ノルウェイの森

 今日は仕事休みなので、3kmほど歩いてイクスピアリに出かけて行き、シネマイクスピアリで「ノルウェイの森」を観賞。平日初回上映1,300円。

 死に縁取られた生の物語、もしくは、愛に生きようとしてその愛ゆえに傷つく人びとの物語と言えようか。

 原作の雰囲気もこうだったのかな?。村上春樹の原作は、リアルタイムで読んではいる。実家にはちゃんと赤と緑の装幀の上下巻がある。でも、中身はほとんど覚えていない。基本的に速読で、他の本でもあんまり覚えてはいないんだけど、同じ村上でも村上龍の出世作「限りなく透明に近いブルー」の方がまだ鮮明ではある。持っている文庫本も春樹より龍の方が多いはず。

 そんなことより映画の話だ。

 キャストはなかなか良いと思う。ワタナベ君役の松山ケンイチ、直子役の菊池凛子、緑役の水原希子いずれも良い雰囲気を醸し出している。特に、本作が映画初出演のモデル・水原希子のはかなげな透明感は実に良かった。

 他にも、糸井重里、細野晴臣、高橋幸宏といった、80年代に青春を送った私のような世代には、ちょっと嬉しい人びとも端役で出ていたりする。

 監督のトラン・アン・ユンも、静かでリリカルな映像を巧みに作り上げている。本当に上質な純文学作品を観ているような気がする。

 しかし、この映画で深く感動するという年では残念ながら既にない。それじゃ、20年前だったらどうだったのかというと、それもあんまり自信ないけど。

 個人的評価としては、5点満点で3点かなぁ。

 映画を観終わって、ジョンとポールによる”Norwegian Wood”の歌詞はいったいどんな感じかだったのだろうかと気になって調べてみると、以下のようなものであった。

【2019.6.15注記】

初出時、ここには The Beatlesの楽曲”Norwegian Wood”の英文歌詞を記載していましたが、サーバを管理しているさくらインターネットを経由して、一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)より、著作権法第21条の複製権及び第23条の公衆送信権(送信可能化を含む。)を侵害しているとの侵害情報通知がありました。

私的利用の範囲内での引用という判断で記載していましたが、無用のトラブルを避けるため、とりあえず該当部分を削除します。

なお、当該歌詞は、「NORWEGIAN WOOD 歌詞」で検索すればすぐに出てきますので、とりあえずそちらをご参照ください。

 女の子をナンパして(逆ナンかもしれないが)彼女の部屋に行ったものの、結局何もできずに風呂の中で寝てしまい、目覚めたら彼女がいなくなっていた、みたいな歌詞で、ダブル・ミーニングなフレーズが使われている訳ね。

 村上春樹は、この詩をモチーフにして「ノルウェイの森」を書いたのだろうか?。男性目線の詩を、女性の側からも読み直し、オリジナルの詩にはない森のイメージを重ね、更にひねりを加えて行ってできあがったと読むのかな?。やはり、なかなか大したものではあるね。

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