通勤電車読書シリーズ、今回は、前回の『ファイナル・カントリー』に続き、ジェイムズ・クラムリー著『明日なき二人』(ハヤカワ・ミステリ文庫)。
刊行順を逆に読んでいるが、そんなこととは関係なく十分に楽しめる。『ファイナル・カントリー』はミロ・ミロドラゴヴィッチの物語だったが、この『明日なき二人』には、その相棒であるC・W・シュグルーも登場し、二人がいずれも一人称で交互に物語を語る形で進行する。
ミロは奪われた自分の金を追うためにシュグルー殺そうとした奴を追うことになり、シュグルーは隠遁生活からミロに引きずり出される形で彼と行動を共にすることになるのだが、二人がそれぞれに抱える問題、追う者が、いつの間にかひとつに集結していき、最後のシーンを迎えることになる。
その過程で、酒と薬と女とろくでもない男達と銃と暴力が登場するのがどうもクラムリーの定番のようである。そして、そういうろくでもなくとんでもない物語がやっぱり好きなんだと確認させられた作品であった。
今回も☆☆☆☆1/2。