からはJAS830便で福岡空港へ。連絡バスで国際線ターミナルへ移動し、JALのカウンターでシンガポール航空のチェックイン手続き。座席は窓側を選択して、48A。荷物はシンガポール経由でシドニーまで預ける。シンガポール航空はスターアライアンス・メンバーなので、ANAカードを出して提携マイルを登録。念のためリコンファームの確認をしたら、やはり必要ないとのこと。帰りの便の提携マイルは、再度シドニーで手続きしてくださいと言われた。チェックイン後、出国審査を受けて、搭乗ゲートへ。
搭乗ゲートで、日本体操協会に問い合わせしてくれた妻からの連絡を受け、娘は「セント・ジョセフ・カレッジ」という所に滞在しているということだけ判明。果たしてそれだけの情報で会えるのか?。詳しくは、現地で選手団に随行している本田さんという人に聞かないとわからないとのことで、携帯電話の番号を教えてもらう。
福岡空港を定刻に出発。機材はB777で、3つ並びの座席の隣は空いていたのでラッキー。
飛び立ってしばらく立つと、まずはその路線で提供される飲み物と機内食が記されたメニューが配られる。飲み物以外は英語と日本語の両方で記述されている。メニューを眺めていると、飲み物の配布が始まったので、ビールを選択。何が良いかと聞かれたので、何があるのか聞き返し、タイガービールを選択。おつまみは小袋入りのピーナッツ。
ビールを飲み干した頃に、今度は機内食が配られる。福岡発シンガポール行きは昼食のサービスで、メニューではインターナショナルセレクションと日本料理のどちらかを選択になっているが、配っているCAは、”Beef or chicken ?”と聞いてくる。ここでは、”Beef”を選択。前菜が「スモークサーモンのピクルス添え」、メインが「牛肉と葱の生姜風味炒め、青野菜、人参、フライドライス」。これに、チーズとクラッカー、ロールパンとバター、水が付き、頼めばワインも注いでくれる。デザートはアイスクリームとコーヒーか紅茶。
目的地のシンガポールは、「曇り時々雨」とのアナウンス。日本とシンガポールの時差は1時間なので、時計を1時間遅らせる。
シンガポール航空の飛行機は、エコノミークラスでも、前の座席の背に液晶モニターが付いていて、映画やフライト情報を見たり、テレビゲームをしたりすることができる。座席の肘掛けに付いているコントローラは、クレジットカード払いの電話にもなる優れもの。これで、ジャッキー・チェン主演の”The Tuxedo”(邦題:タキシード、この時点では日本未公開。)を見たりして過ごす。
チャンギ空港
途中は向かい風のため、予定より遅れて16:05にシンガポール・チャンギ空港ターミナル2のF42ゲートに到着。ゲートの近くにある乗換案内掲示板を見るも、まだ時間があるためか登場予定の便が表示されていない。出発まで4時間以上あるので、とりあえずターミナルの中心部へ向かって歩く。結構長い。
ターミナルの中心部に着いて、まず2,000円を現地通貨のシンガポールドルに両替。2,000円がS$28.75に。それから3階に上がったり、免税店を冷やかしたり。酒の免税店はDFSがやっている。シングルモルトは、グレンフェディック、ラフロイグ(10年)、グレンモーレンジー、ボウモア(12年)と、馴染みのあるやつばかりであまり食指を動かされるものは無い。どうせ買うのは、帰りのシドニー空港と決めているからいいけど、シドニー空港に無かったら、ここで買わなきゃいけない。
そうこうしているうちに、掲示板にシドニー行きSQ221の搭乗ゲートはE28と出た。出発は20:40。ターミナル2とターミナル1の間で、ターミナル1からの方が近そうなので、ターミナル間をつなぐスカイトレイン(無料)に乗って移動。スカイトレインはレール(軌道)・バスみたいなやつで1両編成。2分もしないうちに到着。
到着後、搭乗ゲートを確認して、ターミナル1にあるというプールに行ってみる。一応手荷物に水着も入れてきたのだが、雨模様のため泳ぐ気になれず。それでも、白人女性が2人ほど泳いでいた。フィットネスルームなどを見て回るが、まだ時間も早いのでシャワーを浴びるのもなぁと思いつつ、ターミナル1内を探訪。途中のバーではシンガポールスリング(S$10.00)ってのもあったが、アルコールは機内で飲めるからパス。歩き疲れて、17:30頃にThe Coffee Beanというカフェでカフェ・ラテのレギュラーサイズ(S$4.50)を飲みつつ休憩。
まだまだ時間があるので、動く歩道でターミナル2に戻り、スポーツプログラム(サッカー)を映しているテレビの前の椅子(サッカーボールのデザイン)に腰を下ろして、「地球の歩き方 シドニー」をめくって時間つぶし。頃合いを見て再びスカイトレインでターミナル1に移動し、シャワーを浴びるためにトランジットホテルのフロントでS$8.35払ってフィットネスルームへ。4人ほどが順番を待っていて、15分ほど待ったところで係のおばさんに呼ばれたので、タオルのセットを受け取って、指示されたシャワールームへ。入ったら、洗面台と便器の奥にやや広めのシャワールームがあり、なかなか。シャワーを浴びて、備え付けの液体ソープで髪も洗い、ついでに飛行機の中でもらった歯磨きセットで歯も磨く。風呂上がりには、ソフトドリンクも貰えるので、ペットボトル入りのミネラルウォーターを貰う。さっぱりしてからE28ゲートへ。
ゲートの前には、結構人が並んでいた。パスポートとチケットを提示してゲートの中に入り、セキュリティチェックを受けて待合室へ。待ってる間に、オーストラリアの入国カードを記入する。
機内にて
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しばらくしてから747-400 MEGATOPの機内へ。座席は64Aで最後尾窓側。エコノミークラスの座席はほぼ満席で、隣の席はオーストラリア人らしき女性。20:50に機長の機内アナウンスがあって、乗客が3人まだ来てないので出発が遅れているとのこと。空港が広いからな。結局、21時にボーディングブリッジを離れる。その前にヘッドセットと機内食のメニューが配られる。この日の夕食のメニューは右のとおり。
離陸は21:16。シドニーとの時差が3時間あるので、現地は0:16。これから夕食ということは、完全に夜食だな。飲み物はまずオーストラリアのビール(銘柄は忘れた)をもらって、チキンかタイ風カレーの選択ではチキンを選択。赤ワインも少々いただく。時間的には夜食だけど、出されたものは全部食べる。残せないのは貧乏性なのかも。
食べ終わって、前の座席の背に付いた液晶モニタで映画とかを見る。なるべく眠ろうとするが、エコノミーの座席ではなかなか眠れない。
2日目(1月8日 水)
到着
機内ではほとんど眠れないまま、5:30頃に起こされる。6時過ぎに朝食の配布。朝食メニューは、フルーツ盛り合わせにパンとバターとジャムにコーヒー(又は紅茶)。眼下にオーストラリアの大地が見え、海側を回って7:04にシドニー空港(正式には、キングスフォード・スミス空港)に到着。入国審査カウンターでパスポートと入国カードを提出し、入国スタンプを押してもらう。質問は何もなかった。ラゲージ・クレームで預けた荷物を取り、税関は申告するものが無いので簡単に通過して到着フロアへ。
空港からシドニー市内に行くには、バス、電車、タクシーなどいくつか方法があるが、事前の調査でエアポート・エクスプレス(Airport Express)というバスが片道AU$7で一番安いといことだったので、表示を見ながらバス停へ。チケット売り場で片道チケット(single ticket。米語ならone-way ticketなんだけど。)を買い、7:50発のバスでサーキュラ・キーに向かう。朝早いせいか、乗客はさほど多くない。バスは、セントラル駅から中心街のジョージ・ストリート(George St.)を北に向かう。左右をきょろきょろと眺めながら、地図と見比べて目印となる建物を確認。
サーキュラ・キー
サーキュラ・キー(Circular Quay)に到着し、バスを降りる。サーキュラ・キーは、シドニー市民の主要交通機関のひとつであるフェリーや観光用クルーズ船の乗り場になっていて、ワーフ2から6まで5つの桟橋が並んでいる。左前方にはハーバーブリッジ、右前方にはオペラハウスが見え、オペラハウスには歩いて行けるので、シドニーに行ったら必ず訪れるポイント。時間があるので、ぶらぶらとオペラハウスまで歩く。いよいよシドニーって感じの景色で、なんとなく嬉しい。オペラハウスの対岸、ハーバーブリッジの近くには、豪華そうな大型客船も泊まっている。桟橋には、小型のフェリーやクルーズ船が頻繁に出入りしている。
オペラハウスから桟橋の方に戻る途中で、左の写真のような変なカートを発見。超大型の掃除機を組み込んだカートで、桟橋の周囲を掃除するものらしい。前方下部に吸い込み口が見える。アメリカだと、ブロアーで吹き飛ばして一カ所に集めるのだろうが、さすがにオーストラリア人はやることが大きいと変な感心をする。
JCBプラザ
写真をとりつつぶらぶらしていたら9時になったので、近くにあるJCBプラザへ。カウンターに座ると冷えた麦茶が出てきて、オーストラリア人の若い女性が流暢な日本語で相手をしてくれた。他に日本人の女性のスタッフが2人いた。
ここで、日本から電話予約していたAustralian Youth Olympic FestivalのOpening Ceremonyと4日間のフリー入場券がセットになった5 DAY PASを受け取り、手数料AU$7.50込みの計AU$35.50をJCBカードで支払い。現地で普通に買えばAU$45だから、かなり割安。
ついでに、娘の宿泊先だというSt. Joseph”s Collegeの場所と交通手段を尋ねると、バスが一番とのことで、506・X06系統の時刻表をコピーしてもらう。オリンピックパークへの交通手段は、やはり鉄道(シティ・レール)が一番とのことで、これもちょうどいい列車の発車時間を教えてもらう。ついでに、ハーバーサイド・ショッピングセンターとDFSギャレリア、ダウンタウン・デューティーフリーの買い物割引券もいただく。
初めて海外のプラザを利用したが、見知らぬ土地でも日本語で教えて貰えるので、すごく便利。チケット類もここを通して購入すると割引になるものが結構ある。日本語の新聞も読めるし、旅行先にあれば、使わない手はない。
ホテルにチェックイン
JCBプラザを後にして、シドニー市街を散歩がてら宿泊先のIbis Sydney World Squareまで30分ほど歩く。出発前に日本で旅行代理店に確認した時は、アーリーチェックインはできない(するなら別途料金が必要)と聞いていたが、フロントで聞いたらあっさりとできてしまって部屋へ。あきらめないで聞いてみるものだ。部屋は805号室で、カードキーで扉を開けて中に入ると、さほど広くはないが、シングルベッドが2つ。ビジネスタイプでツインのシングルユースってことね。
早速、日本から持ってきた携帯電話で、選手団にアテンドしている本田さんに電話。娘の所在を確認すると、体育館で練習中とのことなので、携帯に電話を入れるように伝言を依頼。妻にも電話して無事到着したと伝える。
それから部屋の造りを確認。自由に使える冷蔵庫とTVはあり。クローゼットにはアイロンとアイロン台もある。TVのチャンネルは4チャンネルほどで、さほど多くない。映画の有料チャンネルもあるみたいだったが、チェックしなかった。
バスルームにバスタブは無く、洗面台とトイレ、シャワールームだけ。石けんとシャワーはあるが、歯ブラシセットは無し。バスタオルとタオルはちゃんとある。ドライヤーも備え付けがあるが、使わないので関係なし。電気のコンセントは、日本のプラグでも大丈夫な形状。念のためにプラグ変換アダプタは持って来たけど必要なかった。
荷物をほどいて、ハンガーに掛ける衣類はクローゼットに収め、とりあえず片づける。
ハーミー・ヌードル
お昼前になったので、昼食を食べるついでに、Opening Ceremonyの会場であるエンターテイメント・センター(Entartainment Center)の場所を確認しておこうと徒歩で出かける。
その前に、明日の朝、列車に乗るセントラル駅を下見。ホテルからは歩いて10分あれば十分。2階に上がってチケットの自動販売機やホームの位置などを確認し、エンターテイメント・センターまで10分ほど歩く。エンターテイメント・センターはチャイナタウン(China Town)の一角にあり、ホテルからも近い。
ガイドブックでチェックしたスーパーボウル(Superbowl)というお粥屋さんが近くにあるので行ってみるが、ランチメニューはAU$12なので躊躇し、「地球の歩き方 シドニー」に掲載されていたマレー・チャイニーズ(MALAY-CHINESE)という店のハーミー・ヌードル(HarMee Noodle)を食べてみることにし、ハンター・ストリート(Hunter St.)にある店まで歩く。地図を見ながらしばらく歩いていて到着。まだ、さほど混んでいなくて良かった。カウンターで看板メニューのハーミー・ヌードルAU$7.50を頼む。エビ風味で、米の麺と小麦粉の麺が両方入っていて、ちょっとピリ辛のスープがなかなか美味。
食べている途中で娘の指導をしていただいているA先生から携帯に電話が入り、宿舎まで会いに行く了解を得る。
バスに乗る
それから、ウインヤード(Wynyard)駅の一角にあるバスセンターまで歩いて、インフォメーションセンターで506・X06系統の路線図が書いてある時刻表を入手し、バス停の場所を聞いて、バスに乗り込む。
シドニーのバスは前乗り先払いなのだが、降りるべきバス停がわからないので、とりあえず「ハンターズ・ヒル(Hunter”s Hill)」と告げると、運転手がAU$3.40だと言うので、言われるままに払ってレシートを貰う。
時刻表に掲載された地図と車窓から見える風景を見比べながら、降りるべきバス停を探す。日本のバスみたいに車内に次のバス停が表示されるなどという親切なサービスは無いので、初めて行くところは、どこで降りればいいかよくわからない。
地図に書いてあるとおり4つの橋を渡り、左折して住宅街に入ると、左手に学校らしき建物が見えたので、降車ボタンを押して近くのバス停で降りて、その建物まで歩く。
娘と面会
St. Joseph”s Collegeの校門には守衛がいたので、泊まっている選手の親だが入って良いかと聞きくと、構わないとのことで、校内に入る。
校門のすぐ前にある建物に入ると、食堂らしきものがあるが、事務室が見あたらない。通りがかった女性にユース・オリンピック・フェスティバルのオフィスの場所を尋ね、教えてもらった建物に行く。オフィスに居合わせたスタッフに、日本の選手団の中に娘がいるので面会したい旨を告げると、年配の女性がわざわざ呼びに行ってくれた。待っている間に、ここに何人くらい宿泊してるのかと聞くと、500人くらいとの返事。スタッフも大変だろう。待っている間に、韓国の体操選手とコーチが到着して手続きをしていた。
しばらくオフィスで待って、ようやくA先生と娘がやってきた。先生とお会いするのは初めてなので、ちょっと緊張。娘は1月1日に少し大きな怪我をしたと聞いていたので、出場できそうかどうかを先生に確認。なんとか出場はできそうとのこと。隣家のOさんからいただいたお守りを娘に渡し、しばらく話す。怪我の具合は芳しく無さそうで、歩き方もスムーズではない。それでも、明日の試合には出るとのこと。無理はさせたくないが、明日は国別対抗戦でもあるので、ここまできて他のメンバーに迷惑はかけられないし、なんとか頑張って欲しい。
校門の前で娘の写真を1枚撮って別れ、バス停に向かうが、バスが来るまで30分近くあるので、次のバス停まで歩こうと思ったのが大間違い。途中までは順調で、2つ先のバス停を目指すが、経路の途中が高速道路になっていて、徒歩では橋を渡ることができず、大変大回りになってしまう。素直に引き返せば良かった。
高速道路を横断する歩道橋を見つけて渡るとバス停があり、しばらく待っているとバスがやって来て、やっとのことで乗ることができた。AU$2.60でタウンホール(Town Hall)まで行き、近くのウールワース・メトロ(Woolworths Metro)と周辺の土産物屋を冷やかして歩く。確かに普通の土産物店と比べると安そう。ウールワースでミネラルウォーター600ml(AU$0.75)2本とリンゴ3個(AU$1.19)を買い、歩いてホテルまで帰ってシャワーを浴びる。歩き疲れていたので、少しうとうとする。
メトロ・モノレール
夕刻になったので、メトロ・モノレール(Meetro Monorail)でオープニング・セレモニーの行われるエンターテイメント・センターに行くことにして、ホテルの近くにあるワールド・スクエア(World Square)駅まで行く。
メトロ・モノレールは、シドニーの市街地を左回りに3~5分間隔で周回しており、どこまで乗っても1回AU$4。デイ・パス(Day Pass)と言って、1日乗り放題のチケットもAU$8である。車両は、4人掛け程度の席が向かい合わせになったひとつの小さなコンパートメントが7つほど連結されて走っている。一度にあまりたくさんの人は乗れない。
ワールド・スクエア駅からエンターテイメント・センターのあるパワーハウス・ミュージアム(powerhouse Museum)駅まではわずか2駅の距離なのだが、左回りなので6駅目となる。この日は、昼間は天気が良かったのに、この頃になると台風みたいな強風で驚く。時折激しい雨も混じり、歩かなくて良かった。でも、雨はすぐに上がった。
オープニング・セレモニー
パワーハウス・ミュージアム駅に着いて、エンターテイメント・センターの前にあるバーガー・キング(Burger King)で軽く夕食。同じような考えの人達で結構混んでおり、しばらく並んで、ようやくありつける。ハンバーガーは、レギュラーサイズなのに日本のと比べるとでかい。食べて終わってから会場へ。
入場して、AU$5で売っていたパンフレットを購入。指定席に座ってしばらく待つ。周りはみんなオーストラリア人のようで、たぶん、私と同じように出場する選手の関係者なのだろう。
セレモニーは約2時間で、前後半の2部構成。前半は選手入場から始まり、入場した選手達は、場内のフロアを1周した後、観客席に着席。日本選手団は、私の座席の左側、割と近くに位置しており、娘達の席も確認できた。その後、本当のオリンピックの開会式のように、大会宣言、選手宣誓、五輪旗や聖火の入場などと本格的な構成が続き、若いアスリートのためのオーストラリアの力の入れようが伝わってくる。特に選手宣誓の内容は、若いアスリートに必要な心構えみたいなものを言っていて、娘が理解できると良いのになと思いながら聞いていた。通訳無しの英語だから、全然わからなかったと思うけど。
後半は文化プログラムで、歌やダンスとなかなかに感動的。オーストラリアの歌を選手達や会場一体となって歌う場面など、大盛り上がりで羨ましかった。
すべてのイベントが終わってから、日本選手団の席まで行き、新体操関係者の皆さんにご挨拶。ロビーで選手達4人の写真を撮り、送迎バスまで見送って、ホテルまで歩いて戻る。シャワーを浴びて22時頃には就寝。疲れた一日だった。
3日目(1月9日 木)
列車に乗る
朝7時に起きて、シャワーを浴びて身支度。朝食は昨日買ったリンゴ1個とミネラルウォーター。リンゴは、皮が固いがなかなかおいしい。皮をむくナイフが欲しいところ。
ホテルを出て、シティ・レール(City Rail)のセントラル駅まで歩き、目的地のオリンピック・パーク(Olympic Park)までの往復チケットを自販機でAU$8.40で購入。自動販売機は、まず目的地を押し、大人か子どもかを選び、片道か往復かを選んで、表示された金額を投入すると買える。
ここで、8:24発の列車に乗る予定にしていたが、少し早く着いたので、同じ方向の8:08発に乗り込む。しかし、これが大間違いで、特急列車のため、目的地のリッドコム(Lidcomb)に止まらず、パラマタ(Parramatta)まで乗り越す羽目に。パラマタ駅で戻りの列車のホームを探すのに少しとまどったが、なんとか逆方向の列車に乗り、リッドコム駅で乗り換えて、ようやくオリンピックパークへ。駅近くにあったオリンピック・パークの案内所でステート・スポーツ・センター(State Sports Centre)の場所を聞き、走ることに。到着して座席に着くとすぐに開会。なんとか間に合って一安心。
国別対抗で金メダル
開会式に入場してきた娘は、見た目はとりあえず元気そう。今日は、4人の合計点で争う国別対抗戦なので、なんとか足を引っ張らないように頑張って欲しいと思う。
競技が始まり、日本人の応援は私一人だが、日本から持参した日の丸の小旗を振り、日本選手の名前がコールされる度に指笛を鳴らして頑張って応援。
娘はなんとか演技をこなしていたが、細かい部分で十分にできていないのが目につく。他の日本人の選手達も、ところどころ細かいミスはあるものの、無難なできばえ。
前半2種目が終わって、途中の休憩の時間に、観客席にいたS先生達に挨拶。10分ほどの休憩の後、すぐに後半開始。娘の演技は、内容は十分ではなかったが、それでも思った以上に点数が出ていた。怪我の後、短い間で演技構成を変え、できる技だけで組み立てた先生の手腕のおかげか。それでも、娘も痛みに耐えながら大きなミスなくやり通したのだから立派なもの。
全ての演技が終わって、結果は国別対抗で見事金メダル!!。オーストラリアのAチームとBチームが銀と銅。大会前に参加がアナウンスされていた強豪の中国が不参加だし、ヨーロッパ勢は最初から参加していないので、当然といえば当然の結果かな。
表彰式が終わって、観客席にいたS先生達とフロアに降り、みんなと再会。早速、それぞれのカメラで順番に記念撮影。さすがに、みんな嬉しそう。娘の点数を後から聞いたら、合計では出場選手中トップだった。驚き!。
終わってから、S先生より夕食をみんなと一緒にと誘われ、携帯で連絡を取ってどこかで落ち合うことに。
フィッシュ・マーケット
送迎バスで宿舎に帰る選手達と別れ、体育館のカフェでホットドッグとコーヒーの軽い昼食を食べ、シティ・レールでセントラル駅に戻る。途中、オリンピック・パークの駅で、地元の少年達に、パラマタ(Parramatta)行きの列車はどれかと聞かれ、直行は無いのでリッドコム(Lidcomb)まで行って乗り換えるように教えてあげる。朝の間違いがこんなところで役に立つ。
セントラル駅に着いて、時間があるので、シドニー・フィッシュ・マーケット(Sydney Fish Market)へ行くことにし、セントラル駅からメトロ・ライト・レール(Metro Light Rail)に乗車。ライト・レールは、いわゆる路面電車で、フィッシュ・マーケット駅まではAU$4.90。1日乗り放題デイ・パス(Day Pass)ならAU$8。チケットは、セントラル駅では自販機で買えるが、電車に乗り込んでいる車掌さんからも買うことができる。
フィッシュマーケット駅に着いて、歩いてシドニー・フィッシュ・マーケットへ。魚屋さんの店先に、ロブスターや小さなエビ、地元の魚、オイスター(牡蠣)など美味しそうなものが並んでいる。カフェやレストランなどもあり、ゆでたエビや生牡蠣、フィッシュ&チップスなどをテイクアウトすることもできる。海(湾)に面した屋外には、船着き場があり、付近にはテーブルと椅子も並べられていて、テイクアウトしたものを自由に持ち込むことができるようになっている。
ここで、まず酒屋さんでビールを買って、置いてある栓抜きで自分で栓を開け、デリで生牡蠣6個とピクルド・マッスルを買って、しめてAU$15ほどを屋外の空いていたテーブルに運ぶ。食べようとしたところで携帯にA先生より電話が入り、15:45にメトロ・モノレールのハーバーサイド(Harbourside)駅で待ち合わせることに。
ゆっくり時間があるので、周囲の風景を眺めながら、生牡蠣をつまみつつビールを飲む。マッスルは、かなり量があり、最後には少々もてあまし気味に。フィッシュ&チップスも食べたかったが、こんな時に一人だと、たくさんの種類を食べられないので残念。
ハーバーサイド・ショッピングセンター
食べ終えてから、待ち合わせ場所のハーバーサイドに歩いて向かう。
待ち合わせ時間より少し早めに着いたので、ハーバーサイド・ショッピングセンターを下見することにして、初日にJCBプラザでもらったバウチャーをベネフィットカードに交換。このベネフィットカードで、お店によって割引や記念品などの特典がもらえる。オーストラリアの土産物を買える店をひととおりチェックして、ショッピングセンターの入り口で皆さんと合流。
17時半まで自由に買い物ということになり、先生達と別れて子ども達の買い物にガイド役としてつきあうことになる。4人を引き連れて(引き連れられて?)、センター内を回る。ベネフィットカードで割引の効く店で、4人分の土産をまとめて支払って1割引。だけど、みんな思ったほどは土産を買わなかった。
夕食会
17時半になり、ショッピングセンターの入り口で集合して、食事の場所に移動。ピアモント橋を渡って、モノレールのダーリング・パーク(Darling Park)駅の近くにある日本料理店ASKAで食事。
大人と子どもでテーブルが分かれ、大人達は居酒屋メニューで好き勝手に注文。子ども達は、当然にダイエットメニュー。先生から「うどんと焼き魚とサラダ」に限定され、うどんもカロリー低めの山菜うどん、野菜うどん、ざるうどん、の3種から選択。焼き魚とサラダは4人で分け合って食べる。可哀想だけど、それが当たり前の世界。
子ども達は、新体操を中心とした話題で盛り上がり、コーチ陣は反省会。こっちは素人なのでよくわからないが、ルールも新しくなったし、国外での試合は日本国内と雰囲気も違うので参考になることも多いらしい。
買い物して宿舎に
子ども達が一通り食べ終わった後、子ども達を連れて買い物に行き、21時までに宿舎まで送り届けて欲しいと頼まれ、引き受ける。
19時前に店を出て、4人にどこへ行きたいか聞くと、「スーパーみたいなとこ」との答え。そこで、ダーリング・パーク駅からメトロ・モノレールに乗ってギャラリーズ・ビクトリア(Galeries Victoria)駅まで行き、リサーチ済みのウールワース・メトロへ。お目付役の先生達がいないので、子ども達もちょっと羽目をはずしてのびのび。お土産にするお菓子など、ひとしきり買い物を終わって、宿舎に戻るべくタウン・ホールのバス停へ。
バスを待っているところへ、UさんのコーチのN先生から携帯に電話があり、地元のテレビ局からUさんへのインタビューが私の携帯に入ることになったので対応よろしくとのこと。バスの中で電話を受けることになるかもと戦々恐々としつつ、バスに乗り込む。
しかし、電話はかかって来ず、子ども達を宿舎まで送り届けて、そのまま9時過ぎまで待って、N先生に確認の電話を入れたところ、話し中で繋がらなかったとのこと。こっちの電話は使っていないので、何故だろう?(後々考えれば、向こうは国際通話だと思って国番号から回したのだが、こっちはauのglobal passportなので、日本国内からの電話は携帯番号そのままで良く、そのせいで繋がらなかったのだろう)。こっちのせいではないのだが、テレビ局の人には申し訳ないことをした。
そこで子ども達と別れ、再びバスに乗ってタウンホールに戻り、ぶらぶら歩いて帰る途中のスターバックスでカフェ・ラテ(AU$3.45)を買って、ホテルに戻る。
部屋に上がる前に、ふと思いついてホテルの地下を覗いたら、案の定、コイン式の洗濯機と乾燥機が置いてある。これで、洗濯もできる。部屋へ戻って、シャワーを浴びて、テレビをちょっと見て就寝。
4日目(1月10日 金)
ダーリング・ハーバー
今日は、完全にフリーの一日。
7時に起きてシャワーを浴び、チャイナタウンのスーパーボウルに朝食を食べに行く。Cセット(お粥、焼きそば、幅広のライスヌードルの甘いソースがけ。AU$5.80)を注文。決しておしゃれな場所ではないが、リーズナブルでなかなか美味。食べ終えて、散歩がてらダーリング・ハーバーへ。
ダーリング・ハーバーは、パラマタ川(Parramatta River)の河口、タスマン海(Tasman Sea)に通じる内湾のポート・ジャクソン(Port Jackson)の一部であり、シドニー中心部のウォータ・フロントとして開発され、ボード・ウォークが巡らされた周囲には、ショッピングセンターやホテル、レストラン、カフェ、水族館、博物館などが建ち並び、観光船などの乗り場もあって、なかなかに美しい景色である。
シドニー水族館
そのまま散歩の足を伸ばしてJCBプラザまで歩き、9時に到着。翌日のブルー・マウンテンズ(Blue Mountains)半日ツアー(AU$50)を申し込み、シドニー水族館の入場チケット(AU$16.50、通常はAU$22)も購入。ついでに、日本語の環境が使えるインターネットカフェを紹介してもらう。
景品の当たるスクラッチカードを3枚もらってコインで擦ると、2枚目が当たって、コースターセットとアボリジニ・アートの小物入れをいただく。
近くのサーキュラ・キー駅からシティ・レールでタウン・ホール駅に戻り(AU$2.20)、歩いてシドニー水族館へ。実は水族館フリークなので、旅先でもチャンスがあれば水族館には行くことにしているのだ。
シドニー水族館もダーリング・ハーバーの一角にあり、目の前はマチルダ・クルーズ(Matilda Cruises)の船着き場になっている。入り口には、朝からたくさんの人が並んでいるが、割引チケットを持っていると、人の少ない別の入り口から入場できてラッキー。
けっこう人が混んでいて、ゆっくりと見ることができないが、オーストラリアの水生生物約650種、1万匹以上を集めているというこの水族館は、なかなか楽しめる。最近流行のイルカのショーなどは無いが、野生ではなかなかお目にかかれないカモノハシの生態も見ることができた。床も天井もアクリルの水槽になっていて、海中に居る気分が味わえる海底トンネルはなかなか圧巻。大型のサメもたくさんいる。
クイーン・ビクトリア・ビルディング(QVB)
水族館を後にして、クイーン・ビクトリア・ビルディング(QVB)のショッピング・モールへ。
ここは、1898年に建てられたビクトリア様式の建物で、もともとフルーツマーケットだったものを大規模に改装して、ブランドショップからカフェ、土産物店まで200以上の店舗が入るショッピング・モールになっている。3階まで吹き抜けの空間にドーム型の天井から光が入り、からくり時計やステンドグラスで飾られた非常に美しい、シドニーのランドマークのひとつである。
土産物関係を中心に、隅から隅までひととおり店舗を見て回り、地下にあるデリに降りる。地下では食器や台所用品のクリアランス・セールをやっていて、結構良さそうなものが安くで出ていたが、かさばるし壊れ物でもあるので、泣く泣くあきらめる。デリで、ターキー・クランベリー・チーズサンドを注文すると、「温めるか」と聞かれたので「Yes」と返事をすると、オーブンでホットサンドにしてくれた。これにカフェ・ラテを組み合わせて、席に座って昼食。なかなか美味しかった。
インターネット・カフェ
QVBを出て、メールをチェックするためにJCBプラザで教えてもらった日本人向けのインターネット・カフェに行くが、短時間の利用だと高いと言われ、30分でAU$1でできる所を教えてもらう。
実は、泊まったホテルの部屋にはインターネットにアクセスできる環境が無く、ロビーに右の写真のような有料の専用マシンが置いてあり、Webブラウズはできるのだが、日本語のメールを読み書きするには日本語の環境が必要なので、日本人向けのインターネット・カフェを必要としているのである。
教えてもらったカフェは、ウインヤード駅近くにある、日本人の経営する旅行代理店ということで、そこまで歩いて行く。看板を見つけて地下に降りると、旅行代理店と喫茶店とインターネット・カフェをミックスしたような場所で、それぞれに日本人の利用者がいる。オーストラリアはワーキング・ホリデイの制度があるので、若い日本人も多い。ここで、インターネットに接続されてたPCをAU$1で借りる。
職場のメールは、外からはメール・サーバにアクセスできないので、日本を発つ前に職場のアドレスに来たメールはプライベート・アドレスに転送するように設定してきた。モバイル端末は持ち歩いていないので、プライベート・アドレスのメールを読むには、別のWebメールのアカウントを使って、ブラウザからWebメールに入り、そこからプライベート・アドレスのメールボックスを見に行って、必要なメールだけを読みに行くという方法を取っている。Webメールのアドレスに直接転送しないのは、大きな添付ファイルがくっついているメールやダイレクト・メールを受信する無駄を省くため。
AU$1で使える30分の間にWebメールをチェックして、職場の同僚にメールを送り、このサイトの徒然日記を更新。これでぴったり30分。目の前に、やたらいちゃつく若い(幼稚な)カップルがいて、ちょっと不快だったので、延長せずに退散。
蜂蜜を探して
インターネットカフェを出て、昨日行ったハーバーサイド・ショッピングセンターへ向かう。妻からお土産としてリクエストされていた蜂の巣入り蜂蜜がなかなか見つからず、結局、お土産を買うならQVBの方が良さそうだと感じつつ、何も買わないままに、ロックス(The Rocks)地区にある免税店のDFSギャラリア・シドニーを目指すことに。
QVBの前のバス停からサーキュラキー行きのバスに乗り(AU$1.50)、そこからDFSまで歩く。免税品には目もくれず蜂蜜を探し、ついに発見。3個でAU$48。やっぱり、こういう店はパッケージがきれい。でも、まだ探す時間があるので、買わずにチェックだけして、ロックス(The Rocks)のとあるバー&グリルでTボーンステーキ(AU$16)と黒ビール(AU$3.50)で少し早めの夕食。宮崎牛みたいに霜降りの旨味はないけど、炭火焼きのTボーンステーキはそれなりに旨い。だけど、思っていたより小ぶりだった。皿からはみ出すくらいのイメージがあったのだけど。
歩いて帰る途中で、別の免税店のダウンタウン・デューティーフリーを覗いてみるが、ここには蜂蜜は無し。ホテルまでの途中でウールワースメトロに寄ってミネラルウォーターを2本(AU$1.50で買い、歩き疲れてホテルの部屋に帰る。
シャワーを浴びてから、フロントで洗剤(AU$1.10)を買って、地下のランドリーへ。女性の先客がいて、待ってる時に話しかけたら日本人でお互いにびっくり。名前も聞かなかったが、私より少し年配で、旅慣れた感じ。毎年のようにあちこち出かけているらしい。
洗濯が終わって、生乾きの洗濯物を部屋の中に干して、疲れたので23時には就寝。
5日目(1月11日 土)
ブルー・マウンテンズ・ツアー
6時半起床で、昨日申し込んだ「ジャックさんのブルー・マウンテンズ半日ツアー」というのに参加。
ブルー・マウンテンズ(Blue Mountains)は、シドニーから西に70kmほどのグレート・ディバイディング・レンジという山脈の一角にある。国立公園になっていて、世界遺産にも登録されているらしい。
7時30分にホテルのフロントでガイドのジャックさんがピックアップ。マイクロバスに乗り込んだら、12人の団体と女性2人の団体(いずれも日本人)が既に乗り込んでいた。続いてシェラトンホテルで6人くらいの日本人の団体が乗り込んで、ブルー・マウンテンズへ向けて出発。
私だけ一人旅なので、助手席が割り当てられ、ガイドのジャックさんと時折英語で言葉を交わす。ジャックさんは、20年ほど前に福島と東京に2年ずつ住んでいたことがあるそうで、達者な福島弁も交えてガイドをしている。
途中、オリンピック・パークを車窓から見て、グレート・ウエスタン・ハイウェイ(Great Western Highway)に入り、ブルー・マウンテンズまで1時間45分ほど。使っている車が少し古い上に結構たくさん乗っているので、上り坂ではエンストしそうになり、長い上り坂になるとクーラーを切ってパワーを稼ぎ、あえぎながら上る感じになるので、途中で止まらないかと心配になった。ブルー・マウンテンズに入った所のガソリンスタンドでトイレ休憩。
シドニーを出る時は晴れていたが、現地に近づくにつれて雲がかかり始め、ジャックさんの顔も曇りがちに。ルーラ(Leura)の街を過ぎると、完全に曇りで霧がかかったような状態になってくる。
ブルー・マウンテンズ観光の中心であるカトゥーンバ(katoomba)の街に入り、普通なら有名なスリー・シスターズ(Three Sisters)という奇岩の見えるエコー・ポイント(Echo Point)に行くところを、霧のために後回しにして、シーニック・ワールド(Scenic World)へ。
まずは、シーニック・レイルウェイ(Scenic Railway)という最大斜度が52度もあるトロッコに乗る。長さは415mで、下りは2~3分だが、落下するような感じでかなりスリリング。
トロッコを降りて、遊歩道を5分ほど歩き、Katoomba Fallsという滝を見上げた後、森の中の遊歩道を戻って、シーニセンダー(Sceniscender)という80人乗りの大型ロープウェイの駅に行く。このあたりは、昔(1878年から)、炭坑があった所らしく、遊歩道の途中から炭坑の入り口や換気用の穴などを見ることができる。
ロープウェイの到着を待って、乗り込む。2001年にできたばかりの新しいロープウェイで、大きくてきれい。晴れていれば、このロープウェイからもスリー・シスターズを見ることができるらしいが、やはり霧のために見えず。
ロープウェイを降りて、ジャックさんの待つ駐車場へ。トロッコとロープウェイの両方に乗って、料金はAU$12。これはツアー料金に含まず、ジャックさんに現金で別払い。それから再びマイクロバスに乗って、景観の良いはずのビューポイントをいくつか回るも、霧のためにほとんど見えず。ジャックさんに聞いたら、この季節は週に1度くらいは霧が出るらしい。
最後に、スリー・シスターズを見るエコー・ポイントに。さすがに人が多く、大型バスから乗用車までたくさんの車が停まっている。ここでもやはり霧が出ていて望みが薄い。半日ツアーなので、残り20分くらいしか時間が無く、スリー・シスターズを見るのは駄目かもと思い、まずはビジター・センターに入って、ただでもらえるツーリスト用の新聞をゲット。それから外に出たら、最後の5分で霧が晴れて、魔王に追われて岩に姿を変えた美人3姉妹の姿を、見事に見ることができた。エコー・ポイントから見る広大な景色はなかなか感動的。
天気予報を聞いて半日のツアーにしたが、天気が良ければ、もう少し滞在して、ゆっくりと見て回りたかった。このほかにも周辺には見所がたくさんあるらしいので、2~3日滞在してトレッキングなどを楽しむのも良さそう。それはまた、次の機会に。
再び蜂蜜を探して
ジャックさんの運転するバスでシドニーに戻り、13時半頃チャイナタウンで下車。社内旅行らしき12名の団体さんに日本語のメニューのあるレストランを教えた後、マーケットシティ近くのマレーチャイニーズ(本店?)でハーミー・ヌードル(AU$7.00)と春巻(AU$1.20)の昼食。食べ終えてから、蜂蜜を探して近くの中国系の食料品スーパーをのぞいてみたが期待はずれ。
続いて、マーケット・シティに足を踏み入れる。1階は、中国系の人々が営む露店がたくさん集まっていて、お土産品、衣類、靴など確かに安いが質もそれなりって感じ。義理土産の類は、ここで買っても良いが、大切な人へのお土産は避けた方が良さそう。2階から上はショッピングモールになっていて、アウトレットやスーパーマーケットもある。
ここのスーパーで、ついに蜂の巣入り蜂蜜を見つけるが、パッケージを見るとニュージーランド産となっており、200gでAU$10.95の表示。これなら、昨日見たDFSギャラリアの方が安いので、近くのバス停からロックス行きのバス(AU$1.50)に乗って、DFSへ。
4階の受付でパスポートと帰りの航空券とJCBプラザで貰ったバウチャーを提示して1割引のショッピングカードを発行してもらい、3個入りの蜂蜜AU$48をAU$43.20で購入。これで一安心。
DFSの運行する無料のシャトルバスで、シェラトン・オン・ザ・パーク(Sheraton On The Park)まで行き、近くにあるローラ・アシュレイ(妻のお気に入りのブランド)の店を覗いてみるが、大したものは無く、歩いてQVBに行って、お土産用のKid”s-Tシャツを3枚AU$24で購入。
それから、オーストラリアンブランドでアウトドア用品も扱っているGowingsへ。実は、Leathermanというメーカーのツールナイフで、Juiceシリーズのものが欲しいと思っていて、ここにもあったのだが、結構な値段がするので手が出せず、結局オリジナルブランドのツールナイフ(12 in 1 Foldable Pliers)が安くであったので、AU$14.95で購入。これでリンゴの皮も剥けるってもんだ。
訃報
それから、マーケット・シティに歩いて戻るが、1階の露店は既に店じまいで、2階から上でも特に買う物もなくホテルに戻る。
部屋に戻ると妻から携帯に電話があり、昔の職場の上司で今も親しくしていただいているKさんの父上が亡くなったと、昔の同僚のIさんから電話があったが、どうしたら良いかとのこと。香典の手配をIさんにお願いするよう返事。それにしても、海外にいてまで職場関係の訃報に触れることになろうとは、便利になったというべきなのか、ちょっと複雑。
夜のダーリング・ハーバー
夕刻になったので、メトロ・モノレールで勝手知ったるダーリング・ハーバーへ。
ハーバーサイドのショッピングセンターで、安売りになっていたアボリジニデザインのTシャツ(AU$14.95)を妻への土産用に購入し、ハーバー周辺を散策。ハーバーサイド対岸のバーでギネス・ビールAU$3.50を飲んだ後、夕食を食べようとレストランを物色。シーフードにしようと思ったが、良さそうな所は土曜の夕刻なのでどこも混んでおり、一人ではなかなか入りづらい雰囲気もあって、だんだん気分が萎えてくる。
結局、ハーバー南端のZENBUという名のちょっと和風っぽいレストランに入り、店員お勧めのクリスピー・ビーフと赤ワインを頼み、食後にカフェ・ラテを飲んで、合計AU$33の夕食。
そのまま、歩いてホテルに帰り、シャワーを浴び、帰国のための荷造りをして就寝。
6日目(1月12日 日)
いよいよ最終日
いよいよシドニーでの最終日。個人戦決勝が行われる日である。
初日のように遅れてはならじと、6時に起きてシャワーを浴び、昨日買ったツールナイフでリンゴをむいて食べる。刃渡りが短いのであまり使い勝手は良くない。あくまで緊急用ということか。
7時にホテルをチェックアウト。部屋では電話も使っていないし、エクストラ・チャージは何も無し。セントラル駅まで歩き、会場まで持っていく必要のないキャリーバッグを預けるためにコインロッカーを探す。見つけたコインロッカーは、日本のものとはシステムが違うのでとまどったが、係のおじさんが使い方を教えてくれて、410番のロッカーにAU$4で預けることができた。
それから自販機でオリンピック・パークまでの往復チケットをAU$6.20購入し、7:18発の直行列車がタイミング良く待っていたので乗り込む。
オリンピック・パークに着いて、開場まで時間があるので、メインスタジアム前にあるシドニー・オリンピックのモニュメントを見物。林立するポールに、2000年のシドニー・オリンピックに参加した選手や役員の氏名がアルファベット順に書かれている。もちろん、よく知っている日本人選手の名前もあった。
近くのノボテル・ホテルに併設のマクドナルドにてモーニングセット(ソーセージ&エッグ・マフィンとハッシュド・ポテトとコーヒー)AU$3.95で朝食。コーヒーは、「ブッラクかホワイトか?」と聞かれるので、ホワイトと答えるとミルク入りコーヒーが出てくる。
個人戦開始
8時過ぎに会場のState Sports Centerに着くが、まだ閉まっていて、係員に開場時間を聞くと9時とのことで、しばらく待つ。
9時になって会場に入り、前日に競技を終えて会場に来ていたトランポリン競技の選手団と一緒に応援することになり、日本から持参した日の丸の小旗を皆に配り、コーチの人の隣に座って観戦。新体操の応援特有の選手への声かけもそのコーチの人がしてくれて、初日と違って盛り上がる。トランポリン競技の結果を聞いたら、女子が2位と3位、男子はシンクロで1位だったらしい。
新体操の選手達は、出だしでUさんがロープを頭に絡めるアクシデント。娘は最初のクラブの点ははまずまずの滑り出し。しかし、続くリボンとロープは細かいミスもあって、点が伸びず。アメリカの選手はもぐり連続5回転など日本での試合では見られない大技を繰り出して、観客席は盛り上がる。でも、全体的に日本の4人の選手達の方が全体的な構成では上のような気がする。それぞれ細かいミスがあるのが残念。他の選手達の方も結構良い点数を出しているが、個別に点数をつけていないので、どうなっているのかわからなくなる。3つくらい前の席に、全員の得点をつけている人がいて、思わずどうなっているか聞きに行こうかと思ったくらい。
日本選手の優勝は難しいかなと思っていたら、Uさんが最後のクラブをうまくまとめて20.30と高得点。ところが娘も最後のボールを頑張って21.05と、この日の最高得点。怪我のハンディを抱えながらも、なんとか最後まで演技することができて良かった良かった。
表彰式が始まるまで順位がわからなかったが、入場してきた選手を見ると、日本人がUさんと娘の2人。残念ながら日本のメダル独占はならず。娘が3人の真ん中にいて、2位だったのかと思ったら、そのまま表彰台の前に整列して、優勝だったことが判明。そんなことは考えてもいなかったので、感激よりも前に驚いた。トランポリンのコーチ達も喜んでくれて、みんなと握手。だんだんと喜びが湧いてくる。表彰台の真ん中にいる娘を見ながら聞く君が代は、初めての経験ということもあって格別。
表彰式が終わって、フロアに降りて、先生達に挨拶。今回の優勝は、ひとえにコーチの先生や周りでサポートしていただいた皆さんのおかげ。皆さんに喜んでいただいて、みんなで代わる代わる記念写真を撮る。
引き続き同じ会場で体操競技が始まるので、急いで撤収しなければいけないのだが、日本の選手達は、他の国の選手や観客からサインや写真撮影を求められたりで忙しい。
S先生が昼食を一緒にとのことで、全員揃ってスポーツ・センターのカフェで簡単な昼食。大人はビールで乾杯。初めての大会で、日本チームとしては国別対抗・個人戦ともに優勝という成績を収めることができて、先生達も安心されたことだろう。しかし、終わった瞬間から、次へ向けての厳しい戦いが始まるのだろう。ともあれ、私にとっては、わざわざ単身でシドニーまで応援に出かけてきた甲斐のある結果で本当に良かった。
帰国の途に
昼食を終えて、皆さんにお別れの挨拶をして、歩いてオリンピック・パークの駅に向かう。途中で妻に電話して結果を報告。妻も、喜ぶより前に驚きが先だった。
シティ・レールでセントラル駅に戻り、コインロッカーから荷物を出して、また列車に乗ってシドニー空港へ。空港行きの列車は、オリンピックに合わせて整備されたもので、料金はAU$10.40とちと高いが、新しくて格好良い。
空港に着いてシンガポール航空のカウンターでチェックイン。エコノミーの列には人がかなり並んでいて、時間がかかる。かなり大きな荷物を持っている人も多い。やっと順番が回ってきて、チェックインを済ませ、ANAカードを出してスター・アライアンスの提携マイルを登録してもらって終了。乗客が多そうなので、座席は通路側にしてもらう。こういう時に窓側にすると、トイレに立つのも大変だから。
カウンターに置いてあった出国カードに記入をして、出国審査の列へ。当然ながらあっさりと出国審査を終え、免税店(ダウンタウン・デューティーフリー)で、まずは自分用の土産のスコッチを選ぶ。まだ飲んだことのないThe Balvenie Double Wood Aged 12 Yearsの1リットル・ボトルを1本と、あちこちに配布するためのマカダミア・チョコレート3個パックとコアラの形のチョコレート3個パックを一つずつ、カンガルー柄のネクタイを1本買って、搭乗ゲートへ。
テニスラケットを持ったアンドレ・アガシ似の人がいて、全豪オープンが近いからかと思ったが、試合が近いのに今頃シンガポールにいくはずもないので、たぶん人違いだろうと自分を納得させる。でも、よく似ていた。
帰国の途に
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機内に乗り込むと、案の定、エコノミーは満席。アジア人の多い路線と違って大柄と言うか太った人が多いので、飛行機も大変だろうな。
食前酒にカンパリを頼み、機内食は右のメニューのとおりで、ラムを選択。なかなかの美味。ワインを2杯も飲んで、満足、満足。
食事の後、座席前のパーソナル・モニターで映画を見る。アル・パチーノ主演の”s1m0ne”(邦題:シモーヌ)がなかなか面白い。
21:15にシンガポール・チャンギ国際空港に到着。降りてから、ターミナル2にあるリクライニング椅子で1時間余り休憩。それからターミナル2のトランジットホテルのフロントでAU$8.40を払ってシャワーを浴びてリフレッシュ。シャワーの設備はターミナル1側の方が良かった。
シャワーの後、この時点での手持ちのシンガポール・ドルの残りS$7.45を使いきるべく、買えるもの探して土産物店を物色。チョコレート・バー3本をS$7.40で購入し、スポーツ番組を流しているテレビの前の椅子で日記を書く。
福岡行きの搭乗時間になったので、搭乗ゲートF52へ。ゲートに行くまで知らなかったが、この便は福岡経由広島行きで、待合室では広島の団体客が目につく。それでも、乗り込んでみると半分以下の搭乗率か。
眠いので、早速、空気枕をふくらませて眠ろうとすると、CAに夜食がいるかどうか聞かれる。シドニーからのフライトで機内食を食べたのでお腹は空いてないから、パスして朝食の時に起こしてくれるように頼む。うつらうつらとはするが、なかなか眠れない。
7日目(1月13日 月)
いよいよ日本
日本時間の6時頃に起こされて、熱いおしぼりの後、朝食が配られる。和食メニューをセレクト。塩鮭が懐かしい。
福岡空港に到着し、入国審査を受け、パスポートに帰国スタンプを押してもらった後、預けた荷物をピックアップし、税関へ。無申告のラインで係官の質問に答え、特に問題なく通過。
到着ロビーで荷物の中からジャケットを取り出して着込む。やはり日本は寒い。連絡バスで国内線ターミナルに移動し、JASのカウンターで宮崎行きのチェックイン。
宮崎空港に到着し、JRで宮崎駅に移動して我が家へ。1週間ぶりの帰宅。荷物を開いて、お土産を妻に渡し、洗濯物を出したりして整理し、昼食後に昼寝。疲れた疲れた。
充実した1週間だったが、帰国してガイドブックを読み返すと、まだまだ行ってない所、見てない所が多い。今回の旅でシドニーの地理にも精通したので、機会があればまた行きたい。