久しぶりに舞浜のシネマイクスピアリに行って映画を観た。
午前中初回上映1,300円で何を観るかという問題で、『告白』と『孤高のメス』のどっちにするか迷ったが、終了時間が5分早い『告白』に決定。
何故って、その後プールで泳ぐ予定だったので、少しでも早くプールに行きたかったから。プールの後は夕食の支度が待っているので、ゆっくりはしてられなかったのだ。
さて、その『告白』、怖い映画だね。下手なホラー作品よりよほど恐ろしい。序盤は、胸の中がざわざわした感じがしてどうにも落ち着かない。それがそのうち、淡々と切り取られるカットの中で、じわじわと怖さがこみ上げてくる。
誰しも持つ人間の弱さ、心の奥底に潜む暗黒の部分をえぐり出しながら、壊れていく登場人物達の告白の形を取りながらストーリーが進んで行く。ダークサイドに落ちた人々の物語であるが、誰しもダークサイドに落ちる可能性があることを冷徹に描き出している。
これは、原作の力でもあるのかな。原作は、湊かなえ著の同名の小説で、2009本屋大賞受賞作でもある。話題になったので、読むべきリストには入っているが、未読である。浦安市立図書館に蔵書があるが、予約がいっぱいでしばらく回って来そうにない。それなら買えよって話だが、借家の書架がいっぱいで、これ以上蔵書を増やしたくないのだ。
結局この殺人の連鎖を生み出してしまったのは、松たか子演じる教師が、生徒達がばらばらでいじめすら存在する教室をそのままにほうっておいたからであり、その罪を一見被害者のように見える彼女自身も感じていたのではないだろうか。彼女もまた、ダークサイドに落ちた人間だったのかもしれない。
後味の悪い映画であるが、人間の根元を問う深い映画である。