2002.10.20(Sun.)

 このところ妙に忙しくて、日記を更新できなかったので、書くことが溜まってしまった。まとめて更新。
 10月12日(土)付け日本経済新聞の文化面に、「あえぐ公共図書館 自治体の財政難直撃」との見出しの記事。
 都立図書館の再編で重複を理由に除籍された本の行方から書き出し、図書館の購入費の抑制で専門書を扱う出版社にも影響が出ていること、図書館業務の民間委託、新館整備のPFI導入(三重県桑名市)へと続く。先月7日に東京都内で開かれたシンポジウム「激論! 作家 vs 図書館」(日本ペンクラブ主催)にも触れ、猪瀬直樹氏の「売れにくい専門書をそろえる〝基礎票〟の役割を果たして欲しい」という図書館への注文を採録している。
 記事脇に評論家・編集者の津野海太郎氏のコメントが囲み記事で添えられており、「司書をはじめ、図書館の人々が市場経済の外に立つ誇りを持ち、その意義をアピールできないところに問題がある。行政の内部で、図書館や司書の市が低すぎるのだ。」という言葉が印象に残る。
 記事に触れられた図書館の最近の動きの中で、一番気になるのは、桑名市のPFI。TRCの子会社のTRCサポート&サービスが業務を引き受け、評価の尺度は「利用者数」にしているらしい。日本初の試みだけに、注目の集まるところ。果たしてどのような図書館になるのやら。

 10月18日(金)付け宮崎日日新聞の一面コラム「くろしお」に、宮崎県立図書館の百周年記念事業のことが触れられている。図書館の歴史の概要が書かれているが、百周年記念誌の原稿については、図書館からも間に立つ出版社からも何の連絡も無し。どうなっているのやら?。

 10月19日(土)に『図書館雑誌』2002年10月号受領。今月の特集は、「地方組織の現状とあり方を考える」。宮崎の場合、考える主体は県立図書館であるべきだろう。地方組織を育てる努力をしてこなかったことが、人材の不在にもつながっている。

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