本日付け宮崎日日新聞の内政・総合面に、国立国会図書館、都道府県立図書館、県庁所在地の市立図書館、全92館のうち、先日出版差し止めが確定した柳美里の小説「石に泳ぐ魚」が掲載された文芸誌「新潮」(1994年4月号)を所蔵する64館について、利用制限措置の有無を共同通信社が調査した結果を報じる記事掲載。
今月下旬時点で複写禁止や館外貸出禁止など何らかの利用制限措置を取っているのは、国会図書館を含め46館で全体の72%。このうち閲覧禁止が29館。
記事には解説が設けられ、もともと原告は裁判の過程で図書館が閲覧制限をすることは求めておらず、出版者側が図書館に対して判決の趣旨を徹底する通知書((1)小説の違法性を裁判所が認めたことを明記する、(2)その通知書を当該雑誌の表紙に張り付けるように図書館に求める)を送付することを求めていただけ(最終的に控訴審、上告審で原告側が請求から外したため実行されていない)であることを伝えており、図書館側の過剰対応を指摘している。
図書館から経験ある専門職員が消えて行きつつあることが、図書館内での問題意識を深めないまま、このような官僚主義的対応を生む遠因になっているのかもしれない。
いつもお世話になっている出版社と書店に、お歳暮を持って年末恒例の挨拶に伺う。それぞれで、家族のことなどしばらく歓談し、「来年もよろしく」と言葉を交わして失礼する。