『オベリスク』

 2012年最初の読書記録は、大晦日に西が丘サッカー場に行った際に電車の中で読了した、ハワード・ゴードン著「オベリスク」(新潮文庫)

 原題の”GIDEON”S WAR”でわかるとおり、主人公のギデオン・デイヴィスが、テロリストに乗っ取られた巨大石油採掘施設<オベリスク>を奪還すべく、単身(多少の手助けはあるけど)大活躍する物語。

 著者のハワード・ゴードンは、あの大ヒットTVドラマ「X-ファイル」や「24」のプロデューサーを務めた人物で、本作が作家デビューとのこと。
 そういうことで、「24」ばりに次から次に降りかかる難題を乗り越えていくノンストップ・スリラーが展開される。背景には政府高官による過てるアメリカ主義に基づく陰謀があり、ギデオン・デイヴィスがジャック・バウアーであっても何の不思議もない。映画やTVドラマの原作であってもおかしくないが、その分深みはさほどない。

 何も考えずに読むのならいいけど、何かを求めて読みたい人にはたぶん不評だろうな。☆☆☆。

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