娘のアパートに荷物を取りに行ってくれという妻の依頼を断固拒否して、たまの休みに出かけたのは、上野の国立博物館。折しも「薬師寺展」を開催中なのだ。
遅めの朝食を終えて、上野に着いたのはちょうど昼時。平日で昼食時なら空いてるだろうとの読みは大甘!。なんと平成館前はいきなりの30分待ち。さすがに菩薩様のご威光は畏るべし。
一人粛々と列に並んで待ち、ようやく館内に入って、音声ガイドを借りようと思うと、そこにも長蛇の列が。元来待つことが嫌いな私は、早々に借りるのを見限って、大混雑の展示室へ。
周囲のおばさま方の声高で勝手な講釈に辟易しつつも、少しずつ進んで見目麗しき聖観音菩薩立像とご対面。
続いては、いよいよ日光・月光両菩薩との対面だ。薬師寺には、25年前の学生時代に行ったことがあり、薬師寺三尊も拝観しているのだけど、遠い昔の記憶は無いに等しい。
今回、光背を外した姿で立体的に見ることのできた両菩薩は、予想外に大きく、そして周りの喧噪とは無縁に厳かに見えた。
残りの展示も一通り見て、第一展示室の入口に戻ると、音声ガイド前には列がない。これ幸いと500円出して音声ガイドを借り、市原悦子の案内で、再度最初から展示を見直す。
さすがにツボを押さえたガイドがあると理解が進む進む。
2周目で大満足して平成館を後にして、続いて本館へ。土器から始まる日本美術の歴史が収蔵品で構成されている。
時折出てくる国宝を見るのが楽しい。
本館の展示を見終わって、ミュージアムショップをちょっと覗き、続いては東洋館へ。ここでは、インド・ガンダーラ彫刻の展示なんかをやっていて、平成館との連動も感じさせる。
東洋館をやや駆け足で見終わって、どうしょうかと考えていたら、金曜は20時まで開館中との表示が目につく。となれば、まだまだ時間がある。
折角来たのだからと、残る法隆寺宝物館に足を運ぶ。
ここでは、法隆寺に収蔵されていた宝物の一部を見ることができるのだが、ほとんど全てが重要文化財とか国宝なのだ。
法隆寺宝物館を出たのが17時。ほとんど5時間休みなしで歩き通しだったから、さすがにちょっと疲れた。でも、非常に満足できた休日であった。
次は、東京藝術大学美術館でやっているバウハウス・デッサウ展に行きたいな。