『急に売れ始めるにはワケがある』

『急に売れ始めるにはワケがある』書影

昨日電車内で読了した本は、マルコム・グラッドウェル著「急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」 (SB文庫 ク 2-1)

 私にとっては珍しく、普段は手に取ることのないジャンルのノンフィクションだが、『本の雑誌』2010.4月号で高野秀行が紹介していて、何となく面白そうだったので、カーリル(https://calil.jp/)で検索して浦安市立図書館中央館で予約して借りてみた。

 読んでみたら、これがとても面白かった。「流行」について社会学・心理学的に分析したアメリカでの理論を紹介した入門書のようなもので、昔大学時代に学んでいたようなことに非常に近い。

 要は、小さな変化が大きな結果を生み、その過程にある劇的な転換点(Tipping Point)を押すにはどうすれば良いのかということが、非常にわかりやすく書かれている。
 著者は『ワシントン・ポスト』のビジネス、サイエンス担当記者を経て、『ニューヨーカー』のスタッフライターをしているということで、そういう経歴が遺憾なく発揮されて、小難しい社会学や心理学の理論をかみ砕いてたくさんの例示とともに紹介してくれている。

 かの有名なテレビ番組「セサミ・ストリート」が、心理学者達の綿密な検証を経て作られていたなんて話は、この本を読んで始めて知ったし、様々な事例が社会学的にそれも実証主義的に検証されているのを読むと、やはりアメリカっていう国の底力っていうのは、こういうところから来るのかななんて思ったりした。『本の雑誌』で高野秀行も似たようなことを言っていた。

 マーケティングにも生かせるし、例えば選挙とか、いろんなところで使えそうである。まあ、生かせるかどうかは才能なんだろうけど。☆☆☆☆

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