10月7日付けの宮崎日日新聞の読者投稿「窓」欄に、大阪から図書館のない田野町に転居した主婦の方が、借り出し資格のない宮崎市立図書館に利用開放のお願いをしたが断られたため、何とか近隣町村の住民にも市立図書館を開放して欲しい旨の投稿あり。
これに対し、10月12日付けの同欄には、宮崎市立図書館の斉藤館長から、市立図書館の貸し出しは「市内在住または市内に通勤通学している方ならびに宮崎・東諸県郡から市内に通勤している方の家族および宮崎・東諸県郡所在の大学、短期大学の在学生を対象」という規程になっているので理解して欲しい、また、直接貸し出しはできないが、居住地にある市町村立図書館や公民館図書室を通じての利用、館内利用はできるので気軽に利用して欲しい旨の返事が掲載された。
この問題は、本来は自治体と自治体との協議によって解決されなければならないが、今回の場合は、田野町に町立図書館が無いだけに、田野町の住民にとってやや分が悪い。宮崎市は、田野町を含む周辺6町との合併を模索しているだけに、ここは太っ腹を見せて市立図書館の利用を全面開放するという戦略もありなのだろうが、そうなると、田野町ではこれから先、住民が身近に利用できる図書館ができる日が遠のく事態になりかねない。
現状のまま宮崎市立図書館の利用が開放されてしまえば、図書館に通うことのできる住民だけがそのサービスを享受することができ、高齢者や子ども達、障害のある方々など、交通弱者はサービスを受けられないことになってしまう。これは、宮崎市内に住んでいても同じなのだが…。
投稿された主婦の方の気持ちもわからないでもないが、まず、自分の住む自治体に、図書館の設置を働きかけるのが先だろう。