別れの手紙

チェ39歳別れの手紙
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休みだったので、新宿バルト9のマチネー料金で「チェ 39歳別れの手紙」を見てきた。

キューバ革命を成功に導いたPart1の「28歳の革命」とは違い、このPart2「39歳別れの手紙」は、フィデル・カストロに別れの手紙を残してキューバを去り、ボリビアでのゲリラ戦に敗れて処刑されるまでを描いた、暗い陰鬱な印象の残る映画である。

最後のエンド・ロールでは、通常ならあるはずの音楽が全く流れず、無音のまま黒字に白文字のクレジットが下から上へひたすらに流れて行き、あたかもゲバラに弔辞を捧げているような気分にさせる。
この無音の状態に耐えられずに席を立つ観客も多いのだが。

最後、捕らえられて監禁されるシーンで、ボリビア軍の若い兵士に、「(共産主義の)キューバにも宗教はあるのか?」と尋ねられ、更に、「あなたも神を信じるのか?」との問いに、「私は人間を信じる」と答えるシーンが強く心に残った。
末期は確かに悲惨ではあるが、信念に生き、信念のままに死んだ革命家の生涯はやはり偉大である。

アカデミー賞の受賞レースとは無縁な映画ではあるけれども、ヴェニチオ・デル・トロの快演とともに、長く記憶されるべき映画であろう。

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