『冷や汁万歳』スピンアウト作品

冷や汁万歳スピンアウト

2022年に上梓した『冷や汁万歳 復権!”万能”の伝統食』を執筆するに当たって、冷や汁の材料として使われる食材の歴史などについても、かなり文献を読み込んだり、インターネットを使って調べました。

そんな中で、面白いと思ったけど、冷や汁には直接関係なかったり、その時はあまり深掘りする時間が無くて本に書くには内容が不十分だったりする内容がいくつかあったので、本を出した後で、忘れないうちにまとめておこうと思って、noteに稿を立てることにしたのでした。

そうして最初に書いたのが、紫式部の話題。
紫式部はイワシが好きだったという説があるけど、それは本当なのか?というお話し。
今年のNHK大河ドラマの主人公になるなんてことは、全然念頭にありませんでしたが、これから吉高由里子演じる紫式部がイワシを食すシーンとか出てくると、それはそれで面白いですけどね。

紫式部はイワシ好きだった!は後世の創作|Dice
冷や汁についての本を書くのに、その材料となる煮干し(いりこ)について調べる必要があって、ネットや文献を調査していたのですが、その中で、巷間伝わるけどそれはウソだよねという案件に出会ったので、備忘録的に...

イワシについては、続きがあって、イワシを「むらさき」と呼ぶのは何故なのか?というお話し。
国語辞典とか語源辞典とか見ても、諸説あって何が正しいのかいまいちよくわからないので、根拠となる文献についてきちんと整理してみました。

宮中の女房言葉でイワシは「むらさき」|Dice
前項「紫式部はイワシ好きだった!は後世の創作」の続きになるのですが、室町時代頃に御所や仙洞御所(退位した天皇の住まい)で働く女性達の間で、イワシは「むらさき」とか「おほそ」、「きぬかづき」と呼ばれてい...

イワシの次はキュウリ。
これは、本の中でも簡単に触れていますが、京都の祇園祭や博多山笠での忌避の話なんかは書かなかったので、こっちにまとめました。

水戸の黄門様はキュウリがお嫌い!|Dice
水戸黄門の諸国漫遊記は、時代劇の定番として、明治末期から現代まで何度も映画やテレビドラマになっていますので、ご存じない方の方が少ないかと思います。 Wikipediaで確認してみると、映画は1910年...

そして、つい最近まとめたのが、ミョウガを食べると物忘れがひどくなるという迷信について。
これを誰が言い始めたのかをつきとめるために、仏典まで調べる羽目になって、なかなか苦労しました。
室町時代に誰かが勘違いしたんだろうな、というの暫定的な結論ですが、その誰かがまだわからずじまい。
これ以上突き詰めるとなると、それなりに大変そうですが、労多くして実り少なそうなので、深堀は他の人に任せたいと思います。

ミョウガを物忘れの元凶にした犯人は誰なのか!?|Dice
夏場をメインにスーパーの棚に並ぶ香辛野菜のひとつにミョウガがあります。 刺身のつまにしたり、素麺や冷やしうどんなど冷たい麺類、冷や汁の薬味などに使うと、その香りとピリッとした辛味で食欲が増します。 た...

とりあえず以上で、『冷や汁万歳』からスピンアウトしたシリーズはひとまず終了。
また何か新しいネタを見つけたら、深掘りしてみようと思います。

このシリーズを書くに当たっても、浦安市立図書館中央館には大変お世話になりました。
岩波書店の『日本古典文学大系』や『日本思想体系』、筑摩書房の『日本文学全集』といった全集ものがしっかり揃っていて、すぐに手に取れるのは、実にありがたかったです。

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