『路上の事件』

 週末に行事が続いたので前回からしばらく間が空いてしまったけど、今回の通勤電車内読書は、ジョー・ゴアズ著「路上の事件」(扶桑社ミステリー)

 簡単に言うと、大学を卒業して放浪の旅に出た青年ピアス・ダンカン(ダンク)が、幾多の苦難を乗り越えて私立探偵として成長していくロードムービーみたいな物語だけど、約600ページとボリューミーな割りには、いまいち楽しめなかった。
 訳文のテンポや言い回しもしっくり来ないし、私立探偵ダンクが活躍するきちんとした物語のつまらない前置きを延々と聞かされた感じ。
 どちらかと言うと、彼の探偵としての師になり、最後は悪役として殺されてしまうドリンカー・コープを主役に置いて構成し、ダンクは端役でちらちら登場させた方が成功したのではないかと思うのだが。
 そういうことで、評価は☆☆1/2。

 作者のジョー・ゴアズって、ハードボイルドの世界では有名な作家の一人らしいけど、これまで作品は未読。ミステリの世界、奥が深いのでまだまだ知らないことが多い。
 代表作はヴィム・ベンダース監督で映画化もされた「ハメット」(もちろん、かの「マルタの鷹」で有名なミステリ作家ダシール・ハメットが主人公)らしいので、次はこれを読んでみよう。

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