「コト消費」の嘘

『「コト消費」の嘘』書影

著者の川上徹也氏とは大学の同窓生で、今でもFacebookで繋がっている縁で、ゲラの状態で送って貰って読んだ、『「コト消費」の嘘』(角川新書)
今週から、書店の店頭にも並んでいるようなので、ちょっとプッシュしておきたいと思います。

ビジネス書に縁遠かった私が、そのジャンルにも目を向けるようになったのは、同じ川上氏の著書である『物を売るバカ』を手にしたのが最初でした。
そこから2年半、同書に書かれた、モノの背後にあるストーリーを前面に立ててモノを売る「ストーリーブランディング」の延長にあるように見える、体験型の「コト消費」が、このところメディアを賑わすようになってきています。
本書では、「コト消費」を意識して新しく作られている全国各地の商業施設の検証と分析をベースに、「コト消費」が、ちゃんと「モノ消費」に結びついているのか、どうすればモノは売れるのかを解き明かして行きます。

その中で、台湾にまで足を伸ばし、「宮原眼科」「誠品書店」という話題の商業施設も取材して、その「モノガタリ消費」の仕組みを分析しています。

この他にも、様々な具体例に触れつつ、「コト」と「モノ」の結びつきがうまく行っているところ、もう少し工夫が必要なところを、著者自身の目線で紹介しており、参考になる点が満載です。。

本書は、実際に商売に携わっている方はもちろん、ブランディングなどビジネス支援に関わっている方、企業や人材の誘致に関わっている行政職員など、幅広い方々に読んでいただきたい好著だと思います。

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