先日、宮崎で講演いただいた竹内悊(さとる)氏の講演集「竹内悊講演集1 ひとの自立と図書館」(久山社 日本児童文化叢書35)を読了。
1989年から1999年の竹内氏の講演録を元に再構成されたものだが、2部構成になっており、第1部では、図書館とは、特に公立図書館とは何かということが平易なわかりやすい言葉で解説されており、図書館の役割を知る入門書として最適。改めて、先日の講演の内容の根底にあるものがよく理解できた。
第2部には、「『ちびくろサンボ』と差別の問題」が収録されていて、1980年代後半に図書館界を騒がせたこの問題について、改めて考え直すための良い資料になっている。久保輝巳さんが、竹内さんとの交流会の席で、「これを読んで、『ちびくろサンボ』のことがよくわかった。」と言っておられたのが鮮明に記憶に残っている。