行った年、来た年

年末年始は家族の住む浦安で過ごし、昨日の最終便で宮崎に戻った。

 娘は合宿のために29日までと2日から留守していたりして、結局家族が揃ったのは30日と31日の夜だけという感じ。家族がだんだんと希薄になっていくのは、そういう年になったということか、離れて暮らす生活が長くなったからなのか。

 30日は、妻方の縁戚の家に妻と息子と3人で餅搗きの手伝いにでかけ、関東風のし餅の作り方のレクチャーを受ける。昔ながらに臼と杵で搗く餅は流石に旨く、中でも搗きながら食べた納豆餅は最高だった。

 31日と1日は、まあまあ普通の大晦日と元旦。数の子だけは自分で漬けたが、ちょっと塩が辛めになったのはご愛敬。

 2日は、昨年に引き続き、国立競技場でラグビー大学選手権の準決勝2試合を一人で観戦。今年も強い早稲田のセカンドジャージが、意外に格好いいのに驚き。

 3日は息子につきあって総武線快速の錦糸町-千葉間全駅制覇に2時間半を費やし、千葉市動物公園まで行って舞浜に戻り、そのままリムジンバスで羽田空港へ。

『翻訳教室』書影

 今回の旅のお供は、柴田元幸著 「翻訳教室」 (新書館)

 2004年10月から2005年1月にかけて、著者が東大文学部で行った授業の内容を、ほとんどそのまま文字化したもので、最初に英文の例題が出され、その学生訳を学生達と一緒にセンテンスごとに添削していく過程で、英語を日本語に訳すということがどういうことなのかを教えてくれる。

 単語の意味を考えながら英文を読み、日本語訳と英文を見比べながら読み進むため、流石に往復の機中では読了できず、まだ半分以上残っているが、じっくり考えながら読む行程は、実際に授業に参加しているようで得難い体験である。

 課題文として取り上げられている著者は、アーネスト・ヘミングウェイやレイモンド・カーヴァー、リチャード・ブローティガンなど現代アメリカ文学を代表する作家に加え、村上春樹まで。その村上春樹を迎えた特別講義まである。

 繰り返し読むことが必要で、かつ、そうすることでも楽しめる1冊だと思う。

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