『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』

『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』書影

著者には申し訳ないが、本屋の話なのに、kindle版を購入して通勤電車の中でスマホで読んだ『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(川上徹也著、ポプラ社)。

それでも著者は、同級生のよしみで許してくれるだろうと思います。
そう、著者の川上徹也氏とは、大学で同級だったんです。
その当時は、彼が大手広告会社に勤め、ブランディングの大家になって本をたくさん書くことになり、挙げ句の果てには我が故郷の高校生を相手に商品開発の指導をしてくれるなんて思いもしなかったのですが、縁は異なもの不思議なものですね。
今月、彼が指導した高校生達が、私の勤める新宿の店で、開発した商品の販売体験をやるはずだったのですが、緊急事態宣言を受けて延期になってしまいました。
久しぶりに川上氏と会えると思っていたのに残念です。

そんなことより本書、出版取次大手「大販」(モデルは東販かと思ったら、著者が違うよというので、それな日販かな)の新入社員・大森理香の成長譚を縦糸として、著者が別の本のための取材で出会った兵庫県尼崎市に実在する書店「小林書店」の小林由美子さんが語るストーリーを横糸に、フィクションとノンフィクションがうまく融合された構成になっています。

展開されるのは出版取次と書店の世界での話ですが、いきなり本屋の由美子さんが傘を売る話から始まり、由美子さんの話の中に人の心を動かすためのノウハウが詰まっていて、書店に限らず様々なビジネスシーンに共通することが満載です。

タイトルのとおりここには、「仕事で大切なこと」の学びが織り込まれています。
特に、久しぶりに食品小売りの現場に戻った私には、改めて学び直す良い機会となりましたし、手軽で読みやすいので、スタッフ教育にも適した一冊だと思いました。
川上君、今回も良い本をありがとう。

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