典拠コントロール

 先日のブルーエン/ブルーウンに係る典拠コントロールの話は、「ロンドン・ブールヴァード」を返却する時にカウンターの職員に「Web-OPACで検索すると別々になるので著者典拠を修正した方がいいですよ。」と話しておいた。

 それで、数日経って浦安市立図書館のWeb-OPACで検索してみたら、「ケン・ブルーエン」ではちゃんと蔵書の3冊がヒットするのだけれど、「ケン・ブルーウン」では新しい「ロンドン・ブールヴァード」の方がヒットしない。参照関係が一方通行になっているので、これでは完全ではない。「ブルーウン」で引いて「ブルーエン」も表示してくれなくては。

 気になるので、それじゃ他の著者はどうなっているのかと試しに検索してみたら、「北野武/ビートたけし」も「阿佐田哲也/色川武大」も「栗本薫/中島梓」も、基本的にそれぞれの著作しか表示してくれないみたいだ。

 う~む、なんだかなぁ。浦安市立ともあろうものがそれで良いのか?。それじゃ、宮崎県立ではどうなっているのかと試してみたら、こちらも結果は似たようなもの。システムをコンピュータ化した時に、全国のモデルとなったくらい著者典拠にはうるさかった図書館なだけに、この結果は実に残念。山田先生が草葉の陰で泣いておるぞ!

 公共図書館のWeb-OPACに関する最近の研究でも、「著者名の典拠コントロールは十分に機能しているとはいえない。」とあるので、どこも似たようなものなのかもしれない。典拠のシステム通さずに、購入した市販MARCを直接読んで検索結果作っているのかも。

 これだけWeb-OPACが一般的になったにも関わらず、こんな基本的な検索ができないというのは残念至極。膨大な知識の海をうまくナビゲートしてくれるのが図書館の役割だろうから、知らないと検索できない、ではなくて、知らなかったけど検索したらわかった、という世界を見せてあげるべき。
 図書館もシステム屋さんももっと頑張んなきゃ、プロとしての存在意義がないよ。

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