ボヘミアン・ラプソディ

観に行ったのは、もう2週間前なんですが、未だ興奮冷めやらず、頭の中でクイーンの楽曲がリピートしまくっている映画『ボヘミアン・ラプソディ』。

思い起こせば、中学生だった私にクイーンを教えてくれたのは、当時仲の良かった樋口君でした。
クイーンの結成は1973年ですから、たぶん、「オペラ座の夜」というアルバムがリリースされた後だったでしょうか。
そう、映画のタイトルにもなっている「ボヘミアン・ラプソディ」が収録されているアルバムですね。

樋口君から教わったものは多く、エラリー・クイーンだったりヴァン・ダインだったりという英米ミステリとか、E・E・スミスのレンズマンシリーズなど英米SFの面白さを教えてくれたのも彼でした。

その樋口君の当時の一番のお気に入りだったクイーンの結成から、ボーカルのフレディ・マーキュリーの死までを描いたこの映画、クイーンの楽曲の素晴らしさはもちろんのこと、完コピとも言われるウェンブリー・スタジアムでのライブ・エイドのシーンなど見どころ満載なのですが、底流には、フレディ・マーキュリーという希代の天才のマイノリティとしての秘めたる孤独が流れているのですね。

天才の孤高と同時に、紆余曲折ありながらも解散に至らない、家族愛的なバンドの結束、相互理解があり、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンという、これまたそれぞれに才能豊かなメンバーとの相乗効果で楽曲が誕生していくシーンが、もうゾクゾクとさせる訳です。

クイーンが10代から20代にかけての青春の中にあった者として、自然と歌詞を声を出さずに口ずさみながら観てましたし、途中から溢れる涙を抑えることができなくて、最後は鼻をぐすぐす言わせてました。
観終わった時は目が赤かったと思うので、レイトショーで良かったなと思いましたね。
そんな感じの、いい映画でした。

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