永遠の0

永遠の0 話題になっている映画『永遠の0』を、宮崎セントラルシネマのレイトショーで観てきた。

 客入りは、三連休の中日ということもあって、かなりのもの。Webの事前予約でセンターを座席指定しておいて良かった。
 先日観た『あさひるばん』はかなり苦戦していると聞いたので、この半分でも入るといいのに(まだ宮崎セントラルシネマでは1日1回上映してる)。

 Facebook等で泣ける映画という前評判を仕入れてはいたが、その前評判に違わぬできであったのは、年のせいでとみに涙腺が緩くなっているせいだけではない。老若男女がいっぱいの館内のあちこちで涙流れていたから。
 これは、太平洋戦争、特に特攻をモチーフにした映画であるが、間違いなく愛の物語であると同時に、男の生き方の物語であり、結果として見事な反戦映画にもなっている。
 私を含め人々は、戦時中という困難も極限の時代に、愛のために孤独を恐れずに生きようとした主人公の姿勢に、それも単なる妻や娘への愛だけではなく、根底に広い人間愛があることに気づいて涙したのだと思う。
 それは、脚本(原作)の力かな。

 原作者の百田尚樹は情熱大陸にも出て、すっかり売れっ子というか時の人になっているけど、この『永遠の0』が小説家としてのデビュー作だったのね。2006年に世に出たこの原作も評判が良く、映画のヒットともにまた売れてるみたいだけど、残念ながら未読。いずれ読まねばなるまい。

 主演の岡田准一は、今、NHK大河ドラマの黒田官兵衛役で主演するなど乗っている役者の一人であり、個人的にこのところ注目している役者である。
 昨年観た「図書館戦争」の時も思ったが、古今東西の武道に通じていて、きちんと身体を鍛えているので所作が美しく、それでいてよく考えて演技を作ることができる役者だと思う。

 脇を固めるベテラン俳優陣も凄い。田中泯の存在感とか半端ないし、平幹二郎も端役だけど凄みがあるし、夏八木勲もスクリーンで観るのはこれが見納めかなと思いながら観てた。

 零銭による空中戦の模様をはじめ、SFXもよく作られていて、リアリティも十分。資料映像をベースに、苦労して作ったんだろうな。

 ともあれ、お金払って観るに値する良作でした。今年の日本アカデミー賞の有力候補は間違いないだろう。

Translate »