文芸書の出版と図書館

図書館関係の情報発信をやるために立ち上げたWebサイトなのに、このところ図書館の話題はさっぱりです。
日常の生活から図書館が遠くなっているのは否めないので、そこは努力でカバーするしかないのですが、努力のベクトルの大半がテゲツー!に向かっているので、如何ともしがたい現状がある訳です。
ああ、時間が欲しい。

それはさておき、久しぶりに図書館関係の話題。
定期購読をしている『本の雑誌』に、「黒い昼食会」という、業界事情通の鼎談コラムが連載されていて、2107年6月号(ダービーやったる号)に文芸書の出版と図書館との関係について触れられていた部分があったので、備忘録的に拾っておきます。

鼎談を簡単にまとめると、

・ 通常の文芸書の初版部数は4,000部程度で、しかもそのうち800~1,000部は図書館で購入されている。
・ 返品率を計算に入れると、4,000部のうち実際に売れているのは2,000部のうち実際に売れているのは2,000部ぐらいで、そのうち800部が図書館と考えられる。
・ 図書館が無かったら出せない文芸書もあるのではないか。
・ 図書館を批判するより、共存をさぐる方に持って行くべき。
・ 図書館を批判するエネルギーを、国にもう少し図書購入の予算を増額してくれという方向に向けた方がいい。

書籍が売れなくなって、出版業界から図書館へ新刊購入に対する批判がある度に、図書館が出版を支えている側面もあるのではないかと考えていたのですが、業界サイドにいる人の肌感覚でもそういう認識はあるのですね。

しかし、初版部数4,000部なんて、紙の書籍の市場はかなり縮んでいるようです。
私自身も、単身赴任生活で物理的なモノの購入をなるべく控えているので、紙の書籍を買わなくなってますし。
業界もかなり厳しいんでしょうが、私の懐も厳しい。

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