『あねチャリ』

『あねチャリ』書影

2月にいつも行くプールが休みになったので代わりにランを始め、3月にはラン+スイム+ランなどとちょっとハードなトレーニングをしてみたりして、これでバイク(自転車)で走ればトライアスロンも夢ではないなと思いつつ、愛用のクロスバイクは宮崎に残したままなので、ちょっと自転車に飢えていたりする。
 そこで手に取ったのが、川西蘭著『あねチャリ』(小学館)。

 ジャンルとしては、青春スポーツ小説になる。どっちかと言うとYA寄り。作者は私より2歳上ではあるが。

 高校でバレーボール選手だった主人公・早坂凛が、怪我をきっかけにバレー部を退部、そのまま学校にも行かずに引きこもりになるが、突如3kg増えた体重を落とすためにママチャリでサイクリングを開始。いつしか自転車で駆けっこする楽しさに目覚め、そこで出会った元怪物競輪選手に強引に弟子入りして、ピスト自転車の楽しさを覚え、世界の「ケイリン」の舞台に出ていくことになる。その過程で、母親との確執、高校退学、自立といった人間としての成長が描かれて行く。

 16歳の女の子が主人公でありながら、ありがちな色恋は全くなし。ひたすらペダルを回すのみ。軽く読めて爽やかな印象を残す好著。☆☆☆1/2。

 同じ著者で、ロードバイクによる自転車レースをテーマとした『セカンドウィンド』という小説もあるみたいなので、次はこれを借りて読もう。

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