焼酎の変遷を垣間見る『みやざきの本格焼酎』

先日、実家で蔵書を整理していた時に、懐かしい本を見つけました。
『みやざきの本格焼酎』(小川喜八郎・永山久春著、鉱脈社)。

前半は、県内を「けんなん」、「もろかた」、「けんおう」、「こゆ」、「けんほく」の4地区に分け、それぞれの地区を代表する焼酎の銘柄を、ラベルのデザインとともに1ページ1銘柄で紹介しています。
紹介されている銘柄は、県南19、諸方10、県央11、児湯11、県北16の67種類。

後半は、「焼酎よもやま話」として、焼酎に関する文化的、学術的な話題が紹介されていて、今読んでも参考になります。

発行は、今から29年前の1987年1月12日。第一次焼酎ブーム(1982~85)の少し後になりますね。
冒頭の宮崎県酒造組合連合会会長・渡辺真助氏の「発刊に寄よせて」を読むと、この本が発行された当時、宮崎県内には65ヶ所の本格焼酎醸造場があったことがわかります。
現在、焼酎の出荷量は当時より格段に増えていますが、醸造場の数は38ヶ所に減っています。
本書で紹介されている銘柄の中でも、今は醸造場とともに消えてしまっているものもかなりあります。
逆に、本書以降に誕生した銘柄もたくさんあるのですが。

京屋酒造さんは、親子で酒造組合の会長を務めているのかとか、霧島酒造には米焼酎の「白霧島」があったとか、焼酎に関する知識を重ねた今、改めて読み返してみると、面白い発見があって楽しめました。

本書は、県内では宮崎県立図書館にしか蔵書がないみたいなので、読みたい方は、県立図書館まで行くか、お近くの図書館からリクエストしてくださいね。

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