『ファイナル・カントリー』

『ファイナル・カントリー』書影

通勤電車読書の最新刊は、ジェイムズ・クラムリー著「ファイナル・カントリー」(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 男と女と金に銃と酒と薬と暴力が彩りを添える。基本的にこんなの好き。やわじゃないハード・ボイルド、タフガイの物語。

 主人公は物語の途中で60になる私立探偵のじじいなのだが、ちょっとぶっ飛んでいて、哀愁を抱えていて、本当にタフ。出てくる登場人物のキャラもなかなかのものだ。
 故郷のモンタナと今住むテキサスを対比させながら、そこに主人公の心象風景を重ねつつ物語が進む。アメリカの地理を知ると、もっと面白く読めるのかもしれない。総合で☆☆☆☆1/2。

 訳者のあとがきで知ったが、本書は主人公ミロ・ミロドラゴヴィッチ・シリーズの第4作になるらしい。今までシリーズの存在を知らなかったことは、私の不徳の致すところである。まだまだ知らないことが多すぎる。早速前3作を探しに浦安中央図書館へ行かなければ。もう開架には出ていないかもしれないけれど。

Translate »